2019年、「老後を安心して暮らすには年金収入以外に夫婦2人で約2,000万円の貯蓄が必要」という金融庁の報告が話題になりました。いわゆる『老後2,000万円問題』ですが、自分の貯蓄を見直して、「あらためて自分の老後が不安になった」という人も多かったのではないでしょうか。
2020年10月に、メットライフ生命保険(株)が公表した『「老後を変える」全国47都道府県大調査2020』によれば、全年代を通して「老後の備えに必要な金融資産と自らが想定する金額」は、3,007万円という結果になったそう。2,000万円とはいわず、できれば3,000万円は貯めておきたいと考える人が多いことがうかがえます。
目指せ「3,000万円」!日常の努力で何とかなるもの?
では、貯蓄額の目標を「老後までに3,000万円」と設定したとしましょう。今日から早速始められそうなことといえば、「自身のお金の使い方の見直し」ではないでしょうか。以下に節約のポイントをまとめてみました。
見直しポイント①:節約の仕方
まず、振り返ってみたいのが、自身の節約方法。例えば「こっちのほうが〇円安いから」という理由で、買い物のたびに、あちこちのお店をはしごする…といったことをしていませんか。また、徒歩で数分のお店に行けばすぐに手に入るものを、「ネットのほうが安いかもしれない」「〇%OFFのクーポンがあるから」と、1時間もかけて検索してしまった…なんてこともあるかもしれませんね。
でも、よくよく考えてみれば、その努力で1,000円を節約できたとしても、毎日毎日、何分もそこに費やしてしまっていたとしたら…? むしろ、その小さな金額は払ってしまって、そこに使う時間分の仕事をしたほうが、手元に残る金額は大きいかもしれません。
よく言われることですが、やはり節約効果が大きいのは、「住居費」「保険」「光熱費」「通信費」といった「固定費の節約」です。多少手続きは面倒ですが、住宅ローンの借り換え、保険の見直し、電気やガス、携帯料金のプランの見直しなどを行うことで、月々数万円も安くなったという事例はたくさんあります。
見直しポイント②:使うべきところ
次に振り返ってみたいのが、自身のお金の使いどころ。何でもかんでも、「手出しが少ないほうが節約になる」などと考えていませんか。
例えば、家電を買う時に「使いたい機能が制限されて10万円」と「使いたい機能(しかも高機能)がついて15万円」があったとしましょう。前者は確かに安く済みますが、使っていくうちに「もうちょっとこうだったらよかったのに」というストレスが積み重なることが十分に考えられます。つまり出費に対する満足度が低い。下手をすると早めに買いなおす羽目になり、トータルで見たときに余計に出費していた…ということもあるかもしれません。
使うべきところでは使い、使う必要のないところは削る、というメリハリのある使い方をしたほうが、長い目で見たときに最終的には節約になる…ということなのでしょう。