2020年11月11日に行われた、株式会社Sun Asterisk2020年12月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社Sun Asterisk 代表取締役 小林泰平 氏

MAKE AWESOME THINGS THAT MATTER

小林泰平氏:みなさま、こんにちは。Sun Asterisk代表の小林です。さっそくですが、事前に開示させていただいた資料をもとに進めさせていただきたいと思います。本日は事業概要のご説明と業績の発表、最後に成長戦略に関するトピックスという流れで進めさせていただければと思います。

すでにご存知の方もいるとは思いますが、あらためて我々の事業概要についてご説明します。我々Sun Asteriskは、「誰もが価値創造に夢中になれる世界」を目指すデジタル・クリエイティブスタジオです。産業のデジタライゼーションを通じて、社会にポジティブなアップデートを仕掛けていくことをミッションとしています。

デジタル・クリエイティブスタジオとは?

デジタル・クリエイティブスタジオですが、新規事業を立ち上げたい企業や事業成長したいスタートアップ、これからスタートアップを立ち上げたいと思っている起業家向けに、我々がテクノロジーとクリエイティブを活用してサービスの立ち上げと運用を支援させていただく事業、サービスです。

また、そのようなテクノロジー人材を育成し、企業に紹介するというサービスで構成されています。

事業概要

事業系統図ですが、クライアントはエンタープライズ企業、スタートアップ企業、起業家のみなさまが中心となっています。

クリエイティブ&エンジニアリングのサービスラインでは、100名を超えるビジネスコンサル、CTO経験者、UI/UXのスペシャリストといったスタートアップや新規事業の立ち上げに特化したチームがあります。

また、それらを開発、運用していくソフトウェアのエンジニアやプロジェクトマネジャー、UI/UXデザイナーなど、1,000人ほどのチームで構成されているサービスです。こちらはクライアントが企画する新規事業の企画と開発を、毎月稼働した単価に応じて対価をいただくビジネスモデルで行っています。

タレントプラットフォームのサービスラインでは、我々がクリエイティブ&エンジニアリングの開発現場を通して得たノウハウやナレッジを教育のカリキュラムに落とし込み、そのカリキュラムを活用してテクノロジストを育てる事業です。

育てた学生は我々が採用するだけではなく、クライアント企業にテクノロジーのコア人材としてご紹介することで成り立っているサービスとなっています。我々の主力サービスはクリエイティブ&エンジニアリングのほうで、事業全体の売上構成の80パーセントを占めています。

第3四半期にローンチしたサービスの一例①

クリエイティブ&エンジニアリングで企画、開発したサービスの事例をご紹介します。この第3四半期にローンチしたサービスはいくつかありますが、その一例で、エンタープライズ企業の事例になります。

ソフトバンクと日本通運で合弁会社を立ち上げ、物流や配車業務などのデジタライゼーションを推進するサービスになっています。

MeeTruckという合弁会社の創業事業となる「運送会社向けの配車支援サービス」の立ち上げでは、我々が企画、ブランドデザイン、サービスデザイン、プロトタイプの開発、ローンチ後の本開発の推進を担当しました。

このエンタープライズがわざわざ新しく法人を立ち上げて、スタートアップ的に新しい事業を作っていくという取り組みになりますので、非常に熱量高く、情熱を持ったクライアントと一体感のあるチームを結成し、かなりスピード感のあるサイクルを回しながら、すばらしいサービスを開発できたと思っています。

第3四半期にローンチしたサービスの一例②

スタートアップ側の事例も1つご紹介します。カスタムサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS」の事業開発をお手伝いさせていただきました。ご存知の方もいるかもしれませんが非常にユニークで、飲食店としての新しい業態を目指している企業になります。

都内18店舗にカスタムサラダ専門店を展開し、デジタルトランスフォーメーションで飲食店を再定義していくことにチャレンジしている企業です。実際に店舗に行くと体験できますが、店舗ではモバイルオーダーや完全キャッシュレスのセルフレジなどデジタルチャネルの活用も進み、飲食店の新しい形態を目指しています。

そして、「CRISP SALAD WORKS」の中で使われている飲食店のオーダーシステムやセルフレジのシステムなどをプラットフォーム化し、さまざまな飲食店に導入していくことを目指しているスタートアップになります。

こちらに関してはスタートアップの初期フェーズにおける、いわゆる技術責任者であるCTOの代理サポート、そしてビジネスの企画から開発の実装、さらにはCTOの採用サポートなども支援させていただき、まさにクリエイティブ&エンジニアリングとタレントプラットフォームのサービスを掛け合わせた事例となっています。

新しい飲食店のUXの体験は、実際の店舗に行って体験していただくとよくわかると思います。サラダも非常においしいので、ぜひ試してみてください。事業の概要は以上となります。

決算概要

2020年12月期第3四半期業績及び通期業績予想の修正について発表します。10ページは決算概要になります。売上高は前年同期比で18.5パーセントの増、各利益は前年同期比でプラス110パーセント強で、大幅な成長を実現できました。

現時点で今年7月31日に公表の通期業績予想の達成は確実な状況になりましたので、本日の取締役会で連結業績予想の修正を決議させていただきました。修正内容は次のページをご覧ください。

FY2020連結業績予想の修正

今回発表した修正後の業績予想になります。積極的な人員採用を進めることで、売上高は当初予想を上回る業績を出すことができました。また、生産性の向上により販管費が当初予想を下回る見込みとなったことで、営業利益率も上昇しています。

営業利益と経常利益、及び純利益は、前回の発表予想よりも20パーセント前後増加する見通しとなっています。

修正後の通期業績予想の進捗率

修正後の通期業績予想に対しても、十分な進捗率で推移しています。今回の修正後の通期業績予想では、売上高は18.5パーセント、営業利益、経常利益、純利益は110パーセント以上の増となっています。

売上高(四半期推移)

タレントプラットフォームとクリエイティブ&エンジニアリングのサービスラインごとの売上です。当四半期の売上高は12億7,100万円、前年同期比で18.9パーセントとなっています。

タレントプラットフォーム事業に関しては、前年同期比で38.8パーセントのマイナスです。主力のクリエイティブ&エンジニアリングは、前年同期比で50.6パーセントと業績全体を牽引しています。こちらは次のページで詳しくご説明します。

各サービスラインの状況

クリエイティブ&エンジニアリングについては、顧客数及び月額平均顧客単価が堅調に伸び、2020年第4四半期も成長見込みとなっています。人材の採用に関しても非常に順調に進んでおり、2020年第4四半期以降の受注見込みに対する先行投資としてはよい実績を挙げられていると思っています。

タレントプラットフォーム事業は、先ほどお伝えしたとおり38.8パーセントのマイナスになっています。もともと想定していた新型コロナウイルスの影響による部分もありましたが、当初予想よりも若干下回って推移しています。ただし、企業の採用意欲には回復の兆しが見られており、取引企業数は増加傾向となっています。

タレントプラットフォームがマイナスになっているにもかかわらず、主力のクリエイティブ&エンジニアリングが非常に堅調のため、マイナス部分を順調にカバーし、カバーしても余るくらいの増ということで、業績全体へ影響を与えたところがポジティブなポイントになっています。

重要KPIの推移①

重要KPIの推移です。ストック型顧客数と月額平均顧客単価ですが、前四半期並みを維持しています。SMBは3社が順調に伸びましたが、エンタープライズは残念ながら3社とも減少です。合わせて前四半期と同じぐらいの社数となっています。

第4四半期の予想も記載していますが、ずっと仕込んでいて第3四半期に開始する予定だったプロジェクトが月ズレし、第4四半期に入ってきたところがあります。第4四半期は、もともとの予想で出していた86社を目指すところに対しては、いちおう順調に進んでいるという認識です。

重要KPIの推移②

ストック型顧客数のエンタープライズですが、今回増加が1社、減少が4社となっています。

減少の4社に関しては、我々のサービスクオリティの問題というよりは新型コロナウイルスの影響などによる事業の方針転換や、クライアントのプロジェクトの延期、また事業そのものをストップするという判断があった関係で、顧客がチャーンしている状況です。

一方で、SMBは順調に増加して純増3社となっています。12月末の着地予想も84社から86社で、予測どおり推移できると考えています。

月額平均顧客単価ですが、前四半期がかなり大きく上昇していたため、その水準を維持できたところがポジティブなポイントになっています。第4四半期に関しても同じような水準で推移すると考えており、累計期間の着地予想は382万円、前期比で25.5パーセントと、ARPUも上げられる状況になっています。

貸借対照表比較

今回の利益がシンプルに計上されたことによって純資産が増加し、自己資本比率も80.4パーセントで財務基盤の安定性も向上しています。

対顧客戦略

成長戦略に関するトピックスです。前回の決算発表の時にお話ししましたが、エンタープライズ、SMBともにそれぞれの営業チャネルの強化を行いながら、顧客の獲得と単価向上を目指すことをシンプルで短期的な戦略として打ち出しています。

その中でも我々が特に注力していくところは、アライアンスによる流入と、スライドにセールスと記載している部分です。

実際は事業を作りにいくようなソリューションの営業になるため、事業コンサルタントや、そのような企業価値、事業立ち上げに特化したプロフェッショナルのチームを強化していきます。こちらの2つの施策に対して、この第3四半期でも打ち手を出してきました。

サイバー・セキュリティの推進

1つはレッドチーム・テクノロジーズとの提携によるサイバーセキュリティーサービスです。クラウドソース・ペネトレーションテストサービスと記載していますが、サイバーセキュリティーを推進していくためのサービスの提供を開始しました。

「Synack」というプロダクト自体はアメリカのスタートアップですが、アメリカの国防総省が認めるサイバーセキュリティのプロダクトとなっています。

その「Synack」というプロダクトの後ろにいるレッドチームと呼ばれる1,500人規模のサイバーセキュリティーに特化したホワイトハッカーたちが、実際に運用されているサービスに脆弱性がないかをとにかくひたすらハックしていき、叩きまくります。

そして脆弱性を検出したら、それを直してセキュリティーを強化していく形態のサービスです。

このようなエキスパートたちによる高度なセキュリティサービスを提供していくことで、我々が実際に支援しているサービスだけではなく、テクノロジーを活用した今たくさんあるサービスの品質向上、セキュリティ向上を目指していきたいと考えています。

エンタープライズ向けの体制強化

エンタープライズ企業向けの体制強化です。2021年1月に大企業の新規事業創出をクリエイティブとビジネスの面で支援する、デザインコンサルティングファームを子会社として設立することを決議しました。

我々のクリエイティブ&エンジニアリングのサービスラインのチームの中にも、このようなデザインやコンサルティングを行うチームは存在していますが、採用によって単純にどんどん強化していくだけではなく、あえてこのブティック型と言いますか、ここだけに特化したチームを作っていきます。

特化したビークルを作っていくことで、採用に関しても営業に関しても、より間口を増やして新しい窓口からの顧客の流入を目指す施策になっています。

詳細はプレスリリースを出していますので、そちらをご覧いただければと思います。実際に、このような大企業向けの新規事業創出の経験が豊富にあるチームが中心となって、こちらの子会社を立ち上げるかたちになっています。

本社移転及び両国スタジオ開設の狙い

最後に、本社移転と両国スタジオの開設を発表させていただきました。事業拡大に伴う従業員の増加を見据え、2020年12月より本社移転及び両国スタジオを開設します。

これによってグループ全体の床面積は増加しますが、家賃に関しては本社をなくすこともあって多少減る予定になっています。このコロナ禍において我々も働き方をあらためて見つめ直し、オンライン、オフラインを組み合わせた最適な働き方をさまざまな施策をもとに模索してきました。

仕事そのもの、作業そのものはもともとクラウド型のサービスをよく活用して開発などを進めていましたので、作業や業務に対しての影響は特にありませんでした。

しかし、コミュニケーションの促進や信頼関係の構築、価値観や目標の共有、知的生産性の向上が図れるようなものは、オフラインに勝る施策がオンラインのツールだけではなかなかカバーできなかったと思っています。

こちらは実際にリモートワークを行っている社員の意見や、試してきたさまざまな施策に対するフィードバックなどをもとに経営陣で判断しました。大きく広いスペースをとって、かつ換気機能の強いコミュニティスペースを作っていくことで、オフィスを必要な時に集まることができる場所にしています。

出社して仕事する場所というよりは、よりコミュニケーションを促進していくためのスペースとして導入するということで、本社でワークスペースになっていたものをなくして、こちらのスタジオを開設することを決議しました。

ビジョン

ここまで事業概要と業績の発表、その他成長戦略に関するトピックスを流させていただきました。引き続き、我々は「誰もが価値創造に夢中になれる世界」を目指して活動していきたいと思っていますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

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