「人生100年時代」というワードをよく耳にするようになりました。

少し前の資料にはなりますが海外の研究によると、2007年に日本で生まれた子供のうち、2人に1人が107歳まで生きる確率があると言われているそうです。

政府の取り組みでも「人生100年時代構想会議」が平成29年に設置されており、100年生きることを前提としたロールモデルを構築する取り組みを進めています。

今を生きる私達は自分の将来に備え、老後の生活費を若いうちから準備しておくことが必要となっています。

今回はFPの視点で、お金にも働いてもらう時代が到来していることを踏まえ、老後への準備はできているか、各世代の貯蓄額を通じて見ていきたいと思います。

時代は「貯蓄から投資へ」

こどもの頃、お年玉をもらったときに「全部使わないで貯金しておきなさい。貯金しておけば安心だから」と言われたことはありませんか。

「とりあえず貯金」という考えの人が多いのは、こどもの頃に受けた大人からのアドバイスのせいかもしれませんね。

これが間違いであるとは言いませんが、お金の教育を受けてこなかったせいもあり、「預貯金が安心」という考え方からいまだに抜け出せていないように思います。

ひと昔前は預貯金に多くの利子がついたので、預けておくだけでお金が増えた時代でした。

その時代を生きた人々は羨ましい限りですが、今はそのような時代ではありません。超低金利時代ですので、預貯金に貯めておいたお金が、利子によって大きく増える可能性はないのです。

預貯金に現金を置いていても増えるどころか、ATMで引き出すと利息よりも高い手数料をとられるという、なんとも皮肉な事態が現状です。

いよいよ貯金から資産運用へ移行することを考えなくてはならない状況であることは、みなさんも気付き始めているように思います。

イデコやつみたてニーサというワードを、最近よく耳にするのはこのせいではないでしょうか。

イデコやつみたてニーサは国が推進する税制優遇制度で、「貯蓄から投資へ」の流れを作るために設けられた制度です。

また2022年度より、高校の家庭科の授業で資産形成やリスク管理に関する授業が始まります。

日本は諸外国に比べ、資産運用への取り組みが遅れていますので、官民あげて取り組んでいる最中と言えるでしょう。