ビジョン、コロナ禍でも生産性向上と3つ目の柱となる事業育成により、さらなる事業拡大を目指す

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2021年2月15日に行われた、株式会社ビジョン2020年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ビジョン 代表取締役社長兼CEO 佐野健一 氏

連結損益計算書

佐野健一氏:みなさま、こんにちは。株式会社ビジョンの佐野でございます。本日は2020年12月期本決算についてご説明します。まず、業績のハイライトです。2019年12月期の売上高は273億円でしたが、2020年12月期は新型コロナウイルスの影響で非常に厳しい結果となり、売上高は166億円と、約100億円減少しています。

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営業利益は、2019年12月期に33億2,500万円であったものが32億円減少し、1億300万円となりました。もともと着地予想は5,800万円のプラスと発表していましたので、約倍の数字で着地しました。経常利益に関しては、雇用調整助成金等を含めて2億2,700万円の着地となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益についてですが、海外向けのWi-Fiルーターはしばらく活用しないだろうということで、中間期に特別損失で減損の処理を行いました。当時発表した数字よりは利益が出ている分、減少して11億8,300万円となりました。

営業利益の増減要因

営業利益の増減要因についてです。まず、みなさまご承知のとおり、グローバルWiFi自体は昨年の3月以降は緊急事態宣言があり、インバウンド、アウトバウンドともにほぼゼロになりました。したがって、もともと計画していた売上利益から考えると、原価として非常に大きなコストがかかったわけですが、そちら1つは減少したということです。

また、我々はパンデミックが一番のリスクであるということで、固定費にならないよう、事前に世界中の通信会社の仕入れを全世界で低減するという取り組みを世界中のキャリアと行った結果、大幅に原価を下げることができました。

正直、上半期は非常に厳しい決算かつ特損という事態であったわけですが、その後、国内のWi-Fiや「グローバルWiFi for Biz」自体は非常に順調です。今後海外に行けるようになった時に一気に使いたいという法人のお客さまが非常に多くおり、昨年12月まででも順調に受注が取れている状況です。

売上原価は先ほどお伝えしたとおりです。販売管理費等に関してですが、我々にはさまざまな受注に連動して必要不可欠なタッチポイントとしての出荷センターやコールセンター、空港があります。現在も空港は一部閉めている状態になっていますが、ここはコストをかけたままで店舗を維持しています。

ただ、出荷センターに関しては、国内のWi-Fi等も伸びており、そちらの作業を行うことができる状態にはなっています。海外よりは利益が出る状況ではありませんが、これをきちんと守りながら来たるべき復活に向けて粛々と準備している状況です。

営業利益も参考にはなりませんが、我々には情報通信サービスもありますし、この下半期は利益を出せる体制を実現していこうと取り組んできました。

結果的には、もともとマイナス3億2,000万円という発表からプラスの5,800万円となり、今日の着地で1億円を超える営業利益を確保することができました。苦しい中でもさまざまな努力を積み重ね、利益を出せる体質までようやく漕ぎ着けたのが現在であるとご認識いただければと思います。

セグメント業績

続いて、セグメント業績です。グローバルWiFi自体は177億円あったものが72億7,800万円となりました。第1四半期に関しては、2月末までは渡航がありましたが、3月から一気に減少したわけです。そのような意味では、そこでの売上高は非常に大きく、残りは国内Wi-Fi等で稼ぎ出しています。

原価を改善しながら稼ぎ出していったため、売上は約100億円減少していますが、グローバルWiFi事業自体の単月の黒字化についても、インバウンド、アウトバウンドがない中、現在実現できています。

また、情報通信サービスの売上は89億円から88億円と、若干減少しているのですが、利益を見るとわかるとおり、昨年に13億6,300万円だったのが今年は15億2,000万円であり、順調です。今までの利益の変化率よりは大きく伸びてきたと感じています。

ただし、売上が下がっていることには要因があります。例えば、「携帯電話を売ったらいくら」「コピー機を売ったらいくら」というかたちで、以前は販売代理店として売上を一発で計上していました。しかし現在は、自社のオリジナルサービスのSaaSや、SaaSの中でもサブスクリプションで定期的に毎月お客さまからお金をいただけるもの、もしくは「Vision Crafts!」と呼ばれる、格安の月額制でホームページを導入できるサービスも自社でオリジナルでつくっています。

こちらは、売った瞬間に売上が大きく立つものではなく、中長期的に収益が立つかたちになっています。したがって、売上自体はこちらの比率を上げていくことによって落ちましたが、その分、今期もしくは来期、再来期に向けて収益が積み上がっていくようなビジネスモデルになっていますので、2020年はその転換点として取り組んできたということです。

グローバルWiFiも結果的にマイナス9,000万円と、単月黒字は出せたものの、それまでの累積の、やはり事業シフトしていかなければいけないところのコストは多分にかかりましたので、すべて通期で黒字というところにまでは至っていないかたちになります。

グローバルWiFi事業 業績推移

こちらは先ほどお伝えした、ここ近年のグローバルWiFiの売上と利益の推移です。昨年は売上高が177億円、利益が33億円ですので、これを差し引くと約140億円の販管費と原価がかかるかたちになります。

したがって、急にこれがなくなると、本来であれば月に10億円近い赤字が出てもおかしくない状態だったわけですが、先ほどお伝えした原価のコントロールと事業シフトによって、その損失を最小限に抑えることができたということです。

情報通信サービス事業 業績推移

続いて、情報通信サービスです。先ほども少しご説明しましたが、売上の若干の減少と利益の増加がポイントです。やはりコロナ禍になったことによって、例えば、リースで提供しているコピー機やビジネスフォンなどは、お客さまの業績等も含め、テレワークによるプリント自体の減少などもありましたので、そこの部分はリースの審査自体が非常に通りにくいということが起きていました。

よって、情報通信もひとくくりではなく、さまざまな事業を提供していますので、その中で成長性があるところに人をシフトし、それ以外の部分は少し押さえ気味に取り組んだというのが実態です。サブスクに置き換えたことによる売上の若干の減少と、単価の高いコピー機の審査の問題を含めた売上の減少、事業シフトをしたことによる減少が、この89億円から88億円となった要因になっています。

連結貸借対照表

続いて、連結貸借対照表になります。自己資本比率は77.3パーセントとなりました。現金及び預金は5億7,100万円の増加となっています。キャッシュベースで言うと、「あったものが大幅に減ったのではないか」というように見える部分はあると思いますが、昨年度に約10億円くらいの自社株買いを行ったことと、その後に法人税を6億6,000万円払っていることを考えると、キャッシュフロー自体は若干の減少でとどまっているかたちになります。

また、借入も現在は1円もない状態です。最大リスクのためにコミットメントラインを銀行に設定していただいていますが、今のところこれを活用する予定はありません。

通期業績予想の前提①

続いて、2021年12月期の業績予想になります。今回この予想を出すにあたって、いくつかの前提条件を明記しました。まず、全体感で言えば、国内事業の収益化を図ることを強化していきます。顧客基盤を活用した新規事業、新サービスを構築していきたいと考えています。

数ヶ月前に出した「通訳吹替.com」についてですが、「グローバルWiFi」の顧客資産を活用し、コロナ禍でもオンラインでグローバルな商談をする方々もたくさんいます。そのような時に、こちらが日本語で話すと自動的に英語で同時通訳してくれるサービスです。もしくは、このようなIRや決算説明会も、私が日本語で話しているのを英語に吹き替えて、海外の投資家により早いタイミングでお届けすることを実現しています。

上場企業等にもすでに導入いただいて、海外のIRなどに活用いただいています。このように、今まで我々が築いてきた顧客基盤を活用し、今後も新規の事業をつくっていきたいと考えています。

また、「グローバルWiFi」における、今後の5Gやe-simに対するスタートに向けた準備は、チーム自体を解散しているわけではなく、前期も行ってきましたし、今期も続けていくことになります。

続いて、国内事業です。販売チャネルの季節指数を加味し、前期伸長率をもとに算出している中、2021年3月で「GIGAスクール構想」の補助金が期限となりました。延長するかはまだわかりませんが、そこから先の獲得は数値化しておらず、予想に組み込んでいないかたちになります。

また、新型コロナウイルス感染症による企業活動への影響は不確定です。テレワークは今後もニューノーマルとして続いていくと思いますが、テレワーク比率が少し減少する可能性もあります。逆に言うと、そのタイミングでは「グローバルWiFi」も再稼働していくと思いますが、そこは入れ子になっていくことが起き得るため、そのあたりは強めに予算組みをしていないとご理解いただければと思います。

ただ、この「グローバルWiFi」、そしてインバウンドに関しては、私どもの現在の想定としては、10月くらいの秋口から冬にかけて渡航者数の25パーセント程度の回復を予測しています。あくまで我々の独自の見解としての予測になりますので、これが前後する可能性はありますが、例えば、アメリカは1日150万人がワクチンを接種していますし、中国などさまざまな先進国でも進んでいます。

そのようなことから、「ワクチンパスポート」のようなかたちで渡航を再開させていこうという動きが世界的にあります。そうは言っても半年以上先にはなりますが、世界中のワクチンの接種が進み、安全性が確認できたら渡航は再開していくと思いますので、この程度の数字を予測しています。

一方で、ニューノーマルになる、もしくは海外渡航が復活する前に、「グローバルWiFi for Biz」の契約数は毎月順調に伸びています。これは、海外に行きたくて準備しておこうという企業が多くおり、毎月順調に導入いただいているわけです。このあたりは引き続き今年も強化していきます。空港のカウンターのキャパシティを考えると、今のキャパシティでは将来足りなくなる可能性が非常に大きいため、それをオフバランス化していくことにいかに取り組んでいくのかということです。

「スマートピックアップ」などの自動化も我々は積極的に進めてきましたが、そのあたりも今後の将来の伸び率、伸び数によっては逼迫するリスクがありますので、事前に対応しています。

通期業績予想の前提②

次は情報通信サービスです。こちらに関しても、加入取次ぎや機器の販売による収益を現状維持しつつ、月額制の独自サービスを中心に事業成長させていきたいと思っています。

またオンライン商談は、小さくですが、コロナ禍になる2年前から取り組み始めており、現在、オンラインをどんどん活用していきたいと考えています。これはお客さまが「オンラインでもよい」と言って賛同してくださっているのが一番大きいのですが、ニューノーマルのかたちになってきましたので、ここをさらに深堀りしながら取り組んでいきたいと思います。

また、ソーシャルメディアもそうですが、販売チャネルはさまざまなかたちでどんどん新しいものが生まれ、コンバージョン率の低いものが少しロングテール化していくことが起き得ます。積極的に新しいチャネルになり得るSNSも新しい広告も、お客さまとの中長期的なリレーションシップを取りながら、追加のオーダー等も含めて積極的に取り組んでいきたいと考えています。

先ほどリースの減少がありましたが、OA機器はここ最近は回復傾向にあります。したがって、ここは若干回復するところを織り込んでいます。また、月額制ホームページの「Vision Crafts!」に関しては、積極的な販売を今後も継続していきますので、このあたりを織り込んでいます。

固定通信事業、移動体通信事業、ブロードバンド事業に関しては、テレワーク需要による移動体通信のニーズが多くありました。そして、それに合わせて弊社の独自サービスである「VWS」「JANDI」などの補償サービス等を積極的に獲得しています。ここは順調に伸びてきていますので、このあたりも織り込んでいます。

起業・開業に関しては、現在緊急事態宣言中ということもあり、予測が非常に難しいです。このような時期だからこそ、逆に企業は増えていくのですが、まだ少し見えていない状態にあるため、ここは保守的に計算しています。

また、エコソリューション事業の店舗系の事業を中心に電力サービスを行っていますが、こちらは非常にニーズが高いため、積極的に獲得した数字を織り込んでいる状態になります。

通期業績予想

こちらは通期業績予想です。売上高は昨年より14億円減っています。昨年は第1四半期の「グローバルWiFi」の売上と利益がありましたが、今年は第1四半期からそれらがなにもない状態からスタートしていますので、昨年の第1四半期と比べると利益水準的には非常に厳しい状況下になります。

しかし、「グローバルWiFi」がない中でも第1四半期、第2四半期ともきちんと利益を出していく計画を立てています。今年1億300万円だったものを4億700万円で着地するかたちで、しっかり数字を実現させていきたいと考えています。

親会社株主に帰属する当期純利益については、特に今後は減損等を見込んでいるわけではありませんので、今期は2億4,500万円の黒字を目指して取り組んでいきたいと考えています。

セグメント別通期業績予想

こちらはセグメント別の通期業績予想ですが、「グローバルWiFi」は72億円から58億1,600万円となることを見込んでいます。緊急事態宣言解除後のテレワークの減少等が起こり得ることも織り込んでいますので、現在はこのような数字になっています。通期も、昨年に赤字だった「グローバルWiFi」を今年は完全に黒字化するかたちで進んでいます。

一方で、「情報通信サービス」は利益が若干減少する計画になっています。先ほどご説明したとおり、ここは積極的に獲得を進めていきますので、現在はその分の投資が先行していくかたちを見込んでいます。

成長戦略の方針

ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた成長戦略です。既存事業はオンラインによる生産性の向上、そして今後のニューノーマルに順応していくことに取り組んでいきます。加えて、基本的には既存のお客さまのアップセルやクロスセルを今まで以上に強化していきたいと思っています。

キーワードとしては、顧客・時代のニーズにあった商材・サービスを提供していきます。そして、営業体制の構築・強化として、特にオンラインを強化していきたいと思います。アップセル・クロスセルの強化は今も継続的に取り組んでいることですが、さらに強化していきます。そして、収益構造のブラッシュアップを図り、自社サービスを強化・拡充していくということが既存事業においてまず取り組むべきことになります。また、継続的に取り組んでいくべきことも含まれています。

新規事業・新サービスに関しては、「情報通信サービス」、「グローバルWiFi」を柱にするべく取り組んでいきたいと思います。「プロドラ」も、もちろん同じように目指していたわけですが、海外の方がいなくなってしまったことによって、昨年に特損を出して早期に事業撤退しました。あそこで撤退しなければもっと「出血」していたと思いますので、最悪な状態は避けることができました。

しかし、時代は変わりました。新型コロナウイルスによって行動変容が起きたため、ウィズコロナ、ニューノーマルに順応したサービスづくりを積極的に行っていますので、こちらはみなさまに期待いただけるよう、がんばりたいと思っています。

また、販売チャネルや事業体制の活用も非常に重要になってきますので、さまざまなメディア、さまざまなソーシャルメディア、もしくはさまざまな広告、もしくはアウトバウンド、ターゲティングなどをしっかり行いながら、販売チャネルを強化していきたいと思います。

さらに、これだけ多くのお客さまがいらっしゃいますので、顧客基盤の活用、そしてお客さまの声を取り入れたサービスづくりをしていきたいと思っています。

現在、東京の人口は7月くらいからずっと減り続け、地方に移り住む人も増えてきました。オンラインによってどこでも働ける環境があります。我々が「グローバルWiFi」を展開し、「地球がオフィス」と宣言していた状態に大きな動きが起きています。このようなところで、我々の取り組み自体が地方創生の役に立てる部分も見据えていきたいと考えています。

顧客基盤については、スライドの一番下にある「スタートアップ成長過程の法人顧客」は今までと変わりません。そして「海外企業と取引のある法人顧客」は「グローバルWiFi」や「通訳吹替.com」等も該当しています。

また、官公庁や自治体、学校、「GIGAスクール構想」等も含めて、今まで接点が少なかったお客さまと新たな接点ができていますので、そのような方々に活用していただけるようなものを考えています。

さらに、海外出張が大好きというのはおかしいかもしれませんが、旅をするのが大好きな方々がいらっしゃるので、このような方々に「これよいね」と言ってもらえる取り組みを考えています。「POCKETALK」や「ili」はさまざまなオプションでしたが、今回はオプションではなく、次の3つ目の柱を目指した取り組みをしていきたいと思います。

基本的には、既存のお客さまや顧客基盤を活かしていくことで、スタートの成功の確率が非常に高い状況になります。そこで土台をつくり、ノウハウをためて拡大していくという取り組みをしていきたいと思います。そして、収益をしっかり出していくことを実現していきます。

グローバルWiFi for Biz積極拡販~渡航回復時の競争優位性~

こちらが「グローバルWiFi for Biz」です。毎回ご説明しているものです。

オンライン学習「GIGAスクール構想」の普及への取組み

こちらが「GIGAスクール構想」です。

国内Wi-Fiの販売強化~グローバルWiFi事業~

そして、テレワーク用のWi-Fiなど、ターゲティングしたキーワードに沿ったサイトづくりを行い、ニーズに合ったWi-Fiを出しています。

サービス「通訳吹替.com」 ~顧客基盤を活かした新サービス~

これは「通訳吹替.com」です。先ほどお伝えしたとおりです。

Vision WiMAX ~顧客基盤を活かした新サービス~

独自サービス、独自ブランドとして、「Vision WiMAX」を新しく出していきます。通常の「WiFiレンタルどっとこむ」とあわせて、中長期の契約をいただけて、価格的にも安くてスピードが出るなど、カバレッジの問題等をきちんと補完していきながら、顧客のニーズに合ったかたちで「Vision WiMAX」を提供していくことにも取り組んでいきたいと思います。

2021年もコロナ禍でまだ非常に厳しい状況下ではありますが、このような時に土台づくりをしっかり行うことによって、ニューノーマルの時もそうですが、アフターコロナの時も今まで以上にきちんと大きく跳ねられるようがんばっていきたいと思いますので、引き続き応援いただければと思います。

簡単ではありますが、2020年の決算と2021年の業績予想のご説明を終わります。どうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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