漫画家の祭さんは、おみくじちゃんとあみだちゃんというチンチラの母子、元保護チンチラの福くん、デグーの棟梁ちゃんというネズミさんたちと一緒に生活しています。一時期は松くん、けまりちゃん夫婦とその子どもたちと、チンチラよりもデグーの頭数が多かった(39話参照)祭さんのお家ですが、今ではデグーは棟梁ちゃんだけ。このためか、祭さんにとてもよく懐いています。

ある日のお散歩の時間のこと。寝転んでいる祭さんのところにやってきた棟梁ちゃんが、軽く左手をあげて、脇腹を突き出してきました。これはいつもの「ここを撫でてくれ」のサイン。「あ~、カイカイね~。よしよし、やってあげよう。」と応じる祭さん。

右手の指を使って、小さな棟梁ちゃんの脇腹を軽く撫でてあげる祭さん。とても気持ちがいいのでしょう。棟梁ちゃんは、「あ~、いいわぁ」といわんばかりに、だんだんと左手をあげてのけぞるような仕草をしはじめます。「また前みたいにコケないでよ~」(70話参照)と、言いながら、撫でてあげる祭さん。

そこで、祭さんはふと思います。「気持ちがいいと、片手が上がるのよね…。これ左右交互にやったらどうなるんだろう?」

そこで、まずは指を左脇腹にあてた祭さん。まずはそこをカイカイ…。すると、棟梁ちゃんの左手が上がります。そこで、すかさず右に指を移動した祭さん、反対側の脇腹をカイカイ…。今度は棟梁ちゃんの右手が上がります。すかさず左に指を移動し、今度は左脇腹をカイカイ…。棟梁ちゃんは、上げかけていた右手を止めて、今度は左手をぐいーんとあげ…。

最初はゆっくりめに左右の動きを入れ替えていた祭さんですが、面白いように反応する棟梁ちゃんに、少しずつスピードアップ。しかも、たまに右、左、右、右とアレンジを加えて撫で続けた結果、棟梁ちゃんは混乱した表情で、忙しく両手を上げたり下げたり、とにかくじたばた。それでも、左右交互に撫で続けていると…?