一方で、今週は日米の主要企業の決算発表が相次いで行われます。好決算の企業や業績の見通しを上方修正した企業などの銘柄はしっかりと買われていますので、入念に物色したいところです。

なお、26日~27日は日銀金融政策決定会合、27日~28日は米連邦公開市場委員会(FOMC)、28日はバイデン米大統領の就任後初の議会演説も行われます。

25日線、75日線をともに割り込むが、安値圏では押し目買いも

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週、ローソク足の実体が25日移動平均線を回復しました。先週はこれを維持できるかどうかが大きなポイントでした。

実際には、週初19日は十字線のような形でなんとか25日線を維持したものの、翌20日には窓をあけて25日線を割り込んで寄り付くとそのまま陰線となりました。さらに23日も窓をあけて下落し、75日線も割り込みました。ただ、その後は反発し、75日線付近まで戻しています。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。やはり心配なのは、25日線だけでなく、75日線も割り込んでしまったことです。昨年10月末の上昇過程で、75日線は下支えになっていました。今回はっきりとこれを割ってしまいました。ただし、安値圏では押し目買いの動きもあります。

チャートの形を見ると、高値は、2月16日の高値(30,714円)から3月18日の高値(30,485円)、さらに4月6日の高値(30,208円)と次第に上値が切り下がってきています。ただし、下値は、3月5日の安値(28,308円)、3月24日の安値(28,379円)、先週の4月21日の安値(28,419円)と、こちらは逆に切り上がっています。

つまり価格の上下幅が徐々に小さくなり煮詰まってきているような状況です。これを上に抜けるのか下に抜けるまでは、もみ合うような動きが続くでしょう。下抜けにはもちろん警戒が必要ですが、上抜けの勢いもまだ残っていそうです。判断が難しい場合は、どちらかに抜けてから付いていっても遅くはないでしょう。

下原 一晃