ただ、国内では緊急事態宣言の発令により、業種ごとに明暗が分かれそうです。この状況下でも買われる銘柄を見極めてチャンスをつかみたいところです。
バブル崩壊後の戻り高値を超え、3万円台も視野に
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。大発会の1月4日は大きな陰線となりました。その後は5日移動平均線も割り込むような動きでしたが、7日に窓をあけて寄り付くと陽線となって上昇。さらに8日も窓をあけて上昇し、大きな陽線となりました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。ポイントはやはり、バブル崩壊後の戻り高値である1991年3月の27,270円を超えたことです。ここを超えると3万円台がぐんと近づいてくる大きな節と言えます。
昨年12月29日にここを超えましたが、大発会にまた下落してしまいました。27,000円台はこれまで長期間にわたり上値を抑えられていたところです。再度下落してしまうと、また回復に時間がかかると懸念されたところでしたが、先週、そこを抜けると、心理的節目となる28,000円も一気に上抜けました。
中長期的なチャートは強い上昇トレンドの形になっています。目線を上に持ち、積極的に付いていきたいところです。上値メドとしては、まずは3万円の大台が大きな節目になるでしょう。
ちなみに、日経平均の過去最高値は1989年12月29日、大納会の38,957円です。その後の最安値は、2009年3月10日の7,021円です(いずれもザラ場)。両者の間の3分の2戻しは28,311円です。すでにこの近くまで戻しているわけですから、大いに期待できます。
逆に足元の下値メドは25日線のある27,000円付近になりますが、このあたりまでの短期的な調整は押し目買いの好機と考えていいでしょう。
下原 一晃