ここ数十年、平均給与の伸びは横ばいになっているにもかかわらず、大学の学費は上昇の一途をたどっています。大学進学者の約半数が奨学金を利用している状況で、卒業後の返済に苦労している人も多いことでしょう。そこで、奨学金の返済が難しくなってきた場合の3つの対処方法と一番やってはいけないことをお伝えします。
奨学金の借入額は平均いくら?
労働者福祉中央協議会が行った「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」(2019年3月)によると、奨学金の借入総額は平均324.3万円、借入総額が500万円以上という人は12.4%いました。また、毎月の返済額の平均は1万6,880円、返済期間の平均は14.7年でした。
同調査のその他の結果もご紹介しておきましょう。
「奨学金の返済を延滞したことがあるか」を聞いたところ、15.7%の人が「ある・あった」と回答しています。延滞した理由の1位は「単に返済を忘れていた」53.9%、2位「収入が少ない」42.5%、3位「奨学金以外の借入金の返済がある」17.8%となっています。
また、返済の負担感を正規労働者と非正規労働者に分けて聞いたところ、正規労働者では約4割が「苦しい」と回答しているのに対して、非正規労働者では6割弱が「苦しい」と回答しています。
実際に延滞という状況になっている人は1.5割とまだ少ないものの、返済が苦しいと感じている人は多いことがわかります。こうした人たちが奨学金の延滞へと向かわないために、回避方法を次にお伝えします。