核家族化が進むこんにち。子どもと一緒に、もしくは近くに住みたいと考えているシニア世代は、どのくらいいるのでしょうか。

内閣府が公表した、平成30年(2018年)度「高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」より、その本音をひもといていきます。

子どもと同居や近居の意向がある人は、どのくらいいるの?

では、さいしょに、調査対象となった60歳以上の男女全体についてみていきます。

全体(N=1,687)

  • 同居したい・・・34.8%
  • 同居ではなく近居したい・・・29.0%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・9.6%
  • 同居も近居もしたくない・・・18.9%
  • わからない・・・7.7%

同居もしくは近居したい(計)・・・73.4%

子供と「同居したい」は 34.8%、「同居ではなく近居したい」(29.0%)「同居か近居のどちらかをしたい」(9.6%)と合わせると、計 73.4%が子供と同居か近居をしたいと考えていることが分かります。

では、年齢ゾーン別にみた、さらに詳しくみていきましょう。

年齢ゾーン別にみた「子どもと同居・近居」したい人の割合

〈男女計〉

60~64歳(n=241)

  • 同居したい・・・21.2%
  • 同居ではなく近居したい・・・36.9%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・14.1%
  • 同居も近居もしたくない・・・21.2%
  • わからない・・・6.6%

同居もしくは近居したい(計)・・・72.2%

65~69歳(n=399)

  • 同居したい・・・31.3%
  • 同居ではなく近居したい・・・32.1%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・11.0%
  • 同居も近居もしたくない・・・19.0%
  • わからない・・・6.5%

同居もしくは近居したい(計)・・・74.4%

70~74歳(n=371)

  • 同居したい・・・32.6%
  • 同居ではなく近居したい・・・28.0%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・10.0%
  • 同居も近居もしたくない・・・22.4%
  • わからない・・・7.0%

同居もしくは近居したい(計)・・・70.6%

75~79歳(n=34)

  • 同居したい・・・36.6%
  • 同居ではなく近居したい・・・27.9%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・7.6%
  • 同居も近居もしたくない・・・18.9%
  • わからない・・・9.0%

同居もしくは近居したい(計)・・・72.1%

上記のデータを、性別ごとに深掘りしていくと、女性は「同居したい」が 37.9%で男性(31.2%)を上回る結果となっています。さらに、性・年齢別にみると、女性は年齢が上がるほど、「同居ではなく近居したい」が低くなり、「同居したい」が高くなる傾向にあります。60 代女性では「同居ではなく近居したい」が最多となっていますが、70代以降は「同居したい」の方が上回る結果となりました。

また、男性は、65歳以降で「同居したい」の方が多く、男女とも80歳以上では「同居したい」が約5割(男性 48.6%、女性 50.0%)を占める、という結果になりました。

では、次では、性別・婚姻状態別にみていきましょう。

性別・婚姻状態別でみた「子どもと同居・近居」したい人の割合

男性既婚・配偶者あり(n=679)

  • 同居したい・・・30.9%
  • 同居ではなく近居したい・・・29.2%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・11.3%
  • 同居も近居もしたくない・・・20.9%
  • わからない・・・7.7%

同居もしくは近居したい(計)・・・71.4%

男性既婚・配偶者と死別(n=67)

  • 同居したい・・・35.8%
  • 同居ではなく近居したい・・・17.9%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・13.4%
  • 同居も近居もしたくない・・・16.4%
  • わからない・・・16.4%

同居もしくは近居したい(計)・・・67.2%

男性既婚(配偶者と離別)(n=29)

  • 同居したい・・・27.6%
  • 同居ではなく近居したい・・・13.8%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・3.4%
  • 同居も近居もしたくない・・・48.3%
  • わからない・・・6.9%

同居もしくは近居したい(計)・・・44.8%

女性既婚(配偶者あり)(n=585)

  • 同居したい・・・31.1%
  • 同居ではなく近居したい・・・36.8%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・9.2%
  • 同居も近居もしたくない・・・16.8%
  • わからない・・・6.2%

同居もしくは近居したい(計)・・・77.1%

女性既婚(配偶者と死別)(n=268)

  • 同居したい・・・53.4%
  • 同居ではなく近居したい・・・16.0%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・6.3%
  • 同居も近居もしたくない・・・13.8%
  • わからない・・・10.4%

同居もしくは近居したい(計)・・・75.7%

女性既婚(配偶者と離別)(n=54)

  • 同居したい・・・35.2%
  • 同居ではなく近居したい・・・25.9%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・7.4%
  • 同居も近居もしたくない・・・29.6%
  • わからない・・・1.9%

同居もしくは近居したい(計)・・・68.5%

次では、健康状態や、居住地域ごとにみていきます。

健康状態別にみた「子どもと同居・近居」したい人の割合

良い(計)(n=914)

  • 同居したい・・・32.9%
  • 同居ではなく近居したい・・・29.3%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・10.4%
  • 同居も近居もしたくない・・・20.4%
  • わからない・・・7.0%

同居もしくは近居したい(計)・・・72.6%

良くない(計(n=264)

  • 同居したい・・・38.6%
  • 同居ではなく近居したい・・・27.3%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・9.1%
  • 同居も近居もしたくない・・・17.0%
  • わからない・・・8.0%

同居もしくは近居したい(計)・・・75.0%

さいごに、地域ごとにみていきます。

地域ごとにみた「子どもと同居・近居」したい人の割合

北海道・東北(n=221)

  • 同居したい・・・41.2%
  • 同居ではなく近居したい・・・30.8%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・9.0%
  • 同居も近居もしたくない・・・15.8%
  • わからない・・・3.2%

同居もしくは近居したい(計)・・・81.0%

関東(n=471)

  • 同居したい・・・34.2%
  • 同居ではなく近居したい・・・29.1%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・7.4%
  • 同居も近居もしたくない・・・21.2%
  • わからない・・・8.1%

同居もしくは近居したい(計)・・・70.7%

中部(n=346)

  • 同居したい・・・41.0%
  • 同居ではなく近居したい・・・25.4%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・9.2%
  • 同居も近居もしたくない・・・16.8%
  • わからない・・・7.5%

同居もしくは近居したい(計)・・・75.7%

近畿(n=239)

  • 同居したい・・・28.5%
  • 同居ではなく近居したい・・・32.2%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・9.2%
  • 同居も近居もしたくない・・・22.6%
  • わからない・・・7.5%

同居もしくは近居したい(計)・・・69.9%

中国・四国(n=175)

  • 同居したい・・・36.0%
  • 同居ではなく近居したい・・・25.1%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・12.6%
  • 同居も近居もしたくない・・・13.7%
  • わからない・・・12.6%

同居もしくは近居したい(計)・・・73.7%

九州(n=235)

  • 同居したい・・・26.4%
  • 同居ではなく近居したい・・・31.9%
  • 同居か近居のどちらかをしたい・・・13.2%
  • 同居も近居もしたくない・・・20.4%
  • わからない・・・8.1%

同居もしくは近居したい(計)・・・71.5%

さいごに

今回は、60歳以上の「子と同居、もしくは近居」を希望する人がどのくらいいるのか、についてみていきました。

2020年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、幅広い年齢層で、暮らし向きに顕著な変化があったという家庭は少なくないでしょう。年末年始を控えた今、感染拡大対策のための帰省を控える動きが、再びメディアで大きく取り上げられています。

同調査では、「同居または近居をする場合のメリット」についての質問もあります。その回答として、

  • ちょっとした手助けが必要な場合に安心して過ごせる・・・81.3%
  • 自立した生活ができなくなった場合に世話をしてもらえる・・・51.0%
  • 子や孫の世話ができる・・・22.3%
  • 家賃や光熱費等を節約できる・・・9.9%
  • 経済的な援助を得られる・・・9.7
  • 子や孫の経済的な援助ができる・・・8.6%

といった事項が上位に挙げられています。

少子高齢化の進行、そして一向に収束の兆しが見えないコロナ禍。親・子の世代が近くに住みながら互いに協力し合えることは、大きなメリットともいえるでしょう。

なお、今回ご紹介したデータは、2018年に実施された意識調査の結果です。こうした視点から、世代間の「同居・近居」への意識が、どのように変化していくかは、今後注視していくべき部分かもしれません。

【参考】
平成30年度「高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」内閣府

池上 翠