2020年11月20日に行われた、三浦工業株式会社2021年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:三浦工業株式会社 代表取締役社長執行役員CEO 宮内大介 氏
三浦工業株式会社 取締役常務執行役員 アジア・米州事業本部長 兒島好宏 氏
三浦工業株式会社 取締役常務執行役員CTO アクア本部長 越智康夫 氏
三浦工業株式会社 執行役員財務統括部長 下坂正 氏

上期実績

宮内大介氏:みなさま、こんにちは。三浦工業の宮内でございます。本日は、弊社の2021年3月期第2四半期決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、Webで決算内容の説明をさせていただきます。

本日の説明会では、まず私から、上期実績のポイントおよび年間計画の修正に関して、ご説明いたします。その後、第2四半期決算の詳細内容を財務統括部長の下坂よりご説明いたします。また、当社の成長戦略として、水処理事業および中国事業のご説明を各担当取締役、越智と兒島よりさせていただきます。

それでは、決算の概要説明に入らせていただきます。こちらのスライドは上期の実績です。売上高615億円、営業利益80億円、営業利益率13.0パーセント、当期利益は57億円と、減収減益となりました。上期はメンテナンス事業が堅調に推移いたしましたが、新型コロナウイルス感染の影響でお客さまの操業度が低下し、設備投資時期の見直しが行われたことにより、設備投資需要が落ち込みました。前期から繰り越された売上もございましたが、機器販売は当初の計画を下回っています。

営業利益は減収による影響で想定を下回りました。コロナ禍での行動制限により支出が抑えられたことで、大幅な利益の減少を回避することができました。

年間計画の修正

続きまして、年間計画の見直しに関してご説明いたします。メンテナンス事業は安定して収益を伸ばしていますが、新型コロナウイルス感染症により、お客さまは深刻な事業環境にさらされており、下期も投資意欲は引き続き低調に推移するものと推察しています。このような状況から、売上収益は機器販売において80億円減少し、計画を1,310億円と修正いたします。

利益に関してですが、下期は営業活動を積極的に行っていますので、上期に比べて行動による経費は増加することを見込んでいますが、上期と同様に経費削減に努め、営業利益以下の利益の修正は行いません。

2021年3月期 年間計画の修正 *利益は修正なし

7ページに、売上収益80億円減少の内訳を記載していますのでご参照ください。

事業別 業績見通し

また、8ページに事業別の見通しを記載していますのでご参照ください。以上で、私からのご説明は終わらせていただきます。では、執行役員財務統括部長の下坂から、決算内容の詳細を説明させていただきます。

セグメント別 上期業績

下坂正氏:財務統括部の下坂でございます。ここからは、第2四半期の決算の詳細内容についてご説明させていただきます。よろしくお願いします。

まず初めに、上期業績のポイントについてご説明いたします。まず、国内におきましては、メンテナンスが堅調に推移しましたが、機器販売については低調に終わりました。海外におきましては、新型コロナウイルスの影響は受けたものの、中国や韓国のように営業活動が十分にできた国においては売上が伸びました。

次に、セグメント別にご説明いたします。上から順に申し上げますと、国内機器販売につきましては、前年同期比で売上が11.6パーセント減少し264億円となりました。利益も32.9パーセント減少し16億円となりました。主な要因としましては、新型コロナウイルスの影響により十分な営業活動ができなかったことや、お客さまが設備投資の時期を見直しされたことによります。

国内メンテにつきましては、保守契約の増加および部品やオーバーホール等の売上が堅調に推移したことにより、前年同期比で売上が3.9パーセント増加し168億円となりました。利益も6.4パーセント増加し50億円となりました。また、ランドリーにつきましては大変厳しい事業環境が続いており、リネン・クリーニング全般で、お客さまの設備投資意欲が大きく減退したことにより、前年同期比で売上が36.6パーセント減少し、58億円となりました。利益も97.7パーセント減少し0円となりました。

海外機器販売につきましては、前年同期比で売上が3.6パーセント減少し89億円です。利益も5.1パーセント減少し7億円となりました。 主に中国が全体売上の伸びを牽引しています。中国では、省エネ診断により安定した受注を確保したことや、昨年度の新型コロナウイルスの影響で延期されていた物件が今年度上期に売上を大きく伸ばしています。

最後に、海外メンテナンスにつきましては、中国で低NOx規制対応によるバーナー入替が堅調に推移したことや、すべての国・地域において保守契約が堅調に推移したことにより、前年同期比で売上が14.8パーセント増加し33億円となりました。利益も108.4パーセント増加し、6億円となりました。

国内及び海外売上推移

続きまして、国内および海外の売上の推移についてご説明いたします。今年度の第2四半期につきましては、新型コロナウイルスの影響で国内売上、特に機器販売が大きく低下しましたが、海外売上につきましては、毎年、国ごとででこぼこはあるものの、収益力は着実に安定してきています。なお、今年度第2四半期の海外売上比率は20.1パーセントとなっています。

営業利益増減要因(前年同期差)

続きまして、営業利益の増減要因についてご説明いたします。減少要因としましては、新型コロナウイルスの影響でボイラ事業とランドリー事業が減収になったことにより、23億円の減少となりました。増加の要因としましては、新型コロナウイルスの影響で行動制限されたことによる経費削減と、海外現地法人での粗利の改善により16億円の増加となりました。その結果、今年度第2四半期の営業利益は、前年同期比で7億円減少し80億円となっています。

上期計画 vs 上期実績

続きまして、上期業績の計画と実績の比較についてご説明いたします。売上収益につきましては、7月以降も新型コロナウイルスの影響が想定以上に継続し、計画比で97.7パーセントです。わずかに未達成となりましたが、利益につきましては、新型コロナウイルスの影響で行動制限されたことによる支出の抑制効果もあり、営業利益が117.9パーセント、税引前利益は115.8パーセント、親会社の所有者に帰属する四半期利益は117.6パーセントと、すべて達成となりました。したがって、計画比での業績は減収増益となっています。

事業別 売上高

続きまして、事業別の売上高についてご説明いたします。弊社では、国内は商品群によって、海外は地域群によって事業別の業績管理を行っています。国内におきましては、ボイラ事業とランドリー事業の売上減が大きく影響し、売上が前年同期比で62億円の減少となりました。また、メディカル事業につきましては、新型コロナウイルスの影響もありましたが、昨年度に消費税増税前の駆け込み需要があり、その反動もありました。

海外におきましては、中国事業・韓国事業が堅調に売上を伸ばし、その他地域事業のマイナスをカバーしたことで、ほぼ前年並みの売上となっています。

国内売上推移

続きまして、事業別の国内売上推移についてご説明いたします。アクア事業につきましては、メンテナンス事業が着実に成長し、売上が堅調に推移しています。舶用事業につきましては、バラスト水処理装置の販売は堅調に推移し、舶用全体の売上増に貢献しています。食機事業につきましては、コンビニ需要が低迷しており、コロナ禍で需要が伸びているセントラルキッチン市場への営業強化を図っています。

ランドリー事業につきましては、客席の稼働率が大幅に低下し、現在も未回復の状況です。売上の回復は2022年度以降を見込んでいます。

海外売上推移

続きまして、事業別の海外売上についてご説明いたします。中国事業につきましては、地道な省エネ活動で着実に需要を確保し、売上を伸ばしています。韓国事業につきましては、環境規制が追い風となり、売上が堅調に推移しています。米州事業やその他事業のアセアン等につきましては、新型コロナウイルスの影響により苦戦が続いています。

貸借対照表

続きまして、財政状態についてご説明いたします。上から順に申し上げますと、流動資産につきましては、営業債権の減少が大きく影響し、前年末比で34億円減少し、1,059億円となりました。固定資産につきましては、有価証券の時価評価の増加により前年末比で8億円増加し、786億円となりました。

流動負債につきましては、営業債務と引当金の減少により前年末比で68億円減少し、393億円となりました。固定負債につきましては、リース負債と借入金の減少により前年末比で5億円減少し、71億円となりました。また、純資産につきましては、繰越金利益と有価証券評価益の増加により前年末比で47億円増加し、1,380億円となりました。なお、純資産が増加したことにより、財務健全性を示す自己資本比率は前年末比で3.6パーセント上昇し、74.8パーセントとなっています。

利益配分、株式の状況

最後に、利益配分についてご説明いたします。配当方針につきましては、安定的な配当の継続と連結配当性向30パーセントを目処としています。今年度の中間配当金につきましては、予定どおり1株当たり10円とさせていただき、2020年12月1日からお支払いすることとさせていただきます。また、期末配当につきましては、現在のところ普通配当は16円とさせていただく予定でございます。以上で、私の説明は終わらせていただきます。ありがとうございました。

ミウラのアクアソリューション

越智康夫氏:それでは、製品による環境貢献について、省エネ・省水型の純水システムのご紹介をさせていただきたいと思います。私は三浦工業CTOの越智でございます。どうかよろしくお願いいたします。

それでは、ミウラのアクアソリューションについて、まず説明をさせていただきたいと思います。最近の産業用のビジネスの市場では、産業の高度化、環境・安全衛生の意識が高まってまいりまして、水ビジネスは拡大基調にあります。その産業用の工場の水処理の中で、三浦工業はまずは蒸気ボイラのトップメーカーとして60パーセント以上のシェアをいただいていますので、それに必ず使われるボイラの水処理を工場でたくさんお使いいただいていることになります。

さらに、工場の中には水源から用水処理をする装置、プロセスに使う脱酸素水・軟水・純水がありまして、また、冷却に使う冷却塔の水管理、それから工場の出口には排水処理がありまして、それをリユースするリユースのシステムを今は提案しています。それぞれのシステムが特徴を持つことが、全体のソリューションにつながると考えています。

純水と用途

純水についてです。コロナ禍の純水も重要な役割がありまして、最近ではIT・電子産業や医療・バイオの市況が好調ですので、それに使う純水についても需要が増加してきているということです。

純水については、もとの水は水道水が多いのですけれども、水道水から20パーセントのイオンを取り除いた水がRO水になります。そのRO水から、さらにイオンや粒子を取り除きます。電気伝導率で言いますと、1マイクロジーメンス・パー・センチメートルがだいたい純水で、さらにその10分の1にしますと高純水、さらに上げて超純水というに、レベルによってこのような呼び方をしています。

用途はこの資料にありますように、化学・飲料・化粧品・電子・製薬・病院・機械・食品などで使われています。例えば、化学では化学薬品の原料に使う製品用水として使われたり、飲料では、もちろん飲料の原料としても使われますし、洗瓶などの製品の洗浄にもたくさん純水が使われています。化粧品については、化粧品もありますし、シャンプーやリンスなどの製造時にも使われています。

その他、電子や機械、食品でも洗浄として使われたり、病院では手術用具の洗浄、製薬では純水が使われます。

純水システムフロー例

純水システムの典型的なフローです。水道水からRO膜を傷めてしまう残留塩素を活性炭で取り除いて、膜の中に析出してしまうカルシウム・マグネシウムを防止するように、軟水装置を付けます。それからRO装置でイオンを濾し取って、電気で純水を作る装置であるEDI装置を追加して高純水にしていきます。

ミウラの特徴としましては、「カラーメトリ」という水質計で残留塩素や硬度、シリカなどを適正にチェックして、お使いいただくという提案をしています。

特長1①

そのシステムの中のコアの装置になりますRO装置についてです。弊社の一番新しいものが「MRO-C」シリーズですけれども、水の装置では珍しく、昨年の「省エネ大賞」をいただいています。上のグラフにありますように、それぞれ季節によって削減率は違いますけれども、従来型と比べまして排水量の低減ができています。また、消費電力もそれぞれ季節によって節減ができています。

下のグラフは、造水単価に置き換えて1時間当たり4トン処理、年間3,000時間運転したとして、1万2,000立米のRO水を作ったとした時のランニングコストの例です。従来の加温型と比べまして、最新型は排水量が48万円の削減で、加温型につきましては燃料費を89万円、年間削減しています。炭酸ガスにしますと、54トンの削減ということになります。

電気代につきましても、一般型、それから弊社の前機種と比べましても、年間7万円から27万円の削減ができ、省エネになっています。

特長1②

これらを実現する技術の3つを簡単にご紹介します。まず1つ目は、処理水を一定制御する「定流量フィードバック制御」です。出口に流量計が付いていまして、その流量を確保する最小限の圧力で水を作り、ポンプを制御して電力を削減します。従来型は冬場に水が出にくくなるため、多めにRO膜を配置したり、運転圧を高くしたりすることで設備も大きくなっていました。これを解消したということになります。

2番目は、原水圧力を有効利用するということです。従来型はもとの水圧がありましても、一度減圧弁で水圧を落として、ポンプアップして必要な圧力を作るということでしたけれども、最新型はもとの圧力から必要最小限の昇圧で済むように制御をします。これも電力量を削減しています。

3つ目は排水量の削減です。一般的なタイプからは非常に排水量が削減できているんですけれども、前機種(前タイプ)からもバルブで排水量を水温に応じて制御していたのを、排水量を出ない位置に定めて流量を絞りまして、少しでも排水量を少なくするという制御をしています。

特長2

この排水率の最適化ソフトは、弊社の特徴であります、メンテナンスのデータも生かしての開発になります。まずは、いろいろな水質条件での膜詰まりのテストデータ、メンテナンスが現場で取れる現場の実地のデータ、弊社の特徴であります水分析の延べ1,000万件以上の分析のデータをもとに、いろいろなデータを加味しまして、独自のソフトを開発したことになります。

純水製造装置の国内市場規模推移

最後に、純水製造装置の国内市場の推移です。富士経済の2019年度版の水資源関連市場のデータからは、この棒グラフにありますように年々純水市場も成長してきています。その中で弊社は2019年度は15億円の売上になりましたが、中期で25億円を目指すことになります。これはメンテナンスの売上を含んでいませんので、弊社としてはメンテナンスを合わせて、安心してお使いいただけるビジネスを展開しますので、さらにこれを成長させることになります。

以上が、ミウラの純水システムになります。工場全体のアクアソリューションも含めまして、ぜひみなさまにご愛顧いただけることを望んでおりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

2021年3月期計画と売上見込み

兒島好宏氏:アジア事業・米州事業を担当しています、兒島と申します。今回は、海外事業の中でも注目度の高い中国の進捗状況を私からご説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

では、さっそく資料に基づいてご説明をさせていただきます。2021年3月期の中国の売上見込みについてご説明します。今年の計画につきましては90億円を目指していました。コロナウイルスの影響はありましたけれども、ほぼ計画どおりに推移をしている状況になっています。

中国の市場動向につきましては、新聞等々で発表もあったかと思いますけれども、1月から9月の第3四半期を合計しますと、GDPは3.6パーセントの成長ということで、世界各国の中でもコロナからの回復は一番早い国だというところが伺える内容になっています。

ボイラ関係の市場面でいきますと、コロナウイルスは回復はしていますけれども、基本的には工業系のところまでは、まだ設備投資意欲が出てくるところまでは回復していないという判断をしています。公共の事業と好調な企業、好況な業種等々がありますので、そのあたりを見極めながら営業活動をしているのが現状でございます。

基本的には、環境規制と省エネルギーの提案によるガス焚きボイラの入替えが中国の大きな戦略となっています。特に営業面につきましては、環境規制とは関係なく、省エネ診断によって物件を私どもでコントロールできるという意味では、ガスボイラからガスボイラへの入替えに注力したいと思います。

メンテナンスにつきましては、2017年から低NOxバーナーの改造工事が非常に増えていまして、都市部では環境規制は厳しくなっていますので、メンテナンスの当面の大きな目標は、低NOx対応によるバーナー入替え工事となります。

また、メンテナンスは低NOxバーナーの売上が順調に推移していまして、業績は昨年よりも少しアップする見込みです。営業も、やっと行動ができるようになってきたこともありまして、前年度よりは少しアップという見込みを考えています。

2段階の環境規制への対応

中国の環境規制につきましては、非常に期待をしていた、ロシアからのガスパイプラインによる東北地域のガス供給について、コロナの影響でガス工事が遅れているということで、これは来年度以降に期待をするという状況になっています。

第2段階の低NOx規制につきましては、基本は、主要都市につきましては一段落終えたという感じではあるんですけれども、規制がかかった50ミリグラムから30ミリグラムに切り替えるという政策が各地域で出てきていますので、そのあたりはメンテナンスの低NOxバーナーが、今後もメンテナンス業務のメインになると考えています。

新しく、営業としては期待ができる部分が非常に少ないので、先ほども申し上げましたように、営業はガス焚きボイラからガス焚きボイラへの入替えを中心に、日誌負荷分析を実施して、省エネ提案で代替えの促進を図っていくことを考えています。

中国ボイラ市場の変化(1月~12月)

中国のボイラ市場の変化につきましては、基本的には2017年がピークになっていまして、そこから2018年、2019年と、ボイラの新規販売台数という意味では下がっているのが現状です。ただし、私どももメンテナンスで売上が上がっているバーナー改造は、非常に業界全体で増えていまして、バーナー改造を含めますと、実際には前年比よりも売上は増えています。ですから、ボイラ市場全体では少し増えているのが現状です。

今年度もこの流れはほぼ変わっていません。ただ、ボイラの台数は2019年度よりは若干全体的には下がっているのではないかと予測はしています。

ボイラ納入区分推移(ミウラの納入先分析)

続きまして、ボイラの納入区分です。これはミウラでの納入区分になりますけれども。一番左が、他社ガスボイラからミウラのガスボイラへの入替えになっています。本当は、ここが非常に伸びないといけない部分ではあるのですけれども、なかなか日誌負荷分析の提案をしても、すぐには入替えにつながっていないのが現状になっています。

2番目の石炭・生物ガスからの入替えにつきましては、昨年並みを少し保っているところです。ここについては規制緩和の方向で、実際には2017年度までは交換する日程は完全に決まっていたんですけれども、それが「少し延期をしてもいい」という環境局からの指導が出ていまして、そこが物件的にずれていっている状況になっています。

逆に新設がちょっと増えているんですけれども、これについては景気がいいということではなくて、逆に「環境規制のために他の工業団地に工場を移設する」というお客さまが増えています。また、淘汰された業種で、大手企業が新築の工場を作っていっているという状況で、新設が増えているという状況になっています。

ここがいつまで続くかと言うと、あまり期待できないと考えていますので、2022年くらいまでは、こういうかたちができるのかなという予測はしています。増設については、順調な企業が増設をどんどん積極的に実施していっているということですので、現在は食品がメインですけれども、こちらはまだここ数年、増加傾向になる見込みを持っています。

中国ボイラ市場業種分析(ミウラの業種分析)

ボイラ市場分析ですけれども、コロナの影響で景気のいい業種がはっきりしてきていまして、三浦工業としては、コロナウイルスに関係のない食品・製薬・段ボール・飼料ということで、大きく業種を4業種に絞り、攻略しています。基本的には、食品は加工食品が中国でもやっと増えてきた状況で、物件数・売上数等々を考えても食品企業がメインになりつつあります。

製薬につきましては今、「病院に行くよりも自宅で治す」という考え方が浸透してきています。そういう意味では製薬工場の新規物件が、製薬は増えています。段ボールにつきましては、宅配の増加により、3年ほど前からどんどん新しい工場ができています。それで、増設をするお客さまが増えているのが現状になっています。

飼料につきましては、政府の政策で「養豚、豚の増産をとにかく支援する」という方針が出ましたので、そういう意味では飼料関係の増加がここ数年は続くと見ています。

ガスーガス戦略の具体的な施策(営業の強化→省エネ提案)

基本になりますけれども、他社ガスボイラからミウラガスボイラへの入替えが、とにかく今後の中国の事業においても最重点になります。日誌分析・負荷分析によって省エネ提案をするのが、ミウラの基本的な営業のスタイルですので、そのあたりを今後もどんどん増やしていきたいと考えています。

過去に、今年(2020年)の上期に実施をしました約2,400台のボイラ分析を、メーカー別と効率別に整理をしてみました。基本的に90パーセント以上というボイラはほとんどなく、基本的には90パーセント以下のボイラが80パーセントになります。私どもがターゲットにしたいのは、まずは80パーセント以下の効率のボイラのメーカー(お客さま)に対して、省エネ提案を積極的に行うということで、重点行動としています。

ただ、「ガス化して納入した設備がまだ1、2年しか経っていない」というお客さまもけっこういますので、この物件が将来、2年後、3年後に物件となって実績につながることを、私どもとしては期待しているところです。実際に中国メーカーのボイラ効率のワースト10社を一応調べてみたんですけれども、ここは平均値は73パーセントという効率です。

そういう意味では、省エネ効果は非常に十分期待できるということになりますので、基本的にはワースト10のボイラメーカーの日誌分析を中心にして、拡販戦略を地域別に打っていきたいと考えています。

ガス焚きボイラ製造用の新工場(本社工場)が完成

蘇州の第2工場が今年の8月に稼働を開始しました。実際には第2工場ではなくて、新しい工場を本社機能を持たせた工場ということにしましたので、正式名称としては本社工場という呼び方で、中国では対応させていただいています。生産台数は、最大で5,000台ができる規模の工場になっています。基本はガス焚きボイラの製造がほとんどですので、他社ガスボイラからミウラのガスボイラへの入替えをどんどん推進していくことが、今後の中国の課題になります。

今年が中国の「第13次5ヶ年計画」の最終年になります。来期にまた「第14次5ヶ年計画」が発表されるのですけれども、基本的には、環境対策を重視していくという項目も発表されていますので、そういう意味では、今後も中国の環境改善は続くものだと思っています。それに対応できる営業体制・提案力を成長させながら、成長戦略としていきたいと思います。以上で、私の説明を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。

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