地元志向の高まりを地方の大学はどう受け止める?
東京の大学はそもそも首都圏の高校出身者が大半を占めています。それがさらにコロナ禍で出身地域が偏ってしまうと、似た環境で育った学生の集まりとなり、多様性が欠如するといった側面もあるでしょう。
しかし、現在の地方の受験生を取り巻く環境を考えれば、よほどの理由がない限り上京することを最優先にするのはなかなか難しいと思われます。
もともと私大定員厳格化を進めたのも、若者が東京などの大都市に集中しないようにという地方創生の目的がありました。皮肉にも、新型コロナウイルスにより東京へ向かわず地元に残る若者は増加し、その目標は達成するかもしれません。しかし、それではコロナによる地方と都市部の地域分断となり、根本的な解決策とは言い難いものがあります。
コロナ禍が収まったあと、各地域の大学がどのような学校運営をしていくのかも真剣に検討する必要があるのではないでしょうか。
参考資料
「令和2年度学校基本調査」(文部科学省)
「令和2年度学校基本調査(確定値)の公表について」(文部科学省)
「令和2年度 学校基本統計(学校基本調査報告書)」(東京都)
中山 まち子