令和3年度の公的年金の受給額は、令和2年度と比べて0.1%程度、減る見通しとなっています。賃金の低下が影響して、4年ぶりのマイナス改定となりました。
年金受給者の人にとっては、少しさびしい話題です。
来年度から新ルールが適用され、賃金の変動率が物価変動率を下回って下落した場合、賃金との連動が徹底されるようになります。このため、わずかではありますが、来年度の受給額が下がってしまったのです。
このように、年金の支給額は毎年度改定されています。
私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。
そこで今回は、最新の厚生年金と国民年金支給額を比較しながら、老後にもらえる金額を見ていきたいと思います。
みんな厚生年金をいくらもらっているか
はじめに会社員として民間企業で働いた人が厚生年金をいくらもらっているのか、確認してみましょう。
厚生労働省年金局公表の「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和2年12月)」よると、厚生年金の月額階級別受給権者数は以下のとおりです。
【男性】
- ~5万円未満:15万977人
- 5万円~10万円未満:97万6724人
- 10万円~15万円未満:261万3866人
- 15万円~20万円未満:436万9884人
- 20万円~25万円未満:224万9128人
- 25万円~30万円未満:28万8776人
- 30万円以上:1万7626人
【女性】
- ~5万円未満:31万5100人
- 5万円~10万円未満:234万1321人
- 10万円~15万円未満:218万2510人
- 15万円~20万円未満:41万2963人
- 20万円~25万円未満:6万3539人
- 25万円~30万円未満:4166人
- 30万円以上:379人
厚生年金の平均年金月額は全体で14万4268円、うち男性が16万4770円、女性が10万3159円です。