暗く不安なニュースが多い2020年ですが、その中でまさに”飛ぶ鳥を落とす勢い”の社会現象を巻き起こしている「鬼滅の刃」。先日、最終巻となる23巻が発売された際は、書店前にできた行列や、その新聞広告を全種類手に入れようとする人たちのことがニュースで大きく取り上げられていました。
また、10月16日に公開された『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の興行収入は12月6日(日)までで288億円に達し(東宝/アニプレックス発表)、歴代ランキング2位に(興行通信社調べ)。300億円の大台が射程圏内に入っただけではなく、不可能と思われていた歴代1位の「千と千尋の神隠し」(308億円)超えの可能性も出てきました。
絶好調の缶コーヒーなど飲食系コラボ商品が続々
こうした鬼滅の刃のブームは、漫画やアニメ、映画に止まらず、売上増を期待したタイアップ商品が続々登場するという現象を引き起こしています。
45周年という節目の年を迎えた「ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」は、ダイドードリンコの看板商品。そのダイドーが10月5日から発売した鬼滅の刃とのコラボ缶は、映画上映のタイミングと重なり大ヒットとなっています。全28種類のデザインで展開されていますが、発売開始約3週間で累計販売本数5000万本以上を記録したといいます。
販売好調を受けた同社は12月3日、予定販売本数に約1500万本上乗せすることを発表。11月26日発表の「2021年1月期(2020年1月21日~2021年1月20日)通期連結業績予想数値の修正」では、連結営業利益を18億円から43億円、当期純利益を5億円から25億円に大幅上方修正するなど、”鬼滅パワー”が業績を後押しする形となっています。
また、ロッテの「ビックリマンチョコ」とのコラボ商品「鬼滅の刃マンチョコ」では、シールだけを抜き取り、中身を残したまま大量にコンビニ前のゴミ箱に捨てられている様子が報道されていました。
昭和の仮面ライダースナックやビックリマンチョコと同じ現象が起きるとは、時代を超えてもなお人々の心理が変わらないことを浮き彫りにしたと言えるでしょう。ただ、あまりの人気で、いまだに店頭に並んでいるところを見たことのない人もいるほどの品薄となっています。