最新平均年収でみる、生涯年収

では、最新のデータで生涯年収をみてみましょう。ここでも業種別でみてみます。

業種分類(平均生涯年収)

1位:総合商社(2億7,179円)
2位:金融(2億5,561万円)
3位:IT/通信(2億5,391万円)
4位:メーカー(2億4,553万円)
5位:メディカル(2億3,703万円)
6位:専門商社(2億2,272万円)
7位:インターネット/広告/メディア(2億1,728万円)
8位:建設/プラント/不動産(2億1,299万円)
9位:小売/外食(1億8,729万円)
10位:サービス(1億8,691万円)

10の業種を平均生涯年収順に並べています。もっとも高かったのは「総合商社」です。性別でみると、男性は3億13万円と3億円以上です。女性は1億8,559万円となっています。ちなみに2位の「金融」でも男性は3億840万円と3億円以上です。女性は1億8,182万円となっています。

唯一、女性の生涯年収が2億円以上となったのは「IT/通信」で、2億869万円となりました。「小売/外食」「サービス」はもともと生涯年収は低めでしたが、コロナ禍の影響が大きい業種でもあります。2億円に達していません。

コロナ禍の影響は年収に表れず

全体の平均年収でいえば、コロナ禍の影響が大きいとはいえない平均年収となりました。ただ詳細をみていくと、コロナ禍の影響は年代や業種間で大きな差があると感じます。年収が上がった年代、業種がある一方で、下がった年代、業種があります。そもそも厚生労働省の「令和元年 賃金構造基本統計調査」によると、平均賃金がもっとも低いのは「宿泊業,飲食サービス業」(206万円)です。コロナ禍で業種間の格差が拡大してしまっている可能性はあります。

またコロナ禍の影響は数字に表れないところにもありました。新しい生活様式は、テレワーク導入など働き方を変えました。いま、COVID-19新規感染者数は増加傾向にあります。新しい生活様式を定着させながら、新たな施策・支援が必要な業種があるといえるでしょう。

参考

「2020年平均年収ランキング」転職サービスdoda

調査概要

【対象者】2019年9月~2020年8月末までの間に、dodaエージェントサービスにご登録いただいた20~65歳の男女
【雇用形態】正社員
【有効回答数】約40万件
※平均年収:手取りではなく支給額
※順位算出:平均年収(万円)の小数点単位で順位づけ
※生涯賃金の算出方法:20代(22歳~)、30代、40代、50代以上(~65歳)における平均年収を年数分掛けて、合計した金額(退職金は含まない)

「令和元年 賃金構造基本統計調査」厚生労働省

尾藤 ちよ子