公務員の退職金「民間と比べると」恵まれているほうなのか?

さいごに、厚生労働省が公表する「平成30年(2018年)就労条件総合調査 結果の概況の「退職給付(一時金・年金)の支給実態」の、民間企業の平均退職給付額と比較してみましょう。

同調査によると、民間企業の退職金の平均は、大学・大学院卒・定年の場合で退職者1人あたり1983万円、高卒・定年は1618万円となっています。

この民間企業の退職金事情を鑑みた場合、やはり公務員が受け取れる退職金は好条件であるといえるでしょう。

さらにいうと民間企業の場合、退職金制度を設けるかどうかは各企業の裁量に任されています。企業規模や業種によっても差があるのが現状です。

つまり、退職金そのものを受け取らないケースもあるわけです。

今回のデータからは、公務員の場合、新卒として就職して定年まで勤め上げた場合、多くのケースで2000万円前後の退職金を受け取れることが期待できそう、という点が分かりました。(今回は触れませんでしたが、職種や地方公共団体の区分などによって、支給額には幅があります)

一方で民間企業の場合、退職金支給の有無や金額など、お勤め先や働き方によって大きな差があることもお分かりいただけたかと思います。

よって、「公務員」と「民間企業の会社員」の退職金事情を単純に比較することは難しいといえますし、どちらが恵まれているか、と簡単に判断することはできないでしょう。

とはいえ、地方公務員、国家公務員ともに、民間企業に比べると高めの水準。よって「公務員は安定している」というイメージは、あながち間違いではないといえるのかもしれません。