2021年2月に金融広報中央委員会が公表した最新版(2020年)「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯・二人以上世帯ともに、前年調査と比べて、貯蓄額の増加や貯蓄ゼロ世帯の割合の減少がみられる結果となりました。
長期化するコロナ禍で、外食やレジャー費が大幅に減ったことがその背景にあることは確かでしょう。
また、先行きの見通しが立ちづらい中、家計の見直しや節約への意識がより一層高まった家庭が多いであろうことを垣間見せる結果であるともいえそうです。
70代以上の世帯も例外ではなく、2019年度には平均1314万円(中央値460万円)だった貯蓄額が、今回の調査では平均1786万円(中央値1000万円)まで上昇しています。
とはいえ、「どのくらいの割合の人が、どのくらいの貯蓄を持っているか」は、平均や中央値だけでは見えない部分であるといえるでしょう。
そこで今回は、『70代以上の貯蓄額「ゼロ」と「3000万円以上」の割合』と題して、70歳以上世帯の貯蓄事情について深掘りしていきます。
金融広報中央委員会が公表した、最新版「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」を参考にしていきます。
70代以上の貯蓄額はどのくらいなのか
さいしょに、同調査から、70代以上の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)について確認していきます。
70代以上の金融資産保有額【二人以上世帯】
- 平均値:1786万円
- 中央値:1000万円
リタイヤ後の生活を送る方が大多数である70代以上の貯蓄額は、平均値で1786万円、中央値で1000万円という結果に。
※平均値は一部の「お金持ち層」によって引き上げられるため、中央値を参考にされると「実感」により近いでしょう。
さて、冒頭でも触れたとおり、「どのくらいの割合の人が、どのくらいの貯蓄を持っているか」は、平均や中央値だけでは見えない部分といえます。
次では、70歳以上・二人以上世帯の「金融資産保有金額」の分布を、金額ゾーンごとにみていきます。