先日公表された第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケート結果によると、全国の小学3年生~高校3年生の多くが選んだ、なりたい職業の第1位は「会社員」だったそうです。
小学生の女子のみ、1位が「パティシエ」だったのですが、それ以外は全て「会社員」が1位という驚きの結果です。
リモートワークが進む中で、自宅で仕事をする親の姿を見て「会社員」という職業を身近に感じた子どもが多かったのでは?とのことでした。
会社員といっても様々な業種がありますが、最近は1つのところで会社員人生を終えるというより、自分のスキルをどんどん磨いて転職するというのが主流です。
積極的に転職を繰り返すのはキャリアを積み重ねる上でメリットがある反面、気になるのが退職金です。
転職の際に退職金が支給されると、次の仕事が決まるまでの生活費や資格取得費用、さらには蓄えとして活用できますから、もらえるのであれば嬉しいものです。
私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。
そこで今回は、会社員の退職金が勤続年数でどれくらい違うかについて見ていきたいと思います。
会社員の退職金、大企業はいくらか
まずは、大企業の退職金額を見ていきたいと思います。
中央労働委員会公表の「令和元年退職金、年金及び定年制事情調査(2019年)」によると、資本金5億円以上かつ労働者1000人以上の企業を対象とした調査の結果、「モデル退職金」(学校を卒業後直ちに入社して標準的に昇進した者の内、モデル条件に該当する者の退職金)は以下のとおりです。
大企業の退職金額(大学卒、事務・技術労働者、総合職相当、自己都合)
- 勤続3年:32万8千円
- 勤続5年:63万4千円
- 勤続10年:186万1千円
- 勤続15年:407万6千円
- 勤続20年:801万8千円
- 勤続25年:1287万円
- 勤続30年:1898万3千円
大企業の退職金(大学卒、事務・技術労働者、総合職相当、会社都合)
- 勤続3年:68万7千円
- 勤続5年:123万8千円
- 勤続10年:312万8千円
- 勤続15年:588万4千円
- 勤続20年:965万9千円
- 勤続25年:1426万9千円
- 勤続30年:2012万9千円
- 定年:2511万1千円
当たり前かもしれませんが、いずれも勤続年数が多くなるにしたがって退職金額も増加しています。
上記は平均金額で個別のケースとは異なるかもしれませんが、退職金が1000万円を超えるのは概ね25年以上勤務した場合のようですね。
会社員の退職金、中小企業はいくらか
次に中小企業の退職金について見ていきたいと思います。
東京都産業労働局公表の「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」によると、従業員が10人~299人の東京都内の中小企業を対象にした調査の結果、「モデル退職金」(卒業後すぐ入社し、普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準)は以下のとおりです。
中小企業の退職金(大学卒、自己都合)
- 勤続10年:113万5千円
- 勤続15年:214万9千円
- 勤続20年:353万4千円
- 勤続25年:524万3千円
- 勤続30年:705万9千円
中小企業の退職金(大学卒、会社都合)
- 勤続10年:148万3千円
- 勤続15年:266万円
- 勤続20年425万円
- 勤続25年:598万円
- 勤続30年:785万6千円
- 定年:1118万9千円
前項の大企業の退職金と比較してみると、退職金の支給額は大企業の方が多いことがわかります。
上記には記載していませんが、中小企業の場合、大卒で5年目に自己都合退職で支給される退職金は42万3000円となっており、10年めでようやく100万円を超える額となっています。
転職をする場合は、定年退職時に受け取る退職金の勤続年数がリセットされてしまうため、転職をしなかった場合に比べて勤続年数が少なくなり、その分定年退職金も少なくなってしまいます。
最近では退職金制度が無い会社もありますから、定年退職金が受け取れない、もしくは少なくなる可能性が高い場合は、自助努力で老後資金を確保するようにしましょう。
老後の資産、どのように準備するか
現役時代に老後の資産を積み立てていくのは、なかなか難しいですよね。
家賃の負担も決して軽くはありせんし、家族が多いと毎月予算内に支出を抑えるのに必死という人も多いでしょう。
しかし、現役世代に老後の準備をしっかりした人と、何もしなかった人の差は、時間が経つほど大きく開いていきます。
この差に気づくのは老後を実際に迎えてから気づくのがほとんどなのですが、その頃からお金を貯めようとしても難しいと言わざるを得ません。
それくらい、資産を形成する際に「時間」をかけることはとても重要なのです。
最近ではイデコやニーサなどの非課税制度が充実してきましたが、これらの制度も長期で資産形成を行うことを重視しています。
自分で老後資金を確保するための施策ですから、手遅れになる前に資産運用商品を上手に活用して老後に向けてコツコツと準備をしましょう。
おわりにかえて
老後資金をいざ貯めようと思っても、金融商品は数え切れないくらいたくさんあります。
最初は何から始めたらいいかすら、わからない場合が多いと思います。
何事もスタートしてみないことには現状は変えられません。最初は無理のない金額で大丈夫です。そしてタイミングを分散しながら、少しずつ運用商品にチャレンジしていくのがいいでしょう。
1人で始めるのが怖いという人は、運用のプロにアドバイスを聞きながら始めることをおすすめします。
まずは二人三脚で伴奏支援してくれる運用のプロを探すところから、始めてみてはいかがでしょうか。
