株式市場の振り返り-日経平均株価は約2ヶ月半ぶりの3連騰、商いも徐々に増加へ
2016年10月5日(水)の主要指標 カッコ内は前日終値比
- 日経平均株価 16,819円(+83円、+0.5%) 3日続伸
- TOPIX 1,347.8(+7.6、+0.6%) 3日続伸
- 東証マザーズ総合指数 960.4(+4.4、+0.5%) 3日続伸
東証1部の出来高は17億2,075万株、売買代金は1兆8,878億円(概算)となりました。水準的には決して高くはありませんが、日々着実な増加傾向にあり、投資資金は戻りつつあると考えられます。早期に、売買代金が2兆円超で安定することが待たれます。なお、円安進行などを背景に、日経平均株価は約2ヶ月半ぶりに3日続伸となりました。2ヶ月半も3連騰がなかったこと自体驚きですが、今回の連騰が何処まで伸びるか注目です。5日は、輸送用機器、電気機器、機械など外需主力セクターが牽引役となっており、前回並みの記録(6連騰)が期待できるかもしれません。
一方、東証マザーズの出来高は8,133万株、売買代金は1,097億円となりました。いずれも前日を上回っており、売買代金は連日で1,000億円超を記録しました。円安進行などから大型株に注目が集まっていますが、実は、新興株式市場への資金流入回復も注視したいところです。ただ、株価指数の上昇が限定的なのが気掛かりです。
自動車関連銘柄が大幅上昇、新興市場は串カツ田中がストップ高に
個別銘柄では、自動車株の上昇が目立ち、ホンダ(7267)、マツダ(7261)、富士重工(7270)、ヤマハ発動機(7272)などが軒並み大幅高となりました。デンソー(6902)、ブリヂストン(5108)なども大きく値を上げました。また、グループ企業再編の観測記事が出た日立製作所(6501)が急騰し、任天堂(7974)やアルプス電気(6770)も大幅上昇となっています。一方、KDDI(9433)が下落し、ローソン(2651)も安く引けました。また、アステラス製薬(4503)などの薬品株が冴えない値動きに終始し、東京電力ホールディングス(9501)は急落しています。
新興市場では、9月の月次販売が堅調だった串カツ田中(3547)が値を飛ばし、久々のストップ高で引けました。串カツ人気は衰えていないようです。また、ブランジスタ(6176)もストップ高となっています。時価総額の大きい銘柄では、そーせいグループ(4565)は小幅安となりましたが、CYBERDYNE(7779)やミクシィ(2121)は値を上げて終わりました。全体的には、少しずつ新興市場らしい値動きが戻っているように思われます。
本日(10月6日)の注目点-今回のブル相場の持続性を占う重要な日、揺さ振りに注意
日経平均株価が約2ヶ月半ぶりの3連騰を達成し、6日(木)は4連騰を目指します。2ヶ月半前の前回は6連騰(7月11日~19日)でしたので、それに迫るブル相場が期待されましょう。相変わらず目立った材料はないものの、円安進行が続いていること、小売セクターの決算発表が堅調であること、事業再編や不採算部門のテコ入れに関するニュースが出始めたこと等から、相場環境は悪くありません。また、商いが徐々に増え始めており、地合いも良好です。前回並みの続伸は十分期待できましょう。
一方で、週末の米国雇用統計発表を睨んで、そろそろ短期筋の揺さ振りが始まる可能性があります。取引時間中に急騰したり急落したりする場合は、追い駆けないことが重要です。個人投資家が短期筋相手に不必要な戦いを挑むと、大東亜戦争時におけるミッドウェー海戦のような大惨敗を喫することになるでしょう。不必要に深追いしないことも株式投資では必要不可欠です。
そのようなことを言っているうちに、前日に続き、再び何時の間にかスルスルと円安になっています。ドル円レートで104円、ユーロ円レートで116円を伺う状況になっており、輸出関連銘柄への関心も高まるでしょう。ただ、前述した通り、週末に米国雇用統計の発表を控えているため、円安メリット銘柄に大きくベットするのは危険です。内需関連銘柄でヘッジしておくことも重要と考えられます。
青山 諭志