ヤマハ、ステイホーム需要で回復基調も工場稼働制限による供給不足で2Qは減収減益

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2020年11月4日に行われた、ヤマハ株式会社2021年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:ヤマハ株式会社 取締役 代表執行役社長 中田卓也 氏

決算発表のポイント

中田卓也氏:中田です。あらためましておはようございます。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。また、平素より当社の事業にご理解いただきまして、ありがとうございます。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

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それでは、2021年3月期第2四半期の決算の状況についてご説明します。1ページは今回の決算のポイントです。まず4月から9月の上期ですが、ステイホームの需要も引き続き堅調に推移し、市況もお店がオープンできるということもあって回復基調でした。

ただし、インドネシアの工場で稼働を制限されたことによる供給不足がまだ続いており、結果として減収減益になりました。

売上収益は前年比で8割弱の1,648億円です。事業利益は130億円で、前年比のほぼ5割になりました。事業利益率は7.9パーセントで、第1四半期に比べてかなり改善してきたと言えると思います。

通期の業績予想はすでにご案内していますが、市場回復や供給不足の解消が進んで改善してきているものの、先月部品サプライヤーの工場火災が発生し、こちらの影響がかなりあるのではないかと想定されます。

現時点ではその影響を正しく見積もることが非常に困難な状況で、通期の業績については見直しを行わないこととさせていただきました。

業績概要

業績の概要です。先ほどお伝えしたように、売上収益、事業利益ともに回復基調にあります。上期はスライドのとおりです。当期利益についても第1四半期は赤字でしたが、第2四半期の業績を反映して黒字に転換できたということです。

売上についても先ほど8割弱とお伝えしましたが、為替の影響もありました。そちらを除けば8割まできたと見ています。第1四半期の決算の時に、第2四半期も第1四半期と同じような基調が続くとお伝えしたと思いますが、それに比べて若干上方に推移したと見ています。

事業利益増減要因

4ページは事業利益の前期との比較になりますが、減収減産が非常に多く、前期比でマイナス221億円です。第1四半期がマイナス140億円ほどだったため、第2四半期は引き算して対前年で約80億円のマイナスで、マイナス幅は縮んできていると言えると思います。

販管費については、第2四半期以降いろいろな活動を再開するということでもう少し費用が発生すると見ていましたが、まだ新型コロナウイルスの状況がまったく改善しないという中、事業活動そのものも第1四半期と同じような活動を行うことになりました。

経費についてもいろいろな抑制を行い、我々の想定以上に進みました。第1四半期とほぼ同じ程度の対前年削減ということで、この6ヶ月で前年に比べて112億円のマイナスとなったことが大きく寄与し、最終的な事業利益が130億円となっています。

事業別業績

5ページは事業別業績です。楽器事業と音響機器事業は黒字を達成できました。特に楽器事業は10パーセントを超える事業利益率を確保できたということです。

音響機器についても3.5パーセントで、前期に比べまだまだ足りない部分もありますが、順調に回復してきたと見ています。部品・装置、その他については、ほぼ横ばいです。

通期業績予想

6ページ、7ページ、8ページに通期の予想がありますが、先ほどお伝えしたとおりです。火災の影響が見通せないため、第1四半期の決算発表の数字のままになります。こちらは変更がないということでご理解いただければと思います。

通期では、売上収益が3,550億円、事業利益が250億円、当期利益が160億円です。ただし、下期がまだまだ見通せないという中で据え置いた数字とご理解いただければと思います。

売上収益・事業利益①

事業別の概要について、楽器事業からご説明します。10ページに楽器事業の概況を示しています。上期全体では79パーセントで着地しました。ピアノは店舗が再開したということも含めて、回復の兆しを見ています。特に中国では好調に回復してきたこともあり、売上に寄与しているということです。

一方、電子楽器についてはステイホームの需要は継続していますが、我々の供給が滞っているため、全体としては減収になっています。まだまだ需要は旺盛で、注残が増えている状態です。

管楽器は学校の再開遅れ、特に北米の再開遅れが非常に影響し、需要そのものがまだまだ低迷している状態です。ギターについても需要が大変旺盛で、全体としては対前年を上回る数字を確保できている状況です。

地域別では、特に中国でピアノが回復してきており、順調に復調を見せているということです。それ以外の地域については需要そのものは回復してきていますが、電子楽器の供給不足が大きく影響しています。

通期については数字を変えていませんが、定性的な状況としてはピアノは順調に回復してきていると予想しており、ギターも引き続き堅調な推移を予想しています。一方で、電子楽器と管楽器は供給不足と市場の需要縮退で、それぞれマイナスインパクトがあり、減収と想定しています。

主要商品 販売状況①

11ページは商品別の販売状況です。ピアノは第2四半期に堅調に回復してきていますが、電子楽器が第1四半期よりも対前年でマイナスになっています。こちらは供給の問題が大きく影響しており、通常は第2四半期で売上が伸びますが、そちらを伸ばすことができなかったことが大きいです。

管楽器についても第2四半期で需要が伸びますが、特に北米が伸び悩み、77パーセントにとどまっています。一方で、国内の市況は若干回復してきていますので、その意味では第1四半期より収益は上がったということです。ギターは順調に売上を伸ばし、対前年で103パーセントを達成しています。

地域別販売状況①

12ページは地域別です。北米は先ほど来お伝えしている理由で、第1四半期に比べて第2四半期の対前年の伸び率はマイナスになりました。中国は、第2四半期は対前年を超える売上を確保できました。特にピアノの復調が大きな要因と言えると思います。

個性際立つ商品の開発①

13ページです。コロナ禍ではありますが、いろいろな商品群を発表させていただきました。特に電子ピアノ「CLP-700シリーズ」は商品的には大変高評価をいただいています。

一方で、供給に関しては例年に比べ、旧品番の在庫がキツキツになるまでしっかりと入替えの売上が出たということで、逆に在庫不足を引き起こしています。

ギターも巣ごもり需要と相まって、売上が堅調に伸びています。また、新しいところではデジタルサックスも発表させていただきましたが、大変好調に引き合いをいただいています。

個性際立つ商品の開発②

14ページです。デザイン関係でもいろいろな賞をいただいており、楽器の競争力は確保できていると認識しています。

売上収益・事業利益②

音響機器事業です。売上ですが、上期は対前年で84パーセントまで伸長してきています。まだまだPAは個人制作の需要が拡大していますが、ライブ市場、イベント関係の開催ができないため、まだまだ低迷が続いています。

一方で、AVについては新しく参入したイヤホンが非常に好調に推移しています。また、ワイヤレスSP、サウンドバー等が堅調に推移しており、一定の売上が確保できているということです。

ICT機器はテレワークが常態化する中、特にスピーカーフォンが大変堅調に推移しており、国内では対前年で3倍を超える売上を見せています。事業利益についても売上が想定より上回ったため、上期でも利益が出せている状態です。

主要商品 販売状況②

16ページは商品別です。スライドをご覧いただくとご理解いただけるかと思いますが、PA機器が対前年でまだまだ苦戦しているということです。

一方で、ICT機器の第2四半期は対前年でも164パーセントです。こちらはOEMを除いた数字ですが、全世界でもこのような堅調な数字を見せています。

AV機器は第1四半期に比べてやや下がっていますが、新商品が若干遅れたこと、第1四半期に出荷がズレ込んだということがあり、若干の期ズレでこのような数字になっています。

地域別販売状況②

17ページは地域別になります。日本は第1四半期に125パーセントとありますが、設備工事の売上が非常に伸びたことが影響しています。

北米は先ほど来お伝えしていますが、第2四半期が第1四半期よりも大幅に落ち込んで見えているのは、1つは先ほどご説明したAV機器のレシーバーが期ズレで第1四半期に出荷できたことで、こちらが伸びたことがあります。

また、第2四半期に発売を予定していた高級レシーバーが開発のトラブルで期ズレを起こし、第3四半期に延期になったということで、こちらが落ち込みました。加えて、PAが業務用、特にライブ市場が苦戦したということで、このような数字になっています。

一方で、ヨーロッパは第1四半期に比べてかなり復調してきているということです。その他地域も、全体からするとまだまだ苦戦が続いています。こちらはイベント関係ができないこともあり、PA機器が苦戦していることが大きな要因です。

個性際立つ商品の開発③

18ページに音響機器関係の新商品を記載しています。デジタルミキシングシステムの上位機種に「RIVAGE」の「PM10」「PM7」がありますが、そのさらに下の「PM5」「PM3」をラインナップとして新しく追加しました。

商品的には非常に評価が高いのですが、今ライブ市場が落ち込んでいることを受け、売上そのものにはまだまだ寄与できていない状況です。

スライドの右上はイヤフォンになりますが、先に発売したフルワイヤレスはネックバンドがないものでしたが、ネックバンド付きも新しくラインナップに加えています。国内先行で発売しましたが、特に「EP-E30A」のような1万円を切る商品については大変高い評価をいただき、想定以上の売上を確保できているということです。

下段にスピーカーのサウンドバー、レシーバーがありますが、特にサウンドバーは巣ごもり需要も追い風になり、堅調に伸びてきています。

個性際立つ商品の開発④

19ページで、特にコミュニケーション関係の機器を紹介しています。スライド右上の「YVC-330」は非常に好調に推移しており、この下の「YVC-200」、上位機種の「YVC-1000」、この3品番を合わせて大変高い引き合いと需要をいただいています。

供給も量産体制がなんとか整ったところで、まだまだすべての供給を満たしている状態ではありませんが、こちらがほかのマイナスをかなりカバーしたということも挙げられると思います。

加えてスライド左上の新しいワンストップサウンドソリューションですが、会議室の天井に設置するだけで、ワイヤレス環境、リモート環境が設置できるという商品も投入しました。

下段ですが、日経コンピュータの調査でネットワーク機器分野で5年連続第1位をいただいていることも併せてご紹介したいと思います。

売上収益・事業利益③

20ページで部品・装置、その他の事業の分野についてご説明します。上期では、電子デバイス、自動車用内装部品ともにまだまだ生産が十分には回復していないこともあり、前年には届きませんでした。

一方で、FA機器、特にプレシジョンマシン関係は前年を上回るところで推移しています。通期も車載オーディオが順調に回復してくることも含めて、プラスを見込んでいます。

個性際立つ商品の開発⑤

21ページはこの分野の新商品ですが、すでに発表したものです。中国の自動車メーカーの吉利グループと上海汽車の2社で、私どものスピーカーシステムやオーディオシステムの採用が決まり、ようやくこのあたりりの芽が徐々に出始めたということでご紹介したいと思います。

写真を掲載していますが、特に右側のようにドアに設置するスピーカーは、スピーカーグリルにしっかりとヤマハのロゴが付けられており、中国におけるヤマハのブランド価値がこのようなところにも表れています。

私どもはピアノで培ってきましたが、高品質であることをオーディオ分野でも評価され始めており、今のところお客さまからの評判も大変よいと聞いています。こちらは大変期待していきたい分野です。

貸借対照表

その他財務数値ですが、23ページは貸借対照表です。大きな資産の金額には変わりありませんが、中身がだいぶ変わっています。特に営業債権、その他の金融資産が大幅に減ったこともあり、その分現金が増えているかたちになっています。

上期全体を通しても、キャッシュ・フロー的には営業キャッシュ・フローは減っている部分もありますが、その分営業債権が減少し、むしろキャッシュ・フロー的には増えてきているという実態があります。

設備投資額・減価償却費/研究開発費

24ページの設備投資ですが、今期は不要不急のものについては延期している影響もあり、前期に比べて大幅に減少してきています。

一方で、研究開発費は若干マイナスはありますが、こちらはしっかりと新商品を開発していくということで、それほど大きく減少していません。

ESG

ESGの観点でいろいろな取り組みも行っていますので、簡単にご紹介します。26ページです。我々は事業を通じて音楽文化や社会の持続的発展に貢献したいということでさまざまな取り組みを行っています。

今期はコロナ禍ということで、ソーシャルディスタンスなどに対して音の側面からいろいろな活動を行いました。自動演奏の機能とインターネットとの接続などの特徴をうまく使い、音楽大学の入試に我々の楽器を使っていただきました。

スライドの右下ですが、開発を進めていた「SoundUD」を我々は「音のQRコード」とわかりやすく表現していますが、そのような機能を使い、タクシーのキャッシュレス決済に使っていただいたり、「Remote Cheerer」としてもさまざまな貢献ができたと思っています。

また、新興国で我々が進めているスクールプロジェクトも一時凍結していましたが、マスクなどいろいろな感染予防を行い、再開を始めてきています。

トピック①

トピックスです。我々の技術力を示す意味で、AIによる歌唱合成で美空ひばりを再現することも行い、総務大臣賞を受賞しました。

また、距離を克服してライブ活動ができる取り組みも進めてきましたが、新しくライブの照明も含めたさまざまな部分を再現する取り組みも紹介させていただきました。

アフターコロナでも時間や空間をまたいでライブが再現できるということで、パッケージとしてのビジネスもこの先考えられるのではないかと思っており、取り引きを始めたところです。

トピック②

28ページです。ブランドショップ展開を進めるとお伝えしていましたが、工事等を一旦中断せざるを得ない中、銀座店については全フロアではありませんが、1階、2階の改装が終わり、お客さまもいろいろと新しい体験を感じていただけるエリアということで再開しています。

また、直近では新しい取り組みとして、歌うコミュニケーションロボットのプロトタイプを公開し、お客さまと一緒になって最終的な商品を作り上げていこうということで、モニターの募集を始めました。

このような新しい取り組みも、コロナ禍の中で、新しい価値観の中で、我々は挑戦していきたいと考えています。

2021年3月期 2Q 業績概要

最後に付属資料ですが、30ページです。例年はあまり詳しくご説明しませんが、第1四半期、第2四半期は大きな変化がありましたので、ご覧いただければと思います。

第2四半期の業績予想としては、売上収益がほぼ前年の85パーセントくらいまで戻ってきています。事業利益も80パーセント近いところまで戻ったということが特徴として挙げられると思います。

2021年3月期 2Q 事業別実績

31ページは、事業セグメント別の第2四半期のみの実績になります。楽器事業については15パーセントを超える事業利益率まで回復してきたということです。以上、簡単ですが第2四半期の決算の概要をご報告させていただきました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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