株式市場の振り返り-反発となったのは、3連休を控えたポジション調整の可能性
2016年9月16日(金)の東京株式市場は反発となりました。日経平均株価は前日比+0.7%の上昇、TOPIXも+0.8%の上昇で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+0.4%の上昇となりました。
東証1部の出来高は18億9,425万株、売買代金は2兆1,306億円(概算)でした。3連休前でポジション調整もあったためか、前日より商いは活況となりましたが、まだ低水準です。一方、東証マザーズは出来高が4,286万株、売買代金が666億円と厳しい薄商いが続いています。
主要銘柄では、アルプス電気(6770)が急騰し、村田製作所(6981)などの電子部品株が軒並み大幅上昇となりました。また、日立建機(6305)が年初来高値を更新し、コマツ(6301)も大幅高で終わっています。その他では、オリンパス(7733)も大きく値を上げましたが、任天堂(7974)は小幅高に止まりました。一方、トヨタ自動車(7203)や富士重工業(7270)など自動車株の一角が値を下げ、住友不動産(8830)など不動産株が大幅安となりました。なお、新興株式市場では、エディア(3935)がストップ安となり、串カツ田中(3547)が大幅続伸となったことが注目されました。
本日(9月20日)の注目点-日銀金融政策決定会合に対する淡い期待が波乱要因に
先週末のNY市場の上昇を受け、19日(月)のアジア株式市場も多くが値を上げて終わりました。しかし、祭日による休場のため、東京株式市場はその恩恵を受けることができませんでした。NY市場の動向にもよりますが、反動も懸念される20日(火)に大幅上昇はやや見込み難く、日米の金融政策を睨んだ神経質な動きになりそうです。問題は、今週2度目の祭日になる22日(木)の休場が「吉」と出るか「凶」と出るかでしょう。本来ならば、21日(水、現地時間)のFOMCの結果を受けて、22日の株式相場は大きく動く可能性があります。その22日に取引が休みとなることが、その後にどう影響するのか不気味な感じもします。
一方で、日銀金融政策決定会合の結果が、21日の昼過ぎ頃には判明します。その内容は、21日の後場に相応の影響を与えるでしょう。振り返ってみると、今年は4月28日の“ゼロ回答サプライズ”以降、日銀の金融政策に何度も失望させられてきたと言えます。もちろん、勝手に大きな期待を持った投資家サイドにも責任がありますが、最早、過大な期待を持つ人は少数派でしょう。しかし、中には“今度こそは”という期待を持ってしまう人もいるはずです。投資家の悲しい性と言えますが、そうした懲りない人達の淡い期待を見透かして、短期筋が揺さ振りを仕掛けてくる可能性があります。週明け20日は、取引時間中の粗い値動きに要注意です。
新興株式市場はIPO銘柄への関心が高まる展開へ
新興株式市場は、閉幕した東京ゲームショーでも目立った物色テーマを見つけることが出来なかったようで、資金流入の再開が遠のいた印象があります。したがって、必然的にIPO銘柄に注目が集まりましょう。上場してまだ間もない銘柄に対しては、成長性を過大に見積もった評価がなされる可能性があります。最近上場した串カツ田中のような庶民派銘柄に注目するのは一考に値しますが、“逃げ足”の準備だけはしておきましょう。
青山 諭志