「コロナ禍だとイベントが少ないから逆に引き受け時」という考え方もあります。しかし、引き受けた役によっては、前例のない事態への対応に頭を悩める方もおり、実際はそれほど楽ではありません。

いずれにしても、こうした議論が持ち上がるというのは、それだけ多くの保護者、とくに母親にとっては「やらなくて済むならそれに越したことはない」ものだから、ではないでしょうか。

「大変だけど皆もやっている」「子どもが複数人いたら大きな役職に就くのは当たり前」という思考も、それはそれで危ういものがあります。ネット上で「コロナ禍を機に、今までのPTAや子ども会活動を見直すべき」という声が出るのも頷けます。

新たな体制づくりか、いっそなくしてしまうか

当たり前のことが当たり前のように行える時代が過ぎ去ったのは誰の目にも明らかです。「元に戻るのを待つ」のも期待薄になってきている今、PTAや子ども会の運営もウィズコロナを念頭にした体制作りが急務となっています。

とはいえ、昭和的なタテ社会の気風が残っている部分もあり、見直しが順調に進むとは思えません。いっそのこと、全てを白紙に戻して新たに作った方がいいようにも思えますが、「もう何もかもなくせばいい」という声も出てくるかもしれません。

これまで小学校生や中学生に通う子を持つ親にとって、悩みの種だったPTAや子ども会の役員の在り方が問われる1年となりました。コロナ禍が収まらない限り、今後も各地で議論が噴出していくことでしょう。

中山 まち子