コロナ禍でもあり、非接触型の決済は安心かつスピーディでもあるので大変便利な反面、現金と比べると、どうしてもお金を使っている実感があまりわかない気がします。

そして、「複数の電子マネーでの支払いが多いため、紙に書きだして総合的なお金の流れを把握したい」という回答をした人が一定数いるように、クレジットカードや色々な電子マネーを併用していると、全部でいくら使ったのかを把握するには、それぞれの金額を紙に書き出さないと難しいと感じています。

家計簿アプリを試してはみたものの…

デジタル化が進む今、スマホのアプリは便利なツールとして外せないものです。実は、紙の家計簿のみを利用している人のうち36.6%は、表計算ソフトを含めた家計簿アプリの利用経験があるそうです。

その家計簿アプリ利用経験者(148人)にアプリの家計簿から紙の家計簿に変えた理由を聞いたところ、「アプリの設定や入力が面倒だった」(54.7%)、「自分に合った家計簿の管理を行うには紙の家計簿の方が便利だった」(35.8%)という回答でした(図表2参照)。

筆者も家計簿アプリを利用したことがあります。クレジットカードの明細もダウンロード可能で、便利なツールではありました。ただそれ以上に、決まった項目ごとに入力するのが面倒になり、結局は止めてしまったのです。

デジタルな時代には逆行していますが、家事で忙しい女性とって、汚い走り書きでささっと記入できる紙の家計簿は、むしろ時短ツールになっているかもしれません。

図表2:家計簿をアプリから紙に変えた理由

出所:紙の家計簿に関する調査(伊藤手帳株式会社)