それによれば、昨年3〜8月にかけて「香辛料」の購入者数・購入点数が増加しており、中でも増えているのは「カレールー」。「購入している人」については、購入点数では女性が圧倒的である一方、前年の購入数からの増加率では「男性30代」「男性40代」が上位だったそうです。

ためしに、壱番屋の親会社であるハウス食品グループ本社(2810)の2021年3月期 第2四半期(2020年4〜9月)をみると、家庭需要に後押しされた「香辛・調味加工食品事業」の営業利益が前年同期比34.8%の大幅増となっています。もちろんカレーだけで増えたわけではありませんが、食事の家庭回帰への動きが壱番屋に少なからず影響しているのかもしれません。

では次に、壱番屋の事業内容と近年の業績をチェックしていきましょう。

主力商品の値上げで成長がペースダウン

壱番屋の収益の多くは、カレーチェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」によるものです。昨年11月末時点で国内に1260店舗を展開しており、うち直営が146店舗、フランチャイズ(FC)が1114店舗。海外では、アジアを中心に現地子会社による直営で86店舗、FCで102店舗を展開しています。

また、少数ですがカレーの他に、あんかけスパゲティの専門店など32店舗も運営しています。

続いて近年の経営状況です。まず、新型コロナの影響が出る以前の2018年2月期から2020年2月期までの3カ年をたどってみます。

売上高は、495億円⇒502億円(前期比1.5%増)⇒515億円(2.6%増)と推移しており、増加幅も拡大傾向です。

利益面では、営業利益が47.1億円⇒44.4億円⇒52.0億円、当期純利益が31.9億円⇒27.9億円⇒32.6億円。2019年2月期の減益は、食材価格やアルバイト時給の上昇などが原因となっており、そのマイナスを翌年度に主力商品の値上げや期間限定メニューの好調などで吸収した形です。