とある会社に勤務する中堅社員の主人公。本日も係長のタバコ休憩に付き合わされておりました(36話参照)。何気なく横の壁に目をやると、そこには「転職セミナー」のポスターが。
すると、主人公の目線の先にあるものに気がついた係長。「転職なんてやめとけよ。俺と違って、お前はよそへ行っても通用しないんだから。」と嫌味な一言。しかし別に転職など考えてもいなかった主人公は、係長が自分を低く見る発言をしたことよりも、別のことが気になります。
「え?係長、転職のご経験があるんですか?」
すると、係長は「ない。」と即答。「やっぱりな…。」と納得する主人公でしたが、次の瞬間、係長は「でも、俺ならどこへ行ってもうまくやれると思うんだ。」と自信満々に語りだします。
仕事中に平気でゲームをし、部下に仕事を押し付け、プライベートにも遠慮なく口出し…と、ふだんからやりたい放題の係長の姿を見ているだけに、「その自信はどこから来るんだ…」と、自己評価が高すぎる上司の発言に主人公はひたすらモヤモヤ。同時に、頭の中でいつものごとく妄想スイッチが入ります…。
係長が転職し、この職場を去って数年後。主人公は(元)係長に、様子伺いの電話をかけています。「新しい職場はどうですか?」と尋ねると、「いやー、最近ちょっと痩せちゃってなあ」と返す(元)係長。彼の後ろの窓には、美しい宇宙空間が広がっています。
「体重が6分の1になったんだ。宇宙食がおいしくて、たくさん食べているはずなんだが。」という(元)係長の言葉に、「それは重力の違いじゃないんですか?」と半ば呆れつつ切り返しつつ、「…いや、それ以前に転職のレベルが高いだろ。」と、思わず自分の妄想に突っ込んでしまう主人公。(妄想終了)