3月初旬、ママ友を洗脳して1,000万円以上を詐取したうえ、5歳の男児を虐待して死に追いやった事件が明るみになり、福岡県篠栗町で女性2人が逮捕されました。

小さな子どもの餓死というセンセーショナルな内容に衝撃を受けた人も多いと思いますが、この事件ほどではなくても、洗脳されてお金を詐取されることは意外と身近で起こっているのです。

この記事では、筆者がかつて消費者金融会社に勤めていたときに見聞きした「他人を洗脳しようとする」要注意人物の特徴や、筆者の周辺で起こった「洗脳」の実例を紹介します。

他人を洗脳しようとする人、ターゲットになりやすい人とは?

そもそも洗脳とは、自分の利益のために暴力的な言動を駆使して他者の心を操ることで、マインドコントロールと言われることもあります。恋人や配偶者へのDVで相手を支配したり、子供に無理に言うことを聞かせる毒親の行為なども、洗脳と言えるでしょう。

他人を洗脳して借金を繰り返す人の特徴

他人を洗脳して借金を繰り返すタイプの人物は、最初はやさしい様子や親切な雰囲気で近づき、相手の信頼を獲得します。そして次第に相手の不安や恐怖、罪悪感を利用して、自分に忠誠心を示すよう精神的に、肉体的に支配していくのです。

また、こういうタイプに一度お金を貸してしまうと、土下座や泣き落とし、脅しなどで何度もお金をせびられるようになるケースもあります。

ターゲットにされやすい人の特徴

洗脳のターゲットになりやすい人には多くの場合、下記のような特徴が見られます。

  • 強いコンプレックスがある
  • 気が弱い
  • 真面目
  • おとなしい
  • 寂しがり屋
  • プライドが高い
  • 周りの人に相談しない
  • 孤独な境遇、人づきあいがあまり得意ではない
  • 人間関係がうまくいかないと悩んでいる

他人を洗脳しようとするタイプの人物は、こうした人に近づいてよき理解者として振る舞います。そして、不満やコンプレックス、邪魔に思っているモノや人、家庭の状況や友人関係、貯金や資産の状態、勤務先やライフスタイル、弱点や苦手なモノなどを聞き出し、それをネタに洗脳を始めるのです。

身近に起こった洗脳事件

次に、筆者が消費者金融会社に勤めていたときの顧客など、筆者の周辺で起こった洗脳と詐取の実例を紹介します。

気の弱い人をターゲットにしたケース

借入金の返済に詰まった顧客Aの経営する店を訪問したところ、店を開けた瞬間、Aが殴る蹴るの暴行に遭っており通報することに。Aに暴行していたのはAの店の客で、いつの間にか店の売り上げを取り上げられるようになり、ローンなどへの支払いが滞るようになったそうです。

Aは経営者ではあるものの、気が弱い人でした。こうしたタイプが一度でも他人を支配しようとする人の言いなりになると、そのままどんどんエスカレートしていく可能性があります。気が弱い人が店や会社などを経営する場合には、しっかりしたスタッフ・従業員を雇って、何かあったときに通報できる環境を整えておくことが必要かもしれません。

弱みを握られてしまうケース

小さな店舗でパートを始めたB子は、オーナーのCとCの妻Dから親切にしてもらい、何の不満もなく仕事をこなしていました。ところが、話し上手のCに乗せられ、B子はつい夫に隠れて買ったブランド品のカード返済のためにパートをしていると話してしまったのです。するとCは、それを夫にバラすとB子を脅してカラダの関係を持ち、罪悪感を抱かせました。

そして「妻Dや旦那にバラされたくなかったら保証人になれ」と言い、B子の夫が経営する会社の役員だとウソを書かせて消費者金融などの保証人にさせたのです。それからすぐにCとDは行方不明になり、B子は返済のため夫に内緒で風俗に勤務するはめに陥ったのでした。

このように、秘密は洗脳や脅しの材料になりやすいものです。一番いいのは秘密を作らないことですが、秘密を材料に脅されたときは「たとえ秘密をバラされないように言うことを聞いても状況は悪化するだけ」と、その時点で観念し、信頼できる相手に相談することで事を収めるようにした方がいいでしょう。

恋愛感情を利用するケース

筆者の知人であるE子に彼氏Fができたものの、FはすぐE子の家に転がり込み、結婚話やFの独立話が持ち上がるなどキナ臭い感じでした。Fは独立してE子と結婚したいが、過去に事故を起こして会社に借金があるため難しいと溜め息をつく日々。そのためE子は給料から工面して、Fにお金を渡すようになったのです。

しばらくして、結婚話が進まないとE子が不満をもらし始めるとFは、「E子には他にもっといい男性がいるはずだ」という手紙を残して失踪。捜索したところ複数の女性のところを渡り歩き、ある女性の前では海外出張する商社マンを演じていたそうで、女性全員からお金をもらってギャンブルにつぎ込んでいました。

E子を含む女性たちは、怪しいとは思いながらもFを失うことが不安でたまらず、なかなか「騙されていること」を自覚できなかったと言います。

このように、恋愛感情を利用されるとなかなか相手のことを悪く思えないものですが、下記のようなことが当てはまるような場合は、かなりの確率で洗脳だと言えるでしょう。

  • なんとなくお金に困っていて、どうにかしてほしい雰囲気を醸しだす
  • 自分を助けてほしいと懇願し、一緒に幸せになろうと将来の夢を語る
  • 接待飲食店や風俗などにあっせんしようとする

たとえ「xxちゃんに、そんなことはさせられない」などと言っていても、何度もお金を無心されたり風俗にあっせんさせられそうになったりする場合は、周囲に相談をして相手との縁を切るべきです。

第三者の意見を聞きながら冷静な判断を

自分にとって嬉しいことや楽しいことが続いたら、多くの人が、そこから目覚めたくないと考えてしまうものです。相手を洗脳しようとする人物は、そんな人間の心理を利用し、先に楽しい思いをさせておきます。

そして、言うことを聞かなければその状況が続かなくなるという不安を与えたり、楽しいことを継続するためだと信じ込ませて軽い罪を犯させ、罪悪感を煽ったりするのです。

洗脳を阻止するのは至難の業ですが、家族や友人、社会などと自分の距離が開いていないかを意識し、何か違和感を覚えたときには周囲の人に相談することでトラブルを避けるようにしてください。