人生100年時代といわれはじめてどれくらい経つでしょうか。

私たちの多くにとって、老後生活の柱となるのは「公的年金」といってよいでしょう。

でも、この年金収入で足りない生活費は、自分で準備した老後資金でやりくりしていく必要があるわけです。

最近増加している「おひとりさま」の場合、その老後資金を自力で用意することに。なかには、「この金額で老後は安心できるだろうか」「他の人はもっと貯蓄しているのでは?」と不安に感じている人もいるかもしれません。

では、60代独身のみなさんの貯蓄事情ってどんな感じなのでしょう。

そこで今回は、金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和元年)」をもとに、60代おひとりさまの貯蓄額をみていきます

そもそも、「貯蓄」って?

貯蓄について詳しくみていく前に、まずはその定義をおさえておきましょう。総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)の用語の解説をみると、

貯蓄とは

ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。 なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める。

と示されています。「貯蓄額」には「預貯金以外の金融資産」も含まれている、という点がポイントです。