漫画家の祭さんは、おみくじちゃんとあみだちゃんというチンチラの母子、そしてデグーの棟梁ちゃんというネズミさんたちと一緒に生活しています。そんな中に、年明けに急遽仲間入りした保護チンチラの福くん。
通常、ペットを家にお迎えするには、事前に飼育環境を整えてからというのがセオリー。しかし、今回ばかりはそんなことは言っていられない状況下で、捨てられていたチンチラの福くんを保護した(83話)祭さん。大急ぎで電話をし、妹さんが使っていないケージを譲ってもらえるように手配したあとは、ボサボサの毛の手入れをさせようと、福くんに砂浴び用の砂を与えてみましたが…。
用意された砂の上に乗ってはみたものの、何をするのかさっぱりわかっていない様子の福くん。そのうち、ぎこちない手つきで砂を掘りはじめました。「え?もしかして砂浴びをしたことがない⁈」と驚く祭さん。「普通は砂の上に転がって毛並みを整えるんだけど…。」と思いつつ、「まあ、あみだもすぐに上手になったから、これから覚えていけばいいよ。」と、福くんに優しく声を掛けます。
ケージが届いた後も、祭さんを驚かせる出来事は続きました。チンチラさんたちの運動不足やストレスを解消するために取り付けるホイールをセットしたところ、乗ってみたはいいけれど、降り方がわからないのか、福くんはじっと乗ったままゆらゆらと揺れているだけ。おやつに他のチンチラが大喜びするりんごを与えても、それが食べ物だとわからないのか、じぃっと眺めるだけで、手を出そうともしません。
再び「いいよ、いいよ、ゆっくり慣れていきな。」と声をかけつつも、ちゃんと育てていたら、自然に身についていたはずのことが、全くできない福くん。そして、人に甘えるということがわからず、おみくじちゃんやあみだちゃんに比べると、いつもしかめっ面で感情がわかりにくい福くん…。祭さんは、だんだんと暗い気持ちになってしまいました。