「貯蓄がある人」はどんな資産を保有しているか

前ページで参考にした資料によると、貯蓄がない世帯が全体の16.1%を占める一方で、3000万円以上の資産を保有する世帯が13.3%あるとの記載があります。

貯蓄は徐々に増えていくものではありますが、中央値を見ている限り、そうとも言えない状況のようですね。

金融資産を保有していない世帯の中央値では、60歳代でも1000万円に届いておらず、70歳以上でようやく1000万円となっています。

金融資産保有世帯で50~70代の方はどんな資産を保有しているのでしょうか。

その中身を見ていきたいと思います。(※下記表は損保、金銭信託、財形、その他商品は省いています。)

50歳代

  • 預貯金・・・734万円、
  • 生命保険・・・406万円、
  • 個人年金保険・・・169万円
  • 投資信託・・・132万円
  • 株式・・・219万円
  • 債券・・・112万円

60歳代

  • 預貯金・・・1184万円
  • 生命保険・・・353万円
  • 個人年金保険・・・165万円
  • 投資信託・・・118万円
  • 株式・・・178万円
  • 債券・・・56万円

70歳以上

  • 預貯金・・・1138万円
  • 生命保険・・・411万円
  • 個人年金保険・・・81万円
  • 投資信託・・・160万円
  • 株式・・・280万円
  • 債券・・・44万円

どの年代も、すぐに引き出せる預貯金の割合が一番多いようですね。

一方で、生命保険、投資信託、株式、個人年金保険など、リスクが低いものから高いものまで満遍なく商品を保有している印象を受けます。

特に50代では、預貯金以外のいわゆるリスク性商品の合計が、預貯金を超えています。上記表中の預貯金以外の合計額は1038万円となり、預貯金額より300万円程度上回っています。

若い頃から運用をスタートすると50歳以降で徐々に安定したリターンを期待することが可能になってきます。これは長年運用をして、複利効果を得られた結果とも言えます。

貯金がある人とない人の差は、リスクを多少取りながらでも長期投資を行ったことで得られた成果が関係しているのかもしれませんね。