70歳からの30年、いくら必要か
金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」を見ると、皆さんも記憶に新しいであろう「老後2000万円問題」の詳細について検証することができます。
この問題から、70歳からの30年でいくらお金が必要なのかを考えていきましょう。
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)
- 実収入(主に年金):20万9198円
- 実支出(主に食費):26万3718円
- 月々の赤字額=約5.5万円
老後必要額=5.5万円×12ヵ月×30年(老後30年と仮定)=1980万円※約2000万円
上記が「老後2000万円問題」の計算式になる訳ですが、記載の通り30年間で計算されているので、おおよそ70歳からの30年間で必要な金額が2000万円と考えても良さそうですね。
ただ、実はこの計算式の支出額は、あくまで最低限の生活を送るための支出額になっています。
公益財団法人生命保険文化センターのデータによると、ゆとりある生活を送るための生活費は、月平均36.1万円かかるという結果も出ています。
その場合、上記の計算式に当てはめると、必要になる老後資金は約5400万円になり、かなり大きな金額が70歳からでも必要になってくると考えられます。
さらに介護費用ですが、「老後2000万円問題」の支出額の計算には入っていないため、介護が必要になった場合はその費用も必要になる可能性が出てきます。
結論を申し上げると、70歳以降の30年間では最低でも2000万円、出来れば3000万円から5000万円以上は用意しておいた方が賢明かもしれません。
現状の70歳代の貯蓄額で残り30年間を過ごすのは、心許ない状況と言えるでしょう。