近年、日本におけるSNS利用者数は右肩上がりで増加しています。ICT総研の調査では2020年末時点で、80%の方がSNSを利用していることも明らかになりました。同時にSNS利用においては、様々なトラブルが続出しています。今回の記事では、実際にあったSNSのトラブルとその対処方法について解説いたします。

「日本におけるSNS利用者数」(出典:ICT総研)

質問①:会社のインスタを乗っ取られた!

会社名義で運営していたインスタのアカウントが、何者かに乗っ取られデータを削除されてしまいました。アカウントは数十万人のフォロワーがいたため、会社の大きな資産といっても過言ではありません。犯人を特定して何らかの方法で損害賠償請求など行いたいのですが、どうすればいいのでしょうか?

齋藤弁護士の回答①:会社のアカウントならではのリスクも視野に

不法行為責任を追求できるでしょう。ただ、他人のアカウントを乗っ取るような行為の問題性というより、削除された後どんな発信をしたのかの方が重要です。とりわけ企業アカウントですと、レピュテーションリスクが大きいので、ひとつひとつどんな発信をされたかによって、追求できる範囲が変わってきます。

質問②:犯人が見つからない場合の対処法

犯人が見つからない時はどうすればいいのでしょうか?

齋藤弁護士の回答②:紹介手続も可能

連絡先などの何かしらきっかけを探り、そこから照会手続をとることが可能です。

質問③:乗っ取りを防ぐ方法とは

インスタアカウント乗っ取りはよくあるのでしょうか?乗っ取られないためにはどんなことに気をつければいいのでしょうか?

齋藤弁護士の回答③:同じパスワードを使いまわさない工夫も

一度損害賠償請求の相談を受けたことがあるのは、個人のアカウントが乗っ取られ、芸能人の目撃情報などの根も葉もない情報を拡散されてしまったケースです。

その方は何で自分が狙われたか分からないとのことでしたが、パスワードが他のモバイルと同じだったそうで、それが原因だろうとのことでした。基本的な話かもしれませんが、パスワードはやはり大切なのかもしれませんね。

参考

「2020年度 SNS利用動向に関する調査」ICT総研調べ

齋藤 健博