米国の大統領選挙が本格化してきました。民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補の第1回のテレビ討論会が終わりましたが、結果はどちらが圧倒的という評もなく、今後の討論会の内容に引き続き注目する必要がありそうです。27日の米国の株式市場も大きな波乱はなく、現時点で大きな材料視はされていません。
さて、今年も残すところ3か月となりました。10月の後半からは再び企業決算発表が始まります。今回は個人投資家向け金融経済メディアLongineで電機セクターを担当する和泉美治アナリストに、投信1編集部が今後の注目ポイントや注目銘柄を伺いました。
――上期の決算発表の注目ポイントについて教えてください。
和泉美治アナリスト(以下、和泉):今から約2か月前に発表された2017年3月期の第1四半期(4-6月期)決算では、「円高に振れている為替レートや熊本震災の影響などを除くと実態ベースでは堅調」というコメントをする企業が電機セクターには多かったです。為替レートの水準は収益に影響を与えるのでもちろん重要なのですが、グローバルでのファンダメンタルズが堅調かどうかが最大の関心事です。
――為替レートの影響についてはどのように見ているのでしょうか。
和泉:為替レートの見直しにより、下方修正を行う企業が多いと考えます。短期的には決算発表というイベントにおいて株価に影響が出る銘柄も出てくるでしょう。
――為替影響以外には今回の決算発表でどのような点に注目していますか。
和泉:スマホ関連市場が回復に向かいつつあること、震災影響で部品調達の影響を受けたデジカメなどの生産が今後徐々に改善していくと見られること、また、設備投資関連については老朽化対策の根強い需要があると見ています。まずは、こうした見方が正しいかどうかのチェックをしたいと思います。これらが確認できれば、株価に対しては過度に警戒感を持つ必要はないと考えます。
――米国大統領選に関してはどのような見方をしていますか。
和泉:クリントン氏が勝利すれば、その政策面からシャープ(6753)など国内でも再生エネルギー関連銘柄が見直される可能性があるのではと考えています。
――発電関連だけではなく、ノーベル賞候補にリチウムイオン電池関係者も名前が挙がっている(注)ので、蓄電関係も注目されるでしょうか。
和泉:太陽光発電とリチウムイオン電池などの蓄電は、組み合わせとして捉えるとそういう考え方もできますね。米国ではテスラとソーラーシティの統合などの話もありますから。
編集部注:以下の記事もご参照ください。
>>今年のノーベル賞も日本人が有力候補に:リチウムイオン電池かオプジーボか?
――米大統領選以外にはどのような点に関心がありますか。
和泉:1バレル40~50ドルの原油価格が継続するのであれば、プラント関連銘柄の見直し買いにつながる可能性はあります。また、これから本格化してくる年末商戦では、ソニー(6758)の高画質4Kテレビの販売動向やゲーム関連が注目されるでしょう。PSVRは、台数面では生産律速により上振れは期待していませんが、実売後の評判がどのようなものになるか注目していきたいですね。
――和泉さんのコメントは今後はどのようにして入手することができるのでしょうか。
和泉:Longineには無料ニュースレターもあります。Longineで記事が公開されると1日に1回メルマガが配信されます。ご興味ある方は以下のリンクからご登録ください。
――本日はありがとうございました。
LIMO編集部