近ごろ何かと話題の多い卓球女子元日本代表の福原愛さん。実は今年1月に会社を設立した起業家でもあります。これまでアスリートとしてつちかった経験や人脈を生かして、社会貢献につながる活動を計画しているそうです。

そんな有名人のように、大々的な「起業」とまではいかないものの、一般の主婦にも得意なことを活かしてお金を稼ぐ道はあります。

今回は、子育てのかたわら、得意なことを活かして教室を開催している主婦の話をご紹介。主婦の働き方の可能性について考えていきます!

まさか、仕事になるとは思っていなかった

今回お話を聞かせていただいたのは、Yさん(43歳、3児の母)。都市部からもアクセスのよい団地内の自宅で、パン教室を開催しています。

「母の趣味がパンや焼き菓子を作ることだったので、幼いころからパンを焼くのは好きでした。けど、ただの趣味でしかありませんでした。理系だったので、工業高校で設計を学んだあと、建築事務所で働いていましたが、結婚後、妊娠と同時に退職。家にいる時間が増えたので趣味だったパン作りを再開したんです」

パン作りを続けているうちに、本格的に学びたい気持ちが湧いてきたYさん。

「子供が幼稚園に入ったタイミングでパン作りを学べる専門学校に1年通って、基礎から学びました。そこで開業という道もあることを知り、せっかくならやってみようかな、という感じでパン教室を始めることになったんです」

学歴やキャリアからは、パン教室を開く自分を予想できなかったというYさん。大人になってから改めて自分の好きなことに向き合ったとき、ふと新たな道がひらけることもあるものですね。

パン教室の運営、ってどんな感じ?

専門学校を卒業後、最初はママ友に声をかけて自宅に集まってもらい、ワンコインでパン作りのレッスンをしていたそう。

「パン屋さん開業という道もなくはなかったけど、お店の経営となると、私にはハードルが高かった。それで、子供が幼稚園や学校に行っている間、ママ友たちの楽しみになる場を提供したいと思って…」

ママ友の評判が評判を呼び、Yさんのパン教室は瞬く間に人気になったそう。どんなスケジュールで開催しているのか、聞いてみました。

「1日1組、2〜5名ぐらいのグループで来てもらうようお願いしています。子育て中のママさんがほとんどなので、10時から始めて遅くても14時には解散。パン生地は教室が始まるまでに一次発酵を終わらせておき、教室スタートから焼き上がりまでの時間を短縮しています」

試食時はスープなどの副菜もつけて、金額は1人2,200円。月によってばらつきはあるものの、だいたい15〜20万円ぐらいの売上になっているそうです。

「教室の片隅では、これまた私の趣味で作ったレッスンバッグやシューズ袋、アクセサリーなどのハンドメイド品の販売もしていて、その売上が数千円程度。どちらもほぼ材料費なので大した儲けにはなっていませんが、赤字にもなっていないといった感じです」

教室の開催時間以外にも、材料の買い出しやパン生地の下準備、教室後の片付けなどのためには時間が必要。クリスマスやバレンタインの季節には特別メニューを考えたり、入園・入学の時期にはレッスンバッグを大量に頼まれたりと、年間通して、暇な時期は見当たりません。

「趣味の延長なので、ママ友がゆるく集まれる雰囲気でやっています。本気で稼ぎたい!とか、本気でパンを作りたい!といった人には、参考にならないかも」

ご本人は謙遜していますが、なかなか予約が取れないと評判のYさんのパン教室。人気の陰には、地道な努力の継続が見て取れました。

自宅での教室開催、もちろん注意すべき点も

自宅にいながら、好きなことで人からお金がもらえる……と聞くと、メリットだらけのようにも思えますが、当然、注意点もあります。

「商売としてはどんどん宣伝したほうがいいのでしょうけれど、自宅で開催しているので、知っている人の紹介でないとお断りすることもあります。うちは子連れでもOKにしていますが、ときには子供同士でトラブルになってしまうこともあるんです。こちらも気をつけてはいるけど、その辺の責任がちゃんととれる方でないと、困ることもありました」

また、お金を稼ぐ限りついて回るのが、税金。Yさんは開業前に税金についても学び、今では毎年、自分で確定申告を行っているそうです。

「確定申告も、最初はわからないことだらけで困りましたが、今では何とかなっています。光熱費や食材費など、自宅で開催するからこそ計算が複雑になる経費もあるんです。でも、よそでスタジオを借りるつもりもないので、今のところ自分でがんばって管理しています」

自宅での教室開催は、一見自由に思えますが、会社や組織に属さないからこそ発生する責任やリスクもあります。そのあたりを見極めてから、開業に踏み切りたいですね。

できる範囲でやってみるのもアリ

ビジネスの世界では利益を出すことが至上命令ですが、主婦業と並行して事業をするとなると、利益だけが目的では続かない場合もあります。生活に差し障りが出るほどの赤字でないのなら、できる範囲で仕事をしてみて、自分も周囲も楽しめているならそれでOK!という感覚も時には必要なのかもしれません。

利益、やりがい、社会貢献……何を優先するかはその人次第。それならば、自分が楽しめる選択をしていきたいものです。