なぜ資産運用は時間がかかるのか
さて資産運用は中長期的なものだと前項でお伝えしました。なぜ時間をかける必要があるのか、ここからは資産運用を成功させるのに必要な知識をご紹介します。
大切なことは「複利」「時間」「投資先」「積立」です。それぞれ解説していきます。
「複利」というワードを聞いたことがあるでしょうか。ご存知の方も多いと思いますが、改めて確認してみましょう。
複利とは預けた元本と運用の結果増えた利息分を引き出さずに利子も含めて運用し、利益を増やしていく方式です。この逆にあたるのが単利で、元本にのみ利息がついていく方式ですので、増え方は一定となります。
数字でたとえてみましょう。100万円を持っていたとして、複利と単利、同じ条件で運用します。ある一定の年数が経ったときにお金の増え方がどのように変化しているか確認してみましょう。
年率3%で24年間運用した場合
- 複利:200万円
- 単利:172万円
このように時間をかければかけるほどお金の増え方は尻上がりになるのが複利です。
複利の効果を最大限享受しようと思うときには、「時間」をかけて運用することがポイントになります。
この「時間」をかけることが資産運用を成功させるコツとなることがお分かりいただけたと思います。
「時間」は皆さんの固有の資産です。今大きなお金を持っていないから資産運用出来ないと思われている方も多いと思いますが、皆さんにはそれよりも大切な「時間」という売買出来ない資産があるのですから、使わない手はありません。
そして「投資先」という、何を選んで投資するかが重要になります。
投資先は人間と同じように様々な個性を持っています。長期的にお金を運用して、大きな利益となる可能性が高いものもあれば、長期的に運用してもまったく増えていなかったというものが混在しています。
せっかく「時間」をかけて運用しても、「投資先」を誤ると時間が無駄になってしまいます。
もちろん運用にはリスクがあり、必ず利益が出ると確約は出来ませんが、出来れば中長期的に見て今後も成長するような投資先を選ぶことがポイントです。
最後は「積立」です。投資と聞くと大きなお金を一気に運用すると思われる方も多いのですが、運用を始めるタイミングで利益が大きく出るとは限りません。今回のコロナショックのようなことが重なれば資産は大きく減って、最悪無くなってしまう可能性もあります。
ではいつ買おうかとタイミングを伺っていても、買うタイミングはプロでも分からないと言われており、永遠に買うタイミングは訪れません。
このタイミングを選ばず、また資産を大きく目減りさせない買い方が「積立」となり、毎月決まった金額をコツコツと時間をかけて積み重ねていくことで、リスクを軽減させながら確実に利益を出せることに繋がります。