イオン、SM・ヘルス&ウエルネス事業は大幅増益で業績は回復基調 2021年度はコロナ前水準へV字回復を目指す

2021年4月9日に行われた、イオン株式会社 2021年2月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:イオン株式会社 財経担当責任者 宮崎剛 氏

連結業績

宮崎剛氏:決算の概況につきまして、宮崎からご説明を申し上げます。2020年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に、いかに素早く対処し、新たに生まれたニーズに対応していくかが勝負の1年でございました。

緊急事態宣言に伴う営業休業などにより、第1四半期に業績への影響を大きく受けましたが、その後は、グループのレジリエンスを発揮し、業績は改善基調となりました。

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12月に業績予想を上方修正しましたが、想定より食品の売上が伸びたことと、経費コントロールを推進したことで、修正予算値をさらに上回る着地となりました。2021年度は、コロナ前の水準へ、V字回復を目指します。親会社株主に帰属する当期純利益の状況については、次のスライドにてご説明をいたします。

連結業績(親会社株主に帰属する当期純利益)

当期純利益につきましては、ショッピングモールの臨時休業中におけるテナント賃料の減免や販売機会の逸失などの影響を受けましたが、これらは一過性のものとなっております。また、2020年度のコロナ禍という特殊な状況におきまして、経営体質の強化を推進いたしました。

画面中央、4つの箱の左上から下にかけて青い文字で示しておりますが、イオンリテールを中心に取り組んだ在庫削減に伴う商品評価損や、重要な事業パートナーでございますテナントのみなさまとの共存共栄のための賃料減免など、強い意志を持って取り組んでまいりました。

これらの取り組みは2020年度の業績に一時的な影響を与えましたが、売上総利益率の改善、魅力あるショッピングモールの運営など、今後の業績回復につながるものと考えております。

そして、右側について、特別利益の減少、繰延税金資産の取崩しは、事業の実業部分の中長期的な成長を志向したものであり、2020年度における一過性の要因となっております。

赤い文字は直接的なコロナ影響であり、休業期間中の固定費以外は2020年度特有のものとなっております。2021年度は、これらの一過性の影響がなくなり、さらなる体質改善が進む1年となります。

併せて、のちほどご説明いたします中期経営計画に着実に実行いたしまして、中長期的な収益性の改善に努めてまいります。

連結業績(セグメント別)

こちらはセグメント別の状況でございます。SM事業とヘルス&ウエルネス事業は、地域のライフラインとして営業を継続し、大幅な増益となりました。GMS事業は、4月の1回目の緊急事態宣言に伴い、モール型GMSにおけるテナントゾーンの営業休止影響を受けました。

また、根本的な課題の解決を目指し、在庫の削減に取り組んだ結果といたしまして、上半期において売上総利益率に影響が出ましたが、下期は改善基調にございます。また、構造的な経費削減も推進し、利益が出やすい体質作りに注力をいたしました。

総合金融、ディベロッパー、サービス・専門店、国際の4事業は、営業休止や時間短縮の影響を受けましたが、第2四半期、第3四半期の説明会でもご説明してまいりましたとおり、回復トレンドにございます。

現在、国内では第4波の到来とも言われており、予断を許しませんが、新年度は防疫の徹底、ニューノーマルへの対応、収益性改善の取り組みをさらに推進してまいります。

GMS事業(イオンリテール)①

次に、イオンリテールの状況をご説明申し上げます。スライドのグラフは、部門別の売上既存比の推移でございます。赤は食品、グリーンは衣料品、グレーの山は感染者数の推移、薄い赤の網掛け部分は緊急事態宣言の期間を表しております。

1回目の緊急事態宣言の際は、外出自粛や、特にモール型GMSにおける専門店ゾーンの営業休止などの影響を大きく受けました。その後は防疫の徹底、「イエナカニーズ」の拡大に積極的に対応し、2回目の緊急事態宣言の際は、リカー、デリカを中心に食品の売上を伸ばすことができました。

この間、イオンリテールではニューノーマルに対応したさまざまな取り組みを推進いたしました。非接触、ショートタイムショッピングのニーズに対応した「どこでもレジ レジゴー 」やネットスーパーの展開を拡大しました。

その他、外出や旅行が難しい中で、地域の生産者のみなさまのご支援としても、そして、各地のおいしいものをお客さまに楽しんでいただくための取り組みなども、積極的に進めてまいりました。

一方で、販売力強化のために本社から店舗への人員の再配置を実施いたしました。また、経費運用の効率化の施策、在庫の削減にも取り組み、経営体質の強化を推進してまいりました。

GMS事業(イオンリテール)②

このようなニューノーマルへの取り組みは、着実にお客さまのご支持をいただき、いずれも高い成果を示しております。中ほどにあるネットスーパーの売上は、第4四半期で前期比35パーセントと、引き続き大きく伸びております。

右上、在庫削減の取り組みにつきましても、期首比で2割削減いたしました。その結果は、画面の左下にございますとおり、徹底した在庫処分を行った第1四半期の売上総利益率は大きく悪化したものの、その後は、期を追うごとに改善が進んでおります。

このような取り組みの結果、下期の業績は前年水準まで回復しております。2021年度はこれらをさらに進化させ、営業黒字への回復を目指してまいります。

SM事業

SM事業につきましては、年間を通じて拡大する内食需要に対応をいたしました。強まるショートタイムショッピングのニーズにも素早く対応し、関東でスーパーマーケットを展開するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスでは、お客さまのスマートフォンで商品のスキャンと決済ができる非接触決済のサービスを短期間で250店舗以上に導入してまいりました。

一方で、コロナ禍においても、3月に北海道、東北、近畿、9月には九州で、地域事業の統合、そして、この3月にはディスカウント事業の2社の統合を実施いたしました。

ローカル志向、低価格志向、健康志向等の食の多様化や、さらなる安全・安心意識の高まり、eコマースやドラッグストア等との食の市場をめぐる競争の激化、労働環境の変化などに対応する体制を整え、事業の成長と収益性の向上に取り組んでまいります。

また、ダイエーにつきましては売上の伸長と粗利益率の改善、ローコスト運営の定着によりまして、営業利益が2011年度、当期純利益は2007年度以来となる黒字化を達成いたしました。

また、2020年度は7店舗の新規出店、14店舗の活性化を推進し、成長基盤の拡大にも力を注いでまいりました。

ヘルス&ウエルネス事業

ヘルス&ウエルネス事業におきましては、化粧品や一般の風邪薬などの売上に影響がございましたものの、感染症の予防対策商品、お酒や家庭雑貨等の巣ごもり需要に対する商品の販売を強化し、好調な売上実績となりました。

また、コロナ禍におきましても成長基盤の拡大に取り組み、年間を通じて、経営統合や新規出店を推進してまいりました。1月下旬からは前年の感染予防対策商品、紙商品、おむつなどの需要急増への反動が出始めておりますが、足元の3月は前年を上回る売上実績となっております。

下期以降、薬剤師の採用と戦力化を積極的に推進しており、2021年度も調剤併設店舗の拡大を推進いたしますとともに、人事コントロールなどの業務効率化を進め、収益力の改善に取り組んでまいります。

ディベロッパー事業、サービス・専門店事業

ディベロッパー事業、サービス・専門店事業におきましては、1回目の緊急事態宣言の際、7週間にもわたる間、モール専門店の臨時休業を行いました。そのうち、約半分の期間はすべての国内モールを休業したこと、テナント賃料の減免を実施いたしましたことによりまして、業績に大きな影響がございました。

2回目の緊急事態宣言の際には、営業時間を短縮したため売上に多少の影響がございましたが、現在は通常営業に戻っております。この間、イオンモールでは換気機能の強化やフードコートのテーブルへの衝立の設置、イオンファンタジーではメダル洗浄機の導入、イオンシネマではパーテーション付き座席への改装など、防疫対策を徹底してまいりました。

また、イオンモールでは11月のブラックフライデーに試験導入いたしましたライブコマースを、この3月から順次全国のモールにて本格的に展開するなど、ニューノーマルへの対応を推進しております。

2020年度はモールの臨時休業や賃料減免により業績に影響がございましたが、今後、全館休業のような大規模な営業に支障がないかぎり、これらの防疫、ニューノーマルへの対応策のもと、しっかりと業績を回復させることができると考えております。

また、イオンモールではコロナ禍においても、国内外でのモール出店、増床、リニューアルを積極的に推し進めました。ベトナムでは第6号店を12月にオープンし、成長マーケットでの事業基盤を拡大しております。

総合金融事業

総合金融事業におきましては、特に海外の第1四半期において、強制力の高いロックダウンが行われ、債権回収活動の制限や返済期間を猶予させる方針が出されたことをふまえ、貸倒引当金を積み増しいたしました。国内においては、景気悪化や失業率増加による影響を想定し、第2四半期に引当金の積み増しを行いました。

その後につきましては、各種活動制限の緩和や給付金支給等の外部環境の改善に加え、回収体制の強化によりまして、順調な経過となっております。

前年度対比で見ますと、画面下の表にございますとおり、第3四半期は前年度に大きな販促キャンペーンコストがあったことの反動による経費の減少、第4四半期は前年度に大きく発生いたしました債権流動化益の反動減など、四半期ごとに大きなブレがございます。

ですが、業績そのものは、ただいまご説明いたしましたとおり、貸倒関連費用の減少が進んだことにより、想定を上回る着地となっております。

エリア別業績

こちらはエリア別の営業利益の状況でございます。アセアンにおいては、先ほどご説明いたしましたとおり、第1四半期に貸倒引当金を積み増した影響がございましたが、その後は回復基調にございます。

中国におきましても、第1四半期に最大で半数近いモールを臨時休業したことによる影響がございましたが、第4四半期には、ほぼ前年水準まで回復をしております。

アセアン諸国でも11月前後から感染者が再拡大し、活動制限を再び強化している国もございます。中国では、北京近郊で散発的に感染拡大がございましたが、全体として感染は抑制されております。

国内外ともに、今後の感染状況やそれに対する展開各国の対応について、見通しが難しいところがございますが、当社といたしましては、今後も感染対策とニューノーマルへの対応を徹底し、お客さまに安心してイオンの店舗、サービスをご利用いただけるよう取り組んでまいります。

業績予想

2021年度の業績につきましては、冒頭に申し上げましたとおり、コロナ前の2019年度水準へのV字回復を見込んでおります。先ほど申し上げましたとおり、今後の感染状況や、それに伴う展開各国の規制・施策の影響についての見通しが難しいため、営業利益以下につきましては、幅をもっての見通しとしております。

2021年度は、新中期経営計画初年度として、GMS、ディベロッパー、サービス・専門店、国際の各事業が大きく回復することで、この予想値の達成を確実なものにしたいと考えております。

配当について

配当につきましては、前年水準維持の年間36円を計画しております。2020年度は当期赤字での配当、2021年度につきましても利益予想を上回る配当の計画ではございますが、当期赤字の要因は先ほどご説明のとおり、一過性のものでございます。

まず、2021年度は、コロナ前の2019年度水準へのV字回復を着実に実現してまいります。そして、2021年度を初年度とする中期経営計画で掲げる5つの成長戦略を推進し、V字回復後、さらに利益水準を引き上げてまいります。

イオンの2020年度決算に関するご説明は以上でございます。ご清聴、ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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