ポイント2. 気持ちのいい感覚がわきたつ!絵本を楽しむ中でうまれるスキンシップ
親は読み聞かせと同時に、あかちゃんの手を触ってあげたり、ぎゅっと抱きしめてあげたりと、スキンシップをしています。ヒトを含むほ乳類動物は、スキンシップによって子どもだけでなく親の側にも「心地よい感覚」をわきたたせる身体の仕組みをもっています。
身体を優しく接触させることで、オキシトシンという内分泌ホルモンが脳内から分泌されるからです。脳が最も発達する乳児期に親との身体接触の機会を豊かにもつ、つまり幼少期からコミュニケーションに対して心地よさを感じる経験は、将来親以外の他者との安定した対人関係を築くための土台となります。
ポイント3. 今こそ大切!絵本を読みあう時間は親子ともに笑顔になる最高の場面
『いないいないばあ』を読むことで、あかちゃんには笑顔がうまれます。一方で親にとって育児は手応えを感じづらく、自分がやっていることはあかちゃんにとって良いことなのかと不安に感じることが多いのではないでしょうか。日常の育児場面であかちゃんと絵本を読みあうことは、「自分があかちゃんに対してやっていることは間違っていない。喜んでくれている。」という自信、つまり”育児効力感”を高めることにつながります。親子がともに笑顔になれる最高の場面です。
昨今の新型コロナウイルスの影響によって変化する日常があかちゃんの脳と心の発達にもたらしうるリスクについても危機感を持っています。ヒトは顔らしい刺激に特化して活動する神経細胞をもっていますが、それを働かせるには、日常場面で多様に「動く」顔(喜怒哀楽といった表情)をたくさん見る経験が不可欠です。豊かな表情で声かけを行いながら、絵本を読む中で積極的にコミュニケーションをはかっていただきたい。マスク着用で口の動きが覆い隠されることが当たり前となりつつある今だからこそ、あかちゃんにとってそうした機会が重要となるでしょう。