先行き不透明なコロナ禍において、将来の老後資金に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

定年退職の際に退職金が得られるケースもあるとはいえ、それだけでじゅうぶんな貯蓄額になるとも言い切れません。実際のところ、60代のみなさんの貯蓄額はどのくらいあるのでしょうか。

そこで今回は、総務省の「家計調査報告（貯蓄・負債編）2019年（令和元年）平均結果（二人以上の世帯のうち勤労者世帯）」をもとに、60代の貯蓄額をみていきましょう。

そもそも、貯蓄額とは

まずは、「貯蓄」の定義を確認しておきましょう。総務省の家計調査報告（貯蓄・負債編）の用語の解説によると、貯蓄とは、

ゆうちょ銀行，郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構，銀行及びその他の金融機関（普通銀行等）への預貯金，生命保険及び積立型損害保険の掛金（加入してからの掛金の払込総額）並びに株式，債券，投資信託，金銭信託等の有価証券（株式及び投資信託については調査時点の時価，債券及び貸付信託・金銭信託については額面）といった金融機関への貯蓄と，社内預金，勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。 なお，貯蓄は世帯全体の貯蓄であり，また，個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める。

とあります。つまり、「貯蓄額」は「預貯金以外の金融資産」も含まれているのですね。

60代の預貯金以外の金融資産はいくらか

60代の貯蓄の全体像をつかむため、貯蓄額を「預貯金」と「預貯金以外」に分けてみていきます。まずは、60代の「預貯金以外」の金融資産をチェックしてみましょう。

  • 生命保険など：459万円
  • 有価証券：301万円
  • 金融機関外：47万円

これらを合わせると、約800万円の金融資産があることがわかりました。では次に、60代の「預貯金」もみてみましょう。