アズワン、ニッチな分野でトップシェアを獲得 強みを活かした高収益と高利便性の提供で終わりなき進化を実現

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2021年3月6日にログミーFinance主催で行われた、第18回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナーの第4部・アズワン株式会社の講演の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:アズワン株式会社 取締役コーポレート本部長 西川圭介 氏
元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
フリーアナウンサー 八木ひとみ 氏

覚えていただきたいのは、3点①

西川圭介氏(以下、西川):アズワン株式会社の西川と申します。よろしくお願いいたします。私どもアズワンは研究領域でビジネスを展開していまして、普段、みなさまの生活でなかなかお目にかかる機会がないような会社です。今回この機会を通じて、少しでもアズワンのことを知っていただけたらありがたいと思って、ご説明させていただきます。

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ぜひ、アズワンについて少しでも印象を残していただこうと思い、まずポイントとして覚えていただきたい3点ということでご用意しています。1つ目は、分厚いカタログということです。

八木ひとみ氏(以下、八木):確かに分厚いカタログですね。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):分厚いです。

西川:今、私が手に持っているのですが、非常に分厚いカタログです。

八木:四季報よりも厚いです。

西川:そうですね。我々は、研究者のみなさまが必要とされる商品を取り揃えたカタログを発刊しています。製本技術の限界と言えるくらい分厚いカタログを出している会社というのが1つ目のポイントです。

2つ目は、ニッチな分野で非常に収益性が高い企業ということです。3つ目は、株主さまへの還元ということで、配当性向50パーセントを打ち出してビジネス展開しています。こちらに関しては、少しでも印象に残していただけるとありがたいです。

アズワンを一言でいうと

西川:アズワンは、先ほどご紹介した相当分厚いカタログに品揃えを掲載し、それを研究者のみなさまにご購入をいただくという商売をしています。ほかにも、ウェブサイトにも非常に多くのアイテムを取り揃えています。

例えば、こちらカタログは全国の研究室津々浦々、すべての研究室に必ず1冊はあるといった状況で、研究者のみなさまの中では、ある程度の知名度がある会社だと考えています。

坂本:こちらのカタログは本当に厚いですが、おそらく私も昔に見たことがあって、非常に見やすくなっています。その秘訣や、工夫されているポイントがあったら教えてください。

西川:いろいろな工夫があるので、語り出すときりがないです。特に商品の配置、配列などがそうです。研究者とお話しすると「研究の合間にアズワンのカタログをペラペラめくっていると、いろいろなひらめきが得られる」というようなことを、ありがたいことに言っていただくケースがあります。研究に関連するような商品をうまく配列、配置してレイアウトすることは、非常に気を配っているところです。

また、商品をカタログに掲載するだけでなく、樹脂や金属と試薬の相性を調べるといった、耐薬品性能表のようなものが、このカタログの中にはあったりします。そのような、商品以外にもいろいろな便利な使い道があるということで、ご好評いただいていると考えています。

坂本:私も実は学生時代にこのカタログを見て、買ったことがあります。もう20年近く前ですが、そのようなことがありました。

西川:ありがとうございます。

安定高収益(沿革)

西川:業績の推移について、ご紹介させていただきたいと思います。私どもの会社は1933年に創業して、もうかれこれ88年ビジネスを展開していますが、スライドにお示ししているとおり、売上については右肩上がりで成長してきました。

非常に安定的に成長しており、前年実績を下回るようなことがあったのは、ITバブルの崩壊とリーマンショックの2回だけということで、安定成長を続けている企業です。

業績推移

西川:スライドは、売上高、営業利益、当期純利益の3つを、それぞれ色分けした棒グラフでお示ししており、2008年からの推移になります。リーマンショックの時は、前年を下回るようなかたちになっていますが、それ以降、売上、営業利益、当期純利益は安定的に成長しています。この安定的な成長が、アズワンの特長の1つと考えています。

収益率推移

西川:収益率の推移です。こちらもアズワンをご理解いただくのにわかりやすいグラフですので、ご説明させていただきます。グラフは、赤色の折れ線が売上高総利益率、いわゆる粗利率です。緑色の折れ線が販管費率、青色の折れ線が営業利益率ということで、粗利が3割、販管費が2割、営業利益が1割ということで、ブレがなく非常に安定的な収益性を維持している企業です。

また営業利益率1割について、我々は卸売に属している商社ですが、商社にもかかわらず1割というのは、収益性の面でもまれな存在だと考えています。

2021年3月期業績予想

西川:足元で、今期は業績の上方修正を2度ほどしています。コロナ禍ではありますが、今のところ着地は売上799億円ということで、上方修正しています。コロナ禍でも、おかげさまで安定的に成長できている企業です。

カタログだからできる効率的な販売モデル

西川:続いて、アズワンのビジネスモデルについてご説明します。先ほどご紹介したカタログを用いて、研究者のみなさまにカタログをお届けして商品もお届けするかたちになっていますが、基本的には卸売のビジネスを展開しています。

スライド左側にアズワンがありますが、アズワンは3,500社のサプライヤから商品を仕入れています。中心に約4,300社の販売店があり、販売店を通じて全国の研究室・医療機関等に商品を供給しています。この販売店は非専属ですが、4,300社、1万1,000拠点ということで、ユーザーに対して、日々商品をお届けするかたちをとっています。

坂本:こちらは販売店を経由するという卸売の基本的なスタイルだと思いますが、直販しない理由を教えていただけますか?

西川:我々が対象にしている研究開発や、あるいは医療のユーザーは、非常に数が多いです。全国に多くいるエンドユーザーに対応し、直販で行うと、相当数の営業の人員が必要になってくるといった側面もあります。

もともとそのような研究開発、医療機関等に出入りしている業者はたくさんいるため、そのような販売店網を利用して効率よくビジネス展開をすることが、収益性の源泉になっているところです。

坂本:ものによっては、非常に大きいものもあります。

西川:そうですね。

坂本:得意なところと、そうではないところがありますから、それもうまく使われているということでしょうか?

西川:おっしゃるとおりです。

様々なユーザーにリーチ可能

西川:例えば、研究開発のユーザーには多種多様な企業、大学・官公庁や研究所など、さまざまなユーザーがいますが、我々は先ほどの販売店網を使ったカタログのアプローチ以外にもいろいろな販売チャネルを持っています。そちらをご紹介させていただきます。

ピラミッドはユーザーをお示ししていますが、大規模・中規模のお客さまには、スライド右側に記載しているカタログによるリアルなアプローチということで、販売店がカタログをお届けして商品を選んでいただくアプローチをしています。

スライド左側には「ocean」とありますが、こちらは集中購買システムです。大規模な事業者が電子的に受発注したいといったニーズに応えるために、連携システムを自社で開発しました。このようなものを通じて、デジタルな発注にも対応しています。

あるいは、中規模から小規模の事業者向けには、販売店の対面営業をEC化するようなプラットフォームを販売店に提供しております。販売店がECサイトを開いて、中小規模の事業者とビジネスのお手伝いもしており、ECのプラットフォーム作りもご協力させていただいています。

小規模の事業者向けには、スライド左側に「AXEL WEB販売サイト」とありますが、我々が運営する研究用品を取り揃えている販売サイトで我々の販売店網を補完しています。

同じくスライド右側に記載している「ネット通販チャネル」については、さまざまなネット通販がありますが、そこにアズワンが出品させていただき、インターネット通販のチャネルで商品、研究用品を購入いただける環境も整えており、非常に多岐にわたる販売チャネルで商品をお届けしています。

たとえば何を売ってる? ~研究室編~

西川:アズワンが取り扱っている商品で、研究室で使うものにはどんなものがあるかということで、イメージを持っていただくためにこちらのスライドをご用意しました。簡単なところでは、みなさまが小学校の時、理科の実験室で見たビーカーやフラスコなどをイメージしてください。

そのようなところから、例えば、最先端の再生医療研究の現場で使われるような製品や、あるいは半導体の研究等、非常にクリーンな環境で研究を進めなければいけない環境作りのお手伝いができる商品、そのようなものを取り揃えています。

たとえば何を売ってる? ~医療機関編~

西川:こちらは医療機関ですが、比較的みなさまにご理解いただきやすいものだと思っています。病院で見かけるような車いすや、看護師が着用している白衣などです。

また、コロナ禍で大変需要が高まったのですが、例えば非接触体温計、パルスオキシメーターといった感染対策用品も、従前より医療機関に卸していました。このあたりも、非常に充実したラインナップを持っています。

坂本:医療機関向けが伸びたということですが、売上比率はどのくらいかということと、新型コロナウイルス関連の感染症対策製品が売れたと思いますが、このあたりの売れ筋を含めて教えてください。

西川:以前は、医療機関向けの売上は約2割でした。しかし、コロナ禍により、特に直近の第3四半期は20パーセントから25パーセントくらいにシェアが伸びています。

みなさまが着用されているマスク等、感染対策用品は非常に多く販売されていますが、我々から医療機関に販売しているのは、例えば「N95」といった高性能の規格のマスクです。このようなプロユースの商品やパルスオキシメーターなど、医療機器の認証を取得したプロユースの商品を多く安定的に供給させていただきました。

総合カタログから専門カタログまで!

西川:こちらはアズワンの強みの部分です。非常にニッチな分野ではありますが、トップシェアで、さらに安定的に高収益を生み出している部分についてご説明します。

またカタログの話になってしまいますが、ニッチな分野でのビジネスをご理解いただくのにカタログのタイトルがわかりやすいと思い、ご用意しています。

先ほどご紹介した『研究用総合機器』という、研究用のカタログを従前から主力カタログとして扱ってきましたが、例えばこのカタログからスピンオフして、『研究設備カタログ』のような設備もののカタログができたり、あるいは、研究用の素材や材料などを集めたカタログもあります。おそらくこのようなカタログはご覧になったことはないかと思います。

坂本:研究や医療機関でしかないですよね?

西川:そうですね。非常にニッチな分野といいますか、専門性の高い分野でアズワンは展開しています。

八木:このカタログから欲しいと思ったらどのように注文すればよいですか? カタログを見て、番号を控えてなどあるかと思いますが、代理店にお渡しするかたちでしょうか?

西川:出入りの販売店の方にご注文するかたちで、その番号をお伝えいただくか、あるいはアズワンに問い合わせていただくと、近隣の販売店をご紹介するケースもあります。

八木:なるほど。

坂本:先ほどたくさんありましたが、カタログは全部で何種類くらいありますか?

西川:いろいろ入れ替わりはありますが、12種類か13種類くらいです。

坂本:それをニーズに合わせて配るということですね?

西川:おっしゃるとおりです。

坂本:最近、需要が高まってきたカタログがあったら教えてください。

西川:まさに、この医療機関向けのカタログが新型コロナウイルスの影響で、感染対策用品がたくさん載っているため、需要が上がっています。

八木:これも分厚いですね。

坂本:売れ筋となると、だんだん厚くなってきたりしますか? 

西川:もちろんです。徐々に徐々にページ数が増えていくかたちです。あわせて、高齢者社会ということで、介護関係の用品を集めたカタログもご用意しています。最近では介護に関するDXということで、介護者を支援するロボットなどのニーズが高まっているので、カタログとしてお求めいただくことも多くなっています。

アズワンの強み①:圧倒的な品揃え

西川:アズワンの強みの部分です。こちらは品揃えに関してですが、先ほどもご説明したように、カタログに掲載している商品は約10万アイテムあります。ご覧のとおり、紙面は有限ですので10万点しか載せられませんが、ウェブのほうは無限に品揃えを掲載できます。我々は「SHARE-DB」というデータベースを持っており、専門的な商品をどんどん取り揃えている状況です。

同じように、カタログで研究者に商品を供給している同業他社もいますが、スライド左下の品揃えの部分に関しては、圧倒的に差がある状況です。売上高でも、いわゆる科学機器に関するところで、2位との間が相当開いています。

科学機器の卸売の部分は、非常にロングテールの業者構成になっていますが、アズワンに関しては、卸売の分野で35パーセントのシェアを持っています。

坂本:これは年々高まっている感じですか?

西川:そうですね。現在は35パーセントですが、5年ほど前は31パーセントでしたので、徐々に上がっているかたちです。

アズワンの強み②:“すぐ届く” 業界随一の物流力

西川:研究されている方は、自分が欲しいものは今すぐ欲しいといったニーズもありますが、我々は在庫も豊富に持っており、ご覧のとおり、他社と比べても欲しい商品がすぐ届く環境を作っています。

八木:在庫管理にかかる費用は結構大きいのではないでしょうか?

西川:そうですね。ただ、先ほどご説明した470万点の商品をすべて在庫として持っているわけではなく、売れ筋の状況に合わせて我々で分析しつつ在庫を持っています。現在、だいたい70億円弱の在庫金額で、年商の約10パーセントですから、それほど大きな在庫金額ではありません。

これを効率よく出しており、スライドにあるように当日の出荷率は95パーセントです。売れ筋に限るともっと高くなりますが、在庫に関しては効率がよい状態です。

八木:そのあたりのノウハウもすごいと思います。

西川:ノウハウは非常にあり、最近では、去年5月に自動化の物流センターを立ち上げて、より物流効率を上げるような取り組みもしています。

アズワンの強み③−1:豊富なオリジナル品

西川:もう1つ、アズワンの価値の1つではありますが、ご覧のように、アズワンブランドのオリジナル商品を多く取り揃えており、売上構成比の約40パーセントがアズワンオリジナル品の売上となっています。このあたりが、商社でありながら営業利益10パーセントという非常に高い収益性の源泉になっている部分と考えています。

坂本:現在のオリジナル商品も40パーセントということですが、これまでの変遷としては、売れ筋のものをプライベートブランドにすると、利幅がけっこう取れると考えたからでしょうか? それとも、ボトムアップで研究者から「こんなものが欲しいよ」と言われて開発したのでしょうか? また、内訳も含めて教えていただけたらと思います。

西川:どちらも商品開発のアプローチとしては行っています。おっしゃったように、非常に多く商品を販売しているため、マーケティング情報は常日頃から確認できているポジションにいます。ですので、よく売れるものに関して、価格や仕様で隙間を突くかたちで商品開発していくケースもあります。

具体的に、エンドユーザーや研究者のみなさまから声をいただいて、それが受け入れられるか判断して商品開発していく側面もあります。

アズワンの強み③−2:サービス事業

西川:こちらはサービス事業になります。我々は、単純に商品を販売するだけではなく、研究者のみなさまに便利に感じていただくようなサービス作りを心がけています。

例えば、特別な注文で「ここをこう変えてほしい」といった特注にも当然対応していますし、あるいは、納品後に機器類の出張メンテナンスのサービスも行っています。

また、計測機器類の精度管理をアズワンがしたり、商品を販売するだけではなく、レンタルサービスとしてご利用いただくことにも取り組んでいます。先ほどデジタルチャネルのお話も少ししましたが、商品を送りつけるだけではなく、このような便利なサービスを心がけています。

なぜ安定している?

西川:売上と利益面での安定性に関してです。顧客層が多種になり、また商品に関しても多くの商品を取り扱っています。このあたりが結果的にリスク分散というかたちになっていると思っています。

研究開発や医療は、大きく変動するようなマーケットではありません。多様な顧客層や商品、このあたりが安定性に関わる部分と考えています。

商品についても、スライド左下が枠のように見えますが、横軸が売れ筋ごとに商品の売上を並べており、縦軸は売上金額です。ご覧のとおり、非常にロングテールの売上構成になっています。多数の商品の売上の積み重ねが実績となっており、安定性に資する部分と考えています。

好循環なビジネスモデル

西川:このように安定的な高収益を生み出して、その収益から積極的に投資し、アズワンとしてのプラットフォームをより強化していくかたちとなっています。これにより、ユーザーに対してサービスも含めた高い利便性を提供することで、よりシェアを高めているという好循環を生み出せる強みがアズワンの特徴と考えています。

連続的進化への挑戦

西川:アズワンが計画をしている中期経営計画「PROJECT ONE」につきまして、2020年4月から、5年間の計画で発表している内容から、少しピックアップさせていただきます。

テーマとして「PROJECT ONE 連続的進化への挑戦」は、売上700億円から1,000億円を目指そうということで、発表しています。ちょうど今年度が初年度にあたる計画となっています。

700億円に至るまでの従前の5年間も、前中期経営計画「PROJECT -NANA-」こちらの「NANA」は700億円の7にかけた名前ですが、実行してきました。着実に成長し、スライドに703億円とありますが、売上目標700億円を達成しました。この達成できたという実績を踏まえ、さらに連続的に進化し1,000億円へ到達しようということで計画しています。

カタログからWEBへ

西川:中期経営計画の中で、アズワンとしてカタログをさらにDX化していこうということで、成長ドライバーのeコマースにクローズアップし、現在注力しており、そちらをご紹介します。

繰り返しになりますが、アズワンの品揃えはこれまではカタログメインだったのですが、こちらをウェブ展開といいますか、よりお客さまに多くの品揃えをご提供できるように、充実したデータベース作りを行っています。

SHARE−DBとは

西川:我々のSHARE-DBの考え方としては、業界のデータベースとしていろいろな方々に利用していただくということを最終的に目指しています。

このデータベースは、商品に関する情報を非常に多く取り揃えているのですが、商品ごとに、例えば、お客さまに選んでいただけるような特徴を持った仕様にしています。このあたりは、我々のスタジオで動画を撮影したり、あるいは取扱説明書や図面、さまざまなエビデンスに関する資料、データシートなどもご用意しています。

また、流通に必要な情報、在庫、荷姿、あるいは商品に対する評価などもこちらのデータベースの中で管理しています。我々は非常に専門性が強いということもあり、対応法令に関する情報もデータベースとして充実させており、このあたりも特徴的なところです。

DXの推進にも繋がる4つのeコマースチャネル

西川:先ほどご紹介した集中購買システム、「Wave」という販売店向けのECプラットフォーム、「AXEL」というウェブサイト、ウェブのショップなど、インターネット通販会社向けの売上を含めて、我々はeコマースと定義しています。スライドに中計期間にプラス120億円と記載されていますが、5年で約2倍までこのeコマースを成長させようと取り組んでいます。

集中購買について

西川:eコマースの中身を少しご紹介します。こちらはあまり聞き馴染みのない言葉かと思いますが、集中購買についてです。我々は、集中購買に対応するシステムをユーザーにご提供しています。

スライド左側をご覧ください。大規模な研究開発をしているユーザー、企業は、全国各地に研究拠点を持っているケースが非常に多いです。それらの研究拠点には、スライドに別々のディーラーとありますが、こちらを販売店と呼んでいます。

さまざまな販売店が各拠点でご注文を伺い、結局、同じものを各拠点間で買っているにもかかわらず価格が違ったり、隣の拠点で何を買っているかよくわかっていないなど、非常に分散した調達をしていることがあります。

特に、大規模事業者の調達担当の方はこのあたりでよりコストダウンを図るため、管理したいというニーズが強くあります。そのようなニーズに対応するため、集中購買システムを開発しています。これにより、各拠点で注文したものが電子的に全部一括で管理でき、1社の販売店を通じてアズワンにご注文いただく仕組みをご提供しています。

このあたりはニーズがさらに広がっているため、研究用品で集中購買対応を望んでいるお客さまがいたら、必ずアズワンにお話をいただける環境になっています。

ネット通販会社との連携

西川:インターネット通販会社との連携も積極的に進めています。品揃えの中で一部限定されているものですが、インターネット通販企業に掲載させていただき、我々の販売店網でカバーできないユーザーに対して、インターネット通販会社から商品を供給しています。我々は、品揃えの専門性の提供で貢献させていただいています。

坂本:こちらの大手ネット通販については、Buying powerといいますか、勢いもあって使い勝手がよいと思います。実際に本当に売れるとわかったら、御社も実践されていますが、Amazonのようにメーカーから直接仕入れて、それをそのまま安く売るようなことはありますか?

また、参入障壁という意味で、オリジナル製品を投入するリスクはありませんか? 

西川:商品自体たくさんありますので、一部の商品では、やはり競合するところも実際には出てきています。しかしながら総じて言いますと、我々が提供している商品は、先ほどお伝えしたように1品1品の売上が非常に小さいロングテールです。

坂本:そうです。ロングテールです。

西川:ですので、インターネット通販会社から見ると、1品1品をそれほど意識するといった感覚が恐らくないと思います。それよりも、売上自体は少ないのですが、アズワンからまとめて供給することがアズワンの利便性という意味で、お互いWin-Winになっていると考えているところです。

坂本:投資家によっては、「モノタロウ」をイメージされている方もいらっしゃいます。

西川:そうですね。

海外拠点

西川:続きまして、中計で考えている海外展開についてです。海外展開では、中国に営業拠点といいますか、営業している現地法人、販売の拠点を6拠点持っています。また、アメリカには欧州への出資先ということで調達拠点が1拠点あります。

中国の開発研究費は日本の3倍!

西川:中国は現地法人ですので、これまでの推移と中計の計画をお示ししています。中国は発展がめざましく、マーケット規模が研究開発の部分でも日本の3倍、60兆円になります。我々はこれまで中国に進出した日系企業の工場を中心に、直販のビジネスを展開していましたが、計画を変更して、日本と同じように中国の販売店網を作り、そこで卸売のビジネスを展開していこうとがんばっています。

海外売上

西川:中国での売上は、スライドに記載のとおり26億円を41億円にしたいと思っています。また、東南アジア向けの輸出のビジネスも倍増させるという計画で、ご覧のとおり、5年後にはあわせて62億円に成長させたいと考えています。

坂本:投資家はこの海外進出、戦略、展開を、今後の成長分野として非常に注目しています。海外の研究機関の資材調達方法について、教えていただきたいです。日本と同じようなかたちで研究室単位でも一括で発注できるなど、いろいろあると思いますが、カタログ、ECについてどちらを基本とされていますか?

また、中国とアジアに御社のような高いシェアを持った会社はありますか?

西川:例えば中国では、日本と違ってカタログを見て商品を選ぶといった習慣があまりないと聞いています。それよりも、購買システムを提供するプレーヤーがいて、プレーヤーが購買の管理も手伝ってECで商品を調達されるケースが増えているそうです。

坂本:ECですか。

西川:中国でも、我々のような研究用品を販売している会社がここ3年から5年くらいで出てきています。豊富な品揃えで研究開発をサポートしている、同じようなビジネスをしている企業が出てきているので、ガリバーはいないのですが、我々としてもがんばらなければいけない状況です。

坂本:ガリバーがいるとなかなかやりづらいところはありますが、可能性はありますね。

西川:そうですね。

3つの無いを解決!

西川:中期経営計画で今後の目指すべき方向性についてです。これまでの物販ビジネスに加えて、プラットフォームを強化していきたいと思います。考え方としては、研究者のみなさまのお困りごとに対して、アズワンが商品だけではなく、いろいろなアライアンスも念頭に置きながら課題を解決してきたいということが、プラットフォーム強化の方向性の1つです。

アズワン・プラットフォーム

西川:スライド左上に「研究者のルーティンワーク」とありますが、研究者のみなさまの1日の仕事をイメージしていただければと思います。左側から、研究や実験に必要な物品を選んで購入、スライドの右側では、それらを使って実験しています。結果を出して、そのデータをPCで解析したり、あるいは論文を作成したり、情報収集されます。

また研究予算の管理、あるいは人材確保等と、研究にまつわるお仕事は単純に実験するだけでなく、非常に多岐にわたります。その中でのお困りごとに対して、スライドでは左側に記載していますが、主に商品を供給することでお困りごとの解決につなげています。

今後のアズワンのプラットフォームについては、スライド右側にもアプローチできる考え方で、新しい事業サービス等を検討していきたいと考えています。

中計計数目標(2020/5発表)

西川:こちらは中期経営計画の数値目標です。2025年3月期には1,000億円の売上を目指して、年平均成長率7.3パーセントで成長しようと計画しています。

初年度修正予想

西川:足元で上方修正させていただきましたが、ご覧のとおり、売上は2022年3月期の売上を超えている予想になっているため、今後の計画についてはあらためて検討している状況です。

配当予想

西川:配当に関しては、今期の予想で1株あたり146円です。今期については計画でお示ししていますが、去年の5月に開設した自動化の物流センター、スマートDCのマテハンの償却等がありました。ですので、利益ベースでは減益となりますが、今後、成長を続けていくことで、近いうちに最高水準を更新する予定です。

冒頭でお伝えしたように、配当性向50パーセントということで還元をしていきたいと思っていますので、ぜひ、ご記憶に留め置きいただけたらと思っています。

高還元(確かな株主還元)ー優待100株ー

西川:株主さまへの還元ということで優待も設定しています。9月末時点で100株以上お持ちの方には3,000円相当のカタログギフト、500株以上お持ちの方には5,000円のカタログギフトを進呈させていただいています。

ESG格付 AA評価

西川:ESG関係ですが、我々は、GPIFがESG投資をする際の指標として採用しているMSCIジャパン、こちらのESGセレクトの採用銘柄になっています。ヘルスケアの領域でAAの格付けをいただいていますので、我々の卸売のモデルが物流面でも非常に効率的で、ESGの観点でも評価されているということです。

覚えていただきたいのは、3点②

西川:冒頭の繰り返しとなりますが、分厚いカタログ、そして、eコマースを加えた部分と、ニッチな領域でのシェアトップ、安定した高収益、株主さまへの還元ということで、配当性向50パーセントを掲げています。この3点について、ぜひご記憶に留め置きいただけたら幸いです。以上です。ありがとうございました。

質疑応答:スマートDCの出荷量、入荷量について

坂本:まず、スマートDCのお話について、マテハンの償却も当然のことではありますが、順調に推移しているということは、将来、効率化が利益を生み出すものだと思っています。こちらはスマートDCに移管後、出荷量と入荷量、さばける量は変わりましたか?

西川:スマートDC、自動化の倉庫ということで、我々もこのタイプの倉庫は初めての取り組みとなります。人の手ですべて今まで行っていたものを一部自動化に変えることになりますので、いろいろ小さなトラブルは出ています。

といいますのも、我々が取り扱う商材は多品種で、重いもの、軽いもの、大きいもの、小さいものなど、非常に多種となります。物流のハンドリングも単純に自動化できるものではなく、現状は試行錯誤しているところです。

とはいえ、上方修正もしていますし、取り扱う流通量は非常に多くなっています。物流の入出荷は全く問題なくこなしている状況ですし、おっしゃっていただいたように、今後、より効率化できる点と考えています。

質疑応答:感染対策用品の今後について

八木:感染対策用品を中心に好調ですが、需要が一巡したあとも、引き続き伸長していくと予想されていますか?

西川:こちらは難しいところですが、今お伝えできるところは、足元ではそれほど需要が一巡して下がっていると見ていません。特に、医療機関向けのプロユースの商品は、恐らく将来的な備蓄の観点もあると思いますが、需要は高まっている状況だと理解しています。

ただ、これがどこまで続くかについては、ワクチンなどの対応次第だと思いますが、当面の間、来年度もこの状況は続くと理解しています。

質疑応答:医療分野でシェア拡大するための施策について

坂本:医療機器分野でシェアを拡大していくための施策があれば教えてください。

西川:こちらも繰り返しているところですが、特に我々のオリジナル品、医療関係の商品を拡大させたいと思っています。

坂本:オリジナル品については、科学がやはり多いのでしょうか?

西川:そうですね。数では多いのですが、自社で輸入するオリジナルの医療機器をより充実させていきたいと考えています。たまたまですが、コロナ禍の直前に、非接触体温計やパルスオキシメーターなどの商品について、ちょうど自社商品化したところでした。そのあたりで、今回の供給対応でも非常に貢献できたと思います。

坂本:実際にそれを持っているとなれば、それは売れますよね。

八木:確かに。

質疑応答:カタログの今後について

八木:DX進めていく中で、デジタル、ネットに移行していったとしても、カタログについてはリアルで続けていきますか?

西川:投資家から非常に多くご質問いただくところで「いつまでカタログを作るのですか?」とよく言われます。

八木:カタログを読みものとして楽しんでいる方もいると思います。読みものといいますか、選ぶ楽しみという点で、カタログは人気が高いと思います。

西川:まさにおっしゃるとおりです。ユーザーにも定期的にいろいろとアンケート調査をしており、それをもってカタログの有効性や、いつまで作ろうかと検討しています。

ご意見の中には、検索性は当然ウェブのほうが優れているから、あらかじめ買うものが決まっている場合はウェブで検索したほうがよいのですが、構想がまだぼんやりしていて商品を見ながら選びたい時には、カタログのほうが機能を発揮するといったものもありました。今後、部数自体は減っていくと思いますが、カタログとしてはしばらく残ると思います。

坂本:残るでしょうね。ファミレスなどで注文がタッチパネルになっても、メニューは絶対置いてありますから。

八木:メニューのほうが見やすいこともありますよね。

坂本:恐らくそうでしょうね。

八木:ただ、両方はやはりコストがかかるイメージがありますので、そのあたりはどうお考えでしょうか?

西川:カタログ作りについては、我々もかなりのノウハウを持っています。ですので、作るごとにコストダウンするように日々取り組んでおりますが、カタログにかかる費用はそれほど大きくないです。

坂本:日本ではこの1冊すべてを御社で注文するというかたちができると思いますが、海外では「これは便利だ」といってネットで頼むような、ほかの会社で頼む人が出てくるように感じるのですが、そのあたりはいかがでしょうか? 

西川:そのあたりはやはり課題だと思っています。先ほどの集中購買のような販売の仕方も、我々に全部ご注文をいただける考え方ですので、海外でも日本と同じような状況を早く作り出すことが先だと思います。

坂本:集中購買の話がありました。日本ではだいたい競争入札になりますが、中国の国営企業では、集中購買の方法は日本とあまり変わりませんか? 

西川:そのあたりについては、やはり外資のほうが入りにくいような環境です。

坂本:国内の企業が優先ですね。

西川:そうですね。我々としたらその国営企業に対してアクセスを持っている企業に供給して、集中購買といいますか、EC対応をするかたちになると思います。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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