トランプ政権下で、米国と韓国との関係は悪化の一途を辿った。

今年10月には、米国防総省で第52回米韓安保協議会が行われたが、両国は防衛費の分担金問題を巡って激しく衝突。共同声明からは昨年とは異なり「在韓米軍の現水準を維持」という表現が取り除かれ、予定されていた両国国防トップの記者会見も中止されるなど荒れに荒れる事態となった。

また、韓国は日韓関係が悪化する中、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄をちらつかせたことから、米国の強い不信感を買った。

バイデン政権でも韓国は米中の板挟みに

では、トランプ政権からバイデン政権になると、米韓関係はどう変わるのだろうか。

11月12日、バイデン氏は文在寅大統領と電話会談を行い、韓国を防衛する意志とともに北朝鮮の核問題の解決に向けて緊密に協力する考えを文大統領に伝え、大統領就任後早期に米韓首脳会談を開催する方針を示した。

また、バイデン氏は、文大統領にインド太平洋の平和と繁栄に向けて緊密な協力を期待すると述べたという。

現時点で、米韓関係が改善する可能性はあるのだろうか。そのためには多くの課題があると筆者は考えている。まず、バイデン氏が言及したインド太平洋に、韓国がどこまで本腰を入れられるかという問題がある。