保育園から呼び出され…「毎日何かしらの問題が…」
Yさん(40代、自営業)の12歳の長男は、5歳の時にADHDと診断されたといいます。
「育てにくい、とは思っていました。衝動性が強く、我慢ができないのです。保育園では集団行動がとれない、お友達に些細なことが原因で手を上げてしまう、などの行動が目立ち、担任の先生に呼び出されたこともありました」
「些細なこととは、例えばお友達と肩がぶつかってしまった、物を貸してくれない等のことで、暴言や暴力をふるってしまうことがありました。また、じっと座って待ったり、先生の話を聞くことが苦手なようでした。保育園のお迎えに行くとき、『今日は何したんだろう…』と毎日憂鬱で、どうしたらいいのかいつも悩んでいました」
Yさんは保育園の担任の先生から、区の育児相談センターを紹介され、そこから専門家を紹介してもらい診断に至ったといいます。
「悩みを抱え込まないで」簡単にいうけれど…
「育児は1人でするものではない」皆そういいます。でも、何かあったら「育て方が悪いんじゃない?」などと批判されることが多いのは母親です。責任感が強い人はより一層、1人で悩みを抱え込みがちです。けれども、悩んでいるのは子どもも同じかもしれません。「子どものためにも…」そう思うと、一歩踏み出せる人もいるのではないでしょうか。現在はコロナ禍のため、電話相談・メール相談などを活用してみるのも良いでしょう。(参考:一般社団法人 日本発達障害ネットワーク「相談窓口」)
参考資料
- 「発達障害者支援法(平成十六年十二月十日法律第百六十七号)」文部科学省
- 「発達障害」知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス 厚生労働省
- (※)田中 真理「特集 ひととひととのコミュニケーションとは―自閉症児との関わりから―」『まなびの杜』(東北大学季刊、2009秋号)
- 「平成28年(2016年)生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」厚生労働省
尾藤 ちよ子