一昨年に金融庁から発表されたレポートよって話題になった「老後2000万円問題」。

老後に入るまでに2000万円の貯蓄が必要であるという内容のレポートにもあったように、老後2000万円以上用意するためにも、50代で平均金額の1704万円は必要という見方もできるでしょう。

さらにここから内訳をみてみると、預貯金が大半を占めています。それ以外の資産をみると生命保険や有価証券などで貯蓄していることがわかります。

ここで金融庁発表の「平成28事務年度金融レポート主なポイント(平成29年10月)」を見てみると、米国の家計金融資産構成において最も多いのが株・投資信託で全体の46.2%です。預貯金は全体の13.7%程度しか保有していません。

ここで興味深いことは、株や投資信託を中心に保有している米国は、金融資産の増加率が3.32倍という数字です。それに対して日本は1.54%と、増加率は半分以下の水準です。

これを見ても、これから資産を効率的に増やそうと思うと、資産運用が必要不可欠といっても過言ではないかもしれません。

50代からの資産運用の始め方

50代の人でも、資産運用未経験者は意外と多くいらっしゃるでしょう。

また、投資信託や個別株式で運用している人でも「銘柄は何となく買ったから、どんな商品かよくわからない」という人や、「金融機関の担当者に勧められるまま買ったので自分が選んだわけではない」という人もいるかと思います。

一つ言えることは、50代から資産運用を始めようと思ったときに「何となく始める」は危険であるということです。

例えば20歳代や30歳代の人が老後のために投資をスタートしようと思うと、自分で調べて成功や失敗を繰り返しながらトライアンドエラーで投資を学んでいくこともできます。

なぜなら彼ら彼女らにはまだ失敗できるだけの時間がたっぷりと残されているからです。

しかし、50代はどうでしょうか。もう老後生活がそこまで迫っています。ここから「なんとなく」で資産運用をスタートすると、残念ながら失敗して引き返すだけの時間は残されていません。

50代から資産運用をスタートしたい人は、「なんとなく」でスタートせずに、専門家に相談しながらリスクとリターンを調整して資産運用に取り組んでいく必要があります。