2020年11月11日に行われた、みずほリース株式会社2021年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:みずほリース株式会社 代表取締役社長 津原周作 氏
2020年度第2四半期の総括
津原周作氏:代表取締役社長の津原でございます。あらためまして、お忙しい中、弊社の2021年3月期第2四半期の決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。このコロナの感染予防という観点もあって、このテレカンファレンスというかたちになりますことをぜひご理解いただきたいと思います。弊社に対するご理解を深めていただく一助になればと考えております。よろしくお願いします。
それでは、お手元の決算説明会資料に沿ってご説明をさせていただきます。左下のページ、3ページをお開きください。はじめに、2020年度上期の総括からご説明をさせていただきます。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた厳しい事業環境の中ではありましたが、お客さまのニーズをタイムリーに捉えた営業活動を展開し、差引利益は前年並みを維持し284億円となりました。
営業利益は112億円と、前年同期比でマイナス11パーセント減少していますが、これはむしろ前期に信用コストの戻入益が発生したということです。一方、今期は小口の引当が発生したことによるものです。
経常利益における営業外収益での持分法による投資利益の増加や、親会社株主に帰属する四半期純利益において特別利益で投資有価証券売却益を計上したこともあり、130億円を計上し、通期予想に対して順調に進捗しております。
決算概要
4ページに移ります。次に決算の内容について詳しくご説明をいたします。売上高は不動産ブリッジ案件の満了に伴う物件の売却売上が前期に重なったことにより、前年同期比で減少いたしました。
差引利益についてはリース収益で増加いたしましたが、フィー収益などが減少したことにより、前年並みで推移いたしました。資金原価は外貨調達金利が低下したことにより減少しました。信用コストは、先ほどご説明したとおり、前期は戻入益が発生した一方で、今期は小口の引当が発生しましたが、低水準で推移しております。
経常利益は昨年度来、取り組んでまいりましたリコーリース、エアキャッスル、PLMなどの持分法収益により増加いたしました。純利益は投資有価証券売却益の計上もあり、前年同期比で増加しております。
差引利益率は前年同期比で減少していますが、これはフィー収益などの減少と第2四半期末で営業資産の残高が約900億円増加したことによるものです。なお、フローの利回りは前年度対比で上昇しています。
事業の状況
5ページに移らせていただきます。次に、事業の状況についてご説明をいたします。契約実行高は、リース・割賦セグメントでは情報通信機器、不動産が牽引し、新型コロナウイルスの影響による他機種での減少を打ち返して、前年同期比で約200億円増加いたしました。
ファイナンスセグメントでは、契約期間が短期の商流ファイナンスが増加したことから約400億円増加し、全体では前年同期比で10パーセント増加の約600億円の増加となりました。
営業資産残高は、契約実行高の増加に伴い、リース・割賦、ファイナンスの両セグメントとも伸長し、全体では約1,900億円増加いたしました。
契約実行高/リース・割賦セグメント
6ページに移らせていただきます。契約実行高のリース・割賦セグメントについてご説明をいたします。新型コロナウイルスの影響を受け、設備投資の抑制や後ズレ、後ろズレなどの影響が出ており、輸送用機器や医療機器では資料記載のとおり、外部環境に鑑み、一部の取り組みを意図的に抑制しており、その結果が数字に反映されているといえます。
厳しい事業環境の中ではありましたが、お客さまのニーズを捉えた営業活動の展開により、情報通信機器は通信事業者の設備投資ニーズやインターネット事業者の資金ニーズを捉えたリースバック案件などの実行により、前年同期比で約500億円と大きく増加しました。
また、不動産は企業の不動産戦略を捉えた工場や建設施設のブリッジ案件など、引き続きブリッジ案件が伸長したことから、前年同期比で約200億円の増加となりました。なお、産業・工作機械は前年同期に大口案件の実行があったため、前年同期比では減少していますが、2018年度並みという水準だと思っております。
全体では業界平均が前年同期比マイナス20パーセントの減少となっている中、当社は約6パーセントの増加となりました。
契約実行高/ファイナンスセグメント
7ページに移らせていただきます。ファイナンスセグメントの契約実行高は商流ファイナンス・融資等で、契約期間が短期の商流ファイナンスが増加したことを主因に伸長し、前年同期比で13パーセントの増加となりました。
資金調達等の状況
8ページに移らせていただきます。次に、資金調達などの状況についてご説明をいたします。有利子負債残高は営業資産の増加に伴って、前年度末比で増加しております。これは機動的な資金調達手段の拡充のため、9月に連結でCP発行限度額を7,000億円から8,000億円に拡大いたしました。
また、上期には5年債で150億円、10月には5年債と10年債合わせて280億円の社債を発行するなど、積極的に市場調達を活用しております。資金原価については、負債の残高は増加いたしましたが、外貨調達金利の低下により減少し、資金原価率についても同様に低下いたしました。
第6次中期経営計画(2019~2023年度)の概要
次に、第6次中期経営計画について話を進めさせていただきます。10ページに進ませていただきます。次に、第6次中期経営計画の概要についてご説明をいたします。
第6次中期経営計画では、お客さまと共同での事業推進と、社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野への取り組みを加速するとともに、みずほフィナンシャルグループや丸紅グループなどの戦略的ビジネスパートナーとの連携・協業による事業基盤の拡充と、新たな事業領域への進出に挑戦をしています。
第6次中期経営計画(2019~2023年度)の最終年度の連結数値目標
11ページです。第6次中期経営計画の最終年度数値目標に対する進捗状況について、ご説明いたします。親会社株主に帰属する当期純利益の目標については、この上期の実績は130億円と通期計画180億円に対して順調に進捗しております。引き続き、第6次中計戦略の推進により、最終年度目標300億円の目標達成を目指してまいります。
また、グルーバル分野の残高目標については、2020年9月末の残高は2,445億円と着実に増加をしております。
配当性向については、今年度の配当性向は期初予想から変更はなく、22.6パーセントを予定しております。こちらについては、のちほどあらためてご説明をさせていただきます。
第6次中期経営計画の2020年度上期総括
12ページにお移りください。次に、第6次中期経営計画の2020年度上期の総括についてご説明をいたします。2020年度上期の経営環境は、新型コロナウイルスの影響もあって厳しいものとなりましたが、お客さまに寄り添った営業活動を展開いたしました。
みずほとの連携・協業についても、引き続き強化に取り組んでおり、契約実績は着実に増加をしております。のちほどご説明をいたしますが、各注力分野では、不動産分野を中心に残高が増加をいたしました。一方、航空機分野の取り組みは抑制をするなど、コロナ禍の影響を見極めて対応を進めています。
リコーリースとの業務提携については、今後の展開の協議を進めております。実績の早期発現と最大化を目指してまいります。こちらについては、次のページで詳しくご説明をいたします。
(株)リコー及びリコーリース(株)との業務提携
13ページにお移りください。ご案内のとおり、当社は2020年4月にリコーリース株式の20パーセントを取得し、リコー並びにリコーリースとの業務提携を開始いたしました。両社の強みを生かした既存事業の強化、及び新たな事業機会の創出を目指して協議を重ね、今後は資料に記載の5つの施策を中心に連携を進めてまいります。今後の展開の欄の5つの施策ということです。
リコーリースのベンダーファイナンスのノウハウを活用したビジネス推進では、同社のノウハウを活用し、当社のお取引先であるメーカーなどのお客さまと連携したサービスビジネスの展開が加速してまいります。
また、リコーリースが保有する顧客接点の仕組みやシステム活用を推進することで、サービスの品質の向上や業務生産性の向上を目指します。個別の協調や紹介案件の組成推進では、すでに複数件の実績があり、その他にも両社それぞれが強みを持つ商品の相互活用や、医療・環境分野など新たな価値創造に向けて中期的な協業分野の検討を進めております。
注力分野の状況:不動産
14ページにお進みください。次に、各注力分野の状況についてご説明をいたします。まず、不動産分野では、残高は前年度末比約700億円増加しており、このうち530億円がブリッジで増加いたしました。
ヘルスケア研究施設や大型底地など多様なアセットタイプの物件を取り扱うことで収益機会を拡大しており、お客さまの不動産戦略を捉えた取り組みや社会的ニーズの高い物流施設などを中心に増加しております。
また、土地・建物リースは東京・大阪・名古屋の大都市圏の物件を対象に、スーパーやドラッグストアなどの商業施設のリースを中心に取り組んでおります。この分野では、引き続きREIT向けのブリッジ案件を中心に物件を選別しながら対応してまいりたいと考えております。
注力分野の状況:環境・エネルギー
15ページにお進みください。次に、環境・エネルギー分野について、ご説明をいたします。この分野では、主に再生可能エネルギー分野での取り組みと補助金申請代行やメーカー・エンジニアリング会社との連携などによる省エネソリューションの提供を中心に取り組んでおります。
この上期はバイオマス発電所のエクイティ投資、風力発電所の劣後ローン、大型太陽光発電所のリースなど、再エネ分野への取り組みにより残高は前年度末比で増加をいたしました。
また、水素ステーションのリースなど次世代エネルギーに関わる取り組みや、災害時に避難所となる施設への空調設備導入を補助金を活用してお手伝いするなど、地域に貢献する取り組みも実施しているところです。
注力分野:医療・ヘルスケア
16ページにお進みください。次に、医療・ヘルスケア分野についてご説明いたします。足元の経済環境を鑑み、中国での取り組みを抑制したことや医療機関が設備投資抑制傾向にあることから、残高は前年度末比で減少しています。
ですが、医療・介護機器メーカーなどと連携したサービスビジネスなどの展開により、左のグラフの緑色のパートナーと連携したビジネスの残高は増加しております。この分野は社会的な取り組み意義が大変高い分野だと考えています。
先日、当社ホームページにも掲載させていただいておりますが、PCR検査装置を製造しているプレシジョン・システム・サイエンスさまと同検査装置の販売に関わるメンテナンスリースを用いたファイナンスパートナーシップの基本合意書を締結しております。この検査装置はヨーロッパを中心にすでに導入実績があり、今後同社と連携して国内医療施設などへの普及に努めてまいります。
注力分野の状況:グローバル
17ページです。次に、グローバル分野についてご説明いたします。コロナの影響を受けて世界的に経済活動が制限される中、当社の現地法人も影響を受けております。ですが、丸紅との共同運営会社であるみずほ丸紅リースでチリ第3位の上下水道事業会社であるAguas Nuevas社への事業投資を実行したことなどにより、クロスボーダーなどの残高が増加し、全体では約100億円増加いたしました。
左のグラフに赤い点線で記載させていただいておりますのは、丸紅連携の残高です。堅調に増加しており、引き続き、中計最終年度の目標達成に向けて邁進してまいります。
注力分野の状況:航空機
18ページです。次に、航空機分野についてご説明いたします。この分野は市場環境を鑑み、取り組みを抑制しているため残高は減少しております。当社が保有するオペレーティングリースの機体は11機ですが、ナローボディが100パーセントであり、平均の機齢は5.3年と相応の流動性を有していると考えています。
また、機体担保ローンのLTVは60パーセントであり、保守的な運用を行っております。足元は、新型コロナウイルスの影響を受け慎重に対応しているものの、今後については中長期的な回復が見込まれる航空機市場において市場反転のタイミングを的確に捉え、航空機のオペレーティングリース、機体担保ローン、JOLCO・JOLの組成・販売を軸に展開していきたいと考えています。
業績予想及び配当
次に、業績予想及び配当についての記載について進めさせていただきます。20ページをお開きください。この業績予想及び配当について、ご説明をいたします。
各段階利益は通期予想に対して順調に進捗をしておりますが、先行きのコロナの影響はまだまだ不透明感が残っており、引き続き注視していく必要があると考えております。
このような状況をふまえて、中間配当金は期初予想のとおり40円の配当とさせていただきます。期末配当金を予想どおり44円とした場合の年間配当金は84円、配当性向は22.6パーセントとなります。私からの説明は以上でございます。