老後生活の貴重な収入源となる年金ですが、人により受け取る金額は様々です。

年金額については「ねんきん定期便」で確認はしてみるものの、見方がよくわからないという人もいるのではないでしょうか。

私は以前生命会社に勤務しており、マネーセミナーの講師やマネープランニングのアドバイザーとして、20~70代まで1000人以上のお客様のお金の相談を受けてまいりました。

どの年代でも将来受け取る年金に対して抱える不安は大きく、ねんきん定期便から将来の年金額の試算結果をお伝えすると、「え?そんなに少ないの?」とみなさん愕然とされていました。

そこで今回は、現在の厚生年金と国民年金の受給額を眺めながら、将来必ずやってくる年金生活について考えていきたいと思います。

会社員の厚生年金、いくらもらえるか

サラリーマンである会社員や公務員などは第2号被保険者に分類され、厚生年金保険の制度を通じて厚生年金と国民年金の両方を受け取ることができます。

令和2年12月公表の厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金・国民年金事業の概況」から、厚生年金の男女別の老齢年金受給権者数の分布を確認していきたいと思います。

厚生年金 年金月額階級別老齢年金受給権者数(男性)

  • ~5万円未満…15万977人
  • 5万円以上~10万円未満…97万6724人
  • 10万円以上~15万円未満…261万3866人
  • 15万円以上~20万円未満…436万9884人
  • 20万円以上~25万円未満…224万9128人
  • 25万円以上~30万円未満…28万8776人
  • 30万円以上…1万7626人

厚生年金 年金月額階級別老齢年金受給権者数(女性)

  • ~5万円未満…31万5100人
  • 5万円以上~10万円未満…234万1321人
  • 10万円以上~15万円未満…218万2510人
  • 15万円以上~20万円未満…41万2963人
  • 20万円以上~25万円未満…6万3539人
  • 25万円以上~30万円未満…4166人
  • 30万円以上…379人

厚生年金の平均年金月額は14万4268円、そのうち男性は16万4770円、女性は10万3159円となっています。

上記の分布を見ると、5万円に満たない金額から30万円以上の金額まで、受け取れる額にかなりバラつきがあるようです。年金格差が生まれている状況であると言えそうですね。