2020年度版の「厚生労働白書」によると、2040年の日本では65歳男性の約4割が90歳まで、65歳女性の2割が100歳まで生きると考えられています。
「人生100年時代」はどうやら机上の空論ではなさそうですね。私たちの老後は、想像以上に長くなる可能性があります。
「我が家の老後資金は大丈夫なのか…」そんな不安を感じる人もいるのではないでしょうか。
今回は、『70代の年金額と貯金額。老後にお金はいくら必要か』と題して、セカンドライフに向けた備えについて考えていきます。
現在の70代の貯蓄額は
はじめに、現在の70代がどのくらいの貯蓄を保有しているのかをみていきましょう。
金融広報中央委員会が2021年2月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020)調査結果」を参考にします。
まず、二人以上世帯の金融資産保有額は平均1436万円(中央値650万円)、借入金残高は671万円(中央値0万円)です。
※金融資産保有額は20代~70代以上のすべての世代。金融資産非保有世帯を含む。
※借入金残高は「借入金有無回答世帯」のみ
これを「70歳以上」に絞ってみると、金融資産保有額は1786万円(中央値1000万円)。内訳のうち、もっとも多い定期性預貯金は700万円を超えています。
70歳以上の金融資産保有額
金融資産非保有世帯を含む。【 】内は60歳代の金額
預貯金(うち運用または将来の備え):921万【959万円】
- うち定期性預貯金:723万円【585万円】
金銭信託:4万円【5万円】
生命保険:333万円【286万円】
損害保険:49万円【39万円】
個人年金保険:65万円【134万円】
債権:35万円【45万円】
株式:226万円【144万円】
投資信託:129万円【96万円】
財形貯蓄:14万円【27万円】
その他金融商品:9万円【11万円】
合計:1786万円【1745万円】
いまの60歳代と70歳以上の金融資産保有額は、大差はみられません。
この数字だけで単純比較することはできませんが、これまでの貯蓄を大きく取り崩さなくても、年金収入などで生活費をまかなえている人が多いであろう、ということは推測できそうです。