たとえば、地域にある複数の子ども会の足並みを揃えることもある程度必要だったものの、学校やPTAに指示を仰いでも「それぞれ感染リスクを考慮して判断してほしい」との返答。会合は軒並み中止になり、役員同士が直接会うことがないので隣接する子ども会の動きを把握することも難しい状態になりました。

結局、それぞれの子ども会の動向をママ友ネットワークで収集して参考にしつつ、行事の中止や内容変更の決断をしていくことに。そして、各子ども会の会長は、中止のお知らせ文書やメール配信などの文面を、一から考えなければなりませんでした。

筆者自身、昨年度は子ども会の役員を務めており、コロナ禍で例年通りの文章が全く使えないため、会長がゼロから文面を考え四苦八苦する姿を間近で見ています。

家事育児に仕事をしつつ、こうした地道な作業を行うのは外野が思う以上に大変なものです。行事がほとんどなく「何もないから楽だったわね」と声をかけらることに、トップを任された保護者は複雑な思いを抱いているようでした。

子ども会やPTAは「本当に必要?」

新型コロナウイルスの収束は未だゴールが見えてこず、しばらくはPTAや子ども会のあり方も今まで通りにはいかないでしょう。元々、こうした組織の在り方に対する疑問の声は年々高まっていましたが、コロナ禍により「本当に必要なのか」というところにまで発展しているのは否定できないでしょう。

やりたい人だけやればいい、と思っていても引き受ける人はそう多くはありません。持ち回りで担当し、しかも子どもが高学年になれば役員は避けられない。これはほとんどの地域で見られる暗黙のルールです。