「我が子は発達障害かもしれない…」そう悩んでいる親は多いかもしれません。今回は3人の母親に、子どもが発達障害と診断されるまで、どのような事柄が気になったのか伺いました。ただここで挙げられた気づきや特徴は、必ずしも発達障害であると断定するものではありません。あくまでも母親としての気づきについて、まとめています。
発達障害とは?人数の実態
「発達障害者支援法」によると、発達障害とは「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定められています。
主な発達障害とその特徴は以下の通りです。
自閉スペクトラム症(障害)(ASD)
- ① 社会性(対人関係)の障害、②コミュニケーションの障害、③こだわりの3症状が4歳(もしくは3歳)以降からみられる場合に診断される
- 感覚過敏・鈍麻がある場合も
- 知的障害の程度にも幅がある
- 人の気持ちが想像しにくい
- 変化に対応するのが難しい
- 強いこだわり、パターン化された行動がみられる
注意欠陥多動性障害(ADHD)
- 多動性や不注意などで日常生活に支障が出てしまう
- 単純ミスや忘れ物が多い
- 気が散ってしまい集中できないことが多い
- 落ち着きがない、衝動的
学習障害(LD)
- 知的発達に遅れがないにも関わらず、読み書きや計算などの特定の事柄のみが困難
- 「読めるけれど、書けない」など、障害の表れ方も様々
(参考:厚生労働省「発達障害―知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」)
ASDは100人に1人、ADHDは10人に1人といわれることが多いようですが、実際にはもっといるのではないかとの指摘もあります。また、診断名がつかないグレーゾーンの人も多く存在します。
厚生労働省の「平成28年(2016年)生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」によると、医師から発達障害と診断された者の数(推計値)は、48万1,000人とされています(対象:全国約2,400の国勢調査の調査区に居住する在宅の障害児・者等(障害者手帳所持者、医師から難病と診断された者、長引く病気やけが等により生活のしづらさがある者)、有効回答数:6,175人)。