株式市場の振り返り-材料不足の中、円安進行などを受けて反発。新興市場は続伸。
2016年9月29日(木)の主要指標 カッコ内は前日終値比
- 日経平均株価 16,693円(+228円、+1.4%) 反発
- TOPIX 1,343.2(+12.4、+0.9%) 反発
- 東証マザーズ総合指数 958.1(+1.5、+0.2%) 3日続伸
東証1部の出来高は17億6,092万株、売買代金は1兆8,789億円(概算)でした。原油価格上昇や円安進行を受けて、日経平均株価は一時+300円近い上昇となりましたが、商いはさほど盛り上がりませんでした。それでも前日よりは小幅増加となっています。原油・資源関連の業種が大幅上昇しましたが、相場全体を底上げするにはやや力不足だったと言えそうです。
一方、東証マザーズの出来高は7,889万株、売買代金は961億円となりました。売買高は1億株を超えた前日より大幅減となりましたが、売買代金は微増となっています。値嵩株の取引が増えたためと考えられます。東証マザーズ総合指数も小幅ながら3日続伸となり、決して悪い感じではないと思われます。
主力株は総じて上昇するも、小売株の一角に売りが優勢
個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)、オリンパス(7733)、ファナック(6954)などが上昇し、三井不動産(8801)や東京電力ホールディングス(9501)も大きく値を上げました。また、野村ホールディングス(8604)が大幅高となり、アルプス電気(6770)やヤマハ発動機(7272)も堅調に推移しました。一方、しまむら(8227)が大幅安となり、ニトリホールディングス(9843)も反落となりました。薬品株では塩野義製薬(4507)の下げが目立っています。
新興市場では、そーせいグループ(4565)やサンバイオ(4592)など医療バイオ感銘柄の下落が目立ち、アカツキ(3932)やエディア(3935)も大幅安となりました。また、注目の串カツ田中(3547)は小幅反落となっています。全体的には新興市場らしからぬ静かな値動きが多かったようです。
本日(9月30日)の注目点-週末・月末・期末が重なり、粗い値動きが起き易い地合いか
月末と週末が重なり、さらに半期末も重なる30日(金)は、株式相場の粗い値動きに注意が必要です。29日はさほど大きな商いでなかったにも拘らず、株価指数が相応に上昇したことも気掛かりな点です。加えて、目立った材料が不足しているため、短期筋が揺さ振りを掛けやすくなっています。ただ、粗い値動きとは大幅下落という意味ではなく、来週以降のイベントを睨んで、さらに指数を高める動きもあり得ましょう。
ここ数日、あまり目立った報道にはなっていませんが、チョコチョコとした業績修正発表が行われています。上期末の30日は、週末での冷却期間を狙っての“意図的な”業績修正発表が増加する可能性があります。その多くは引け後になると思われますが、取引時間中にも注意が必要でしょう。また、29日から為替相場が円安に動いていますが、注目は引き続き、決算発表が本格化する小売セクターです。10月第1週の決算発表に大きな注目が集まると予想されます。
青山 諭志