今年度の通期予想は売上高447.0億円(前期比▲13.2%)、営業利益25.8億円(▲50.4%)、当期純利益17.6億円(▲46.0%)で、減収減益ながら黒字を維持する見込みです。
FC加盟店に対しては、加盟保証金の全額返還(総額15億円超)やテイクアウト販売の支援、販促費の徴収免除といった支援を行い、チェーン全体で生き残りを図っています。
しかし、今年に入って緊急事態宣言が出された関東の1都3県、拡大対象となった関西2府1県や愛知県、福岡県は、いずれも壱番屋の出店が集中しているエリア。営業時間の短縮や外出自粛が業績に影を落とすことは避けられず、テイクアウトや宅配、昼間時間帯の利用を促進するアイデアが求められます。
まとめ
2019年2月期に減益を記録した壱番屋は、翌年度の値上げによって増益を達成しました。しかし新型コロナの影響で2021年2月期は減収減益が続き、第3波の到来で不透明感が増しています。
そうした状況下でも、壱番屋は昨年12月に北海道旭川市でジンギスカン店を経営する(有)大黒商事の子会社化を行っています。新業態への挑戦、さらなる成長のためにも、基盤である「ココイチ」の力強い復活を期待したいものです。
参考資料
- 株式会社壱番屋 2020年12月度 月次情報
- 株式会社壱番屋 2021年2月期第3四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社壱番屋 2021年2月期第2四半期 決算説明会資料
- 株式会社壱番屋 2020年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社壱番屋 2019年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社壱番屋 リリース「有限会社大黒商事の株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ」
- ハウス食品グループ本社株式会社 2021年3月期第2四半期 決算説明会資料
- 「データからみる外食産業:2020年11月」(一社)日本フードサービス
- 「セールスリポート」日本マクドナルドホールディングス株式会社
- 「『レシーカが調査!毎月のショッピング利用状況』コロナ禍における香辛料の購入状況」CCCマーケティング株式会社
山口 伸