株式市場の振り返り-材料不足の中、配当落ち分を考慮すれば小幅下落
2016年9月28日(水)の主要指標 カッコ内は前日終値比
- 日経平均株価 16,465円(▲218円、▲1.3%) 反落
- TOPIX 1,330.7(▲18.4、▲1.4%) 反落
- 東証マザーズ総合指数 956.6(+11.4、+1.2%) 続伸
東証1部の出来高は16億4,382万株、売買代金は1兆8,211億円(概算)でした。材料不足の中、企業業績への注目度は高まったものの、様子見スタンスを打破するには至りませんでした。ただ、商いは前日より減少しましたが、極端な薄商いではありません。なお、日経平均株価の配当落ち分(約▲110円)を考慮すると、株価指数の下落は小幅に止まったと言えそうです。一方、東証マザーズの出来高は10,385万株、売買代金は995億円となる久々の活況となりました。なお、売買高が1億株超となったのは6月24日の英国EU離脱ショック時以来、約3ヶ月ぶりです。また、売買代金も高水準でした。
金融セクターが総崩れ、決算発表後のニトリHDは大幅上昇に
個別銘柄では、主力株が総じて下落となった中、ファナック(6954)、日本電産(6594)、ブリヂストン(5108)などの上昇が目を引きました。決算発表後の株価動向が注目されたニトリホールディングス(9843)は大きく値を上げています。また、東芝(6502)が年初来高値を更新する大幅上昇となりました。一方、三井住友フィナンシャルグループ(8316)や野村ホールディングス(8604)などの金融株が総崩れとなり、トヨタ自動車(7203)やいすゞ自動車(7202)など自動車株の下げも厳しくなりました。また、コマツ(6301)が3日続落となり、オリンパス(7733)も大きく値を下げています。
新興市場では、そーせいグループ(4565)やCYBERDYNE(7779)など時価総額の大きい銘柄が堅調な値動きとなり、前日に急落したアキュセラ(4589)も反発しました。また、串カツ田中(3547)も小幅続伸となり、Gunosy(6047)は大きく値を上げて引けています。
本日(9月29日)の注目点-材料不足の相場は継続、新興市場に本格的な動きが出るか
その日その日で動きはあるものの、日経平均株価は16,500円を挟んだ狭いレンジで推移しているようであり、いわゆるボックス圏相場と言えます。ボックス圏相場の場合、何かのタイミングによって、そのボックスを抜け出して大きく動き出すパターンが多く見られます。この先、上に振れるのか、下に振れるのか、見極めが重要ですが、市場関係者も判断できないのが実情ではないでしょうか。
29日(木)も材料不足の相場となりそうですが、企業の業績関連ニュースは着実に増え始めています。来週からの本格的な決算発表(2月期、8月期)に備え、先ずは小売セクターの出遅れ銘柄、売られ過ぎ銘柄に注目です。また、決算前に過度に上昇している銘柄にも要注意です。来週からは重要な予定(雇用統計、国内外の企業決算など)も増え始め、再びイベント・ドリブンな株価の動きが予想されます。29日は「休むも相場」を実行してもいいのではないでしょうか。
一方、新興株式市場は、東証マザーズの出来高が久々に1億株超となるなど、動きが出始めた兆候があります。これが単なる兆候で終わるのか、それとも、本格的な資金流入になるのか予断を許しませんが、IPO銘柄の値動きには注目すべきと考えられます。
青山 諭志