寒い冬の頼れるアウターといえば、やっぱりダウン。それなりの値段を出すからには、長く使える間違いない一着が欲しい!となると、狙うべきブランドはタトラス? ウールリッチ? やっぱりカナダグース??

今回はそんな迷えるコンサバさんの代わりに、現場のプロに聞いてきました。お邪魔したのはエディフィス新宿店。みんなが今欲しがっている鉄板の5モデルを、名物スタッフ・三浦さんにコーディネート込みで順番に解説してもらいました!

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\ 解説してくれたショップスタッフ /

三浦 健司さん / EDIFICE 新宿店
豊富な知識をベースに懇切丁寧な接客をしてくれるショップスタッフの証、BAY☆FA GOLDの肩書を持つ三浦さん。大のサッカー好き。最近は久保選手も所属するスペインリーグ・ビジャレアルのジェラール・モレノの天才っぷりに魅了されているらしい。絶賛更新中のインスタも必見。(@miutake___)。


1. シンプルさと防寒性を兼ね備えた〈カナダグース〉

-15℃から-25℃の環境下でも活動できるスペックを備える〈カナダグース〉の看板モデル。ほどよくミリタリー感のあるシンプルなデザインは街着として取り入れやすい。小柄なアジア人の体型に合わせたフュージョンフィットモデル。CANADA GOOSE / Chateau Parka FF ¥129,800(税込み)


ーカナダグースはやはり選択肢に挙がりますか。

知名度が圧倒的に高いですからね。ダウンといえばカナダグースと思われている方は多い。「カナダグースが欲しい」という方が決め打ちで狙うのは、大体こちらのシャトー、もしくはジャスパーというモデルのどちらかですね。デザインはどちらもほぼ変わらないので、一番人気と言っていいモデルです。


ーあまりダウンっぽく見えないのも、シャトーが人気の理由なのでしょうか?

ボリューム感はあるものの、表地にダウンのキルト部分が露出しないので、野暮ったく見えないというのはありますね。あとは“圧倒的に暖かい”という評判がもうすでに浸透している。お客さんにとって、防寒性への安心感があるのも人気の理由だと思います。

ー〈カナダグース〉はどういう方におすすめなのでしょうか?

表地がタフな生地なので、日々の使用時にあまり気を使いたくないという方にいいと思います。特に小さなお子さんがいらっしゃる方は、日常生活で取り扱いなどいちいち気にしていられないと思うのでおすすめですね。

ー今シャトーを着るなら、どんなコーディネートがいいですか?

日本でシャトーを普段使いするなら、そんなにインナーに保温性は必要ないかなと。とはいえ、ダウンを脱いだ後もある程度はきちんとして見せたい。タートルネックのカットソーに軽いカーディガンを羽織るスタイルなどはいかがでしょうか。

ダウンジャケット/ CANADA GOOSE、カットソー / alvana(EDIFICE別注)、パンツ / EDIFICE、シューズ / adidas(EDIFICE別注)


2. ビジネスウェアとも好相性の〈ウールリッチ〉

氷点下で作業するアラスカのパイプライン建設作業者向けに誕生したアークティックパーカ。アナログな風合いと機能性を併せもつ、通称60/40(ロクヨン)クロスを表地に採用。さらにテフロン加工を施し、撥水性を強化している。WOOLRICH / EDIFICE別注 New ARCTIC PARKA ML 118,800円(税込み)


ーこちらはエディフィス別注なんですね。別注のポイントはどこでしょう?

ボタンや裏地に至るまで同系色で統一しました。さらに、今年からファーの色も暗い色に変更したんです。従来の(白に近い)ファーの色だと、コーディネートの際に浮いてしまうという声を結構いただいていたんですよね。よりシックな雰囲気で着られる一着になったかなと思います。

 


ーズバリどんな方におすすめの一着ですか?

セットアップやスーツの上に着られる方がすごく多いモデルですね。しっかり通勤で使いたい方には特に向いていると思います。ブランドのバックボーンが探検隊だったりするので、表地の強度も申し分ありません。カナダグースと立ち位置は似ていますが、よりちょっと玄人向きでしょうか。「カナダグースはカジュアル過ぎる」と思ってしまう方にはハマると思いますよ。

ー今回はセットアップに合わせてコーディネートを組んでいただきました。

まさに冬の通勤時をイメージして、ハイゲージのタートルネックのニット、ネイビーのストライプ地のセットアップを合わせてみました。やはり中にジャケットを着た際の収まりは非常にいいですね。もちろんもっとカジュアルなコーディネートにもお使いいただけます。

ダウンジャケット/ WOOLRICH(EDIFICE別注)、ジャケット / EDIFICE、ニット/ EDIFICE、パンツ / EDIFICE、シューズ / ferrante

 

3. “上品さ”で抜きん出るのは〈タトラス〉

イタリアの名門生地メーカーであるロロピアーナ社の生地、Super150のウールにシルクを混紡した軽量ウールを表地に使用。タイトなシルエットに加え、身頃にダーツを入れる事で立体的ですっきりとしたシルエットを実現している。TATRAS / DOMIZIANO ¥137,500(税込み)


ー〈タトラス〉のDOMIZIANOは三浦さんから見て、どんな一着ですか?

同ブランドの中でも上質な生地を表地に採用するアールラインの一着です。原毛の時点でいいものを惜しみなく使っているので、今回の中で上品さという意味ではひとつ抜きんでる存在ですね。そのせいか、やや年齢層が上の方が購入されるイメージです。


ーダウンなのに、ボリューム感が少なくすっきりして見えます。

タウンユースに特化しているブランドなので、ダウンのボリュームは抑えています。使用しているダウンの質が高いので、少ない量でも保温性は高い。雪山は厳しいと思いますが、日本の都市部で着る分には十分暖かいと思います。

ーこちらはどんな方に合う一着なのでしょうか?

オンオフ問わず普段からハイゲージのニットやスラックスなどのきれいなスタイリングを好む方には特に向いていると思います。逆にちょっとおすすめできないのは、リュックをメインで使っている方でしょうか。どうしても背中の下の部分が摩擦で擦れてしまうんです。

ーコーディネートのポイントはありますか?

個人的に相性がいいと思っているのが、ハイゲージのニットにスラックスを合わせたコーディネートです。中にジャケットを着込む余裕もありますが、あまりアイテムを重ねないほうが〈タトラス〉のダウン特有のすっきり感が強調されると思いますよ。

ダウンジャケット/ TATRAS、ニット/ EDIFICE、パンツ / EDIFICE、シューズ / ferrante


4. 天候・気温問わない唯一のダウン、〈デサントオルテライン〉

熱接着ノンキルト加工とシームテープ加工により水分含浸を防ぎ、高い耐水性を実現した「マウンテニア」。フロント部分には2列のジッパーを配置。ジッパー間のメッシュ生地により、フロントを閉めた状態でもジャケット内の不快な熱や湿気を逃がすことが可能。DESCENTE ALLTERRAIN / EDIFICE別注 マウンテニア ¥115,500(税込み)


ー〈デサントオルテライン〉は黒のイメージが強いのですが、こちらは別注カラーとのことです。インラインではグレーの展開はないんですよね?

はい。エディフィスだけの別注色です。例年だと絶対黒からなくなっていくんですが、今年に関しては、このグレーと黒とで悩まれる方がすごく多いですね。角度によってはカーキっぽくも見えるし、黒っぽくも見える。ちょっとスモーキーな感じのニュンスカラーです。絶妙な色に仕上がったと思います。


ー今回の中では一番雨に強いダウンということです。

“雨に強い”を通り越して、“雨でも平気”なダウンですね。生地自体が水を通しませんし、ダウン特有のステッチもない。ダウンって生地に撥水加工をかけてもステッチが露出していると、そこから浸水してくるんです。その心配はしなくていいかなと。土砂降りの雨の日でも唯一着られるダウンと言っていいと思います。

ーただ、熱圧着のダウンはクリーニングを受けてもらえないという話も聞いたことがあるのですが。

水沢ダウンの提携先である白洋舎さんのような技術力のあるクリーニング屋さんなら、問題はないと思います。もう数年取り扱いをさせてもらっていますが、圧着が剥がれたという話はいただいていないですね。あと大きいポイントとして、今年からギャランティーカードが付きました。万一、不具合があった際も2年間は対応してもらえます。迷っている方は後押しの材料になるのではないでしょうか。


ーそれは頼もしいです。どういう方におすすめですか?

天候や気温に関わらず、これ一着で済ませたいという方にいいのかなと。やはり一流スポーツブランドの技術を結集したダウンなので、細かい機能性の追求は抜かりないですね。あとはこういうスペックって単純に男心をくすぐるじゃないですか。その部分にグッとくる方というか。この一着に限っては、細かいうんちくは語り出せばキリがないです(笑)。

ー普段のコーディネートはどうすればいいですか?

スペック云々を抜きにして、単純にシルエットがキレイなのも魅力です。アームホールも細くてスタイリッシュ。なので、都会的な印象のアイテムとの相性はすごくいい。ホカオネオネのシューズやグラミチに別注したパンツなど、スポーツ感ときれい目な感じを両立させたスタイリングでまとめてみてほしいですね。

ダウンジャケット/ DESCENTE ALLTERRAIN(EDIFICE別注)、スウェット / EDIFICE、パンツ / Gramicci (EDIFICE別注)、シューズ / HOKA ONEONE


5. 軽量性と収納性に特化した〈テアトラ〉

〈テアトラ〉の代名詞的モデルである「スーベニアハンター」のショート丈のダウンバージョン。旅先でお土産を買い漁っても平気な収納量を誇る。ダウンは南極観測隊にも採用される老舗日本ダウンメーカーZANTER社製。暖かいだけでなく、同ブランド史上最軽量のアウター。TEATORA / Souvenir Hunter S/L-EVA ¥110,000(税込み)


ーこちらはどんな一着ですか?

今回の中では、はっきりした性格がある一着。とにかく軽いです。今回、他のダウンと着比べて改めて思いました。圧倒的に軽いですね(笑)。その代わり、雨や雪の中で着ることを想定していない。都市での使用に振り切っているのがユニークな一着ですね。

ーえっ、雨の日は着れないんですか?

でもこの一着に限らず、ダウンって基本的に雨はNGなんですよ。生地に撥水加工がされていれば、急な雨に降られた際の安心感はありますが、雨の日は着ないに越したことはない。先ほどの〈デサントオルテライン〉だけは別ですが。なので、個人的には雨の日に着られないことに関しては、そこまで気にならないですけどね。


ースーベニアハンターのモデル名どおり、やはり収納力は充実しているのでしょうか?

外ポケットだけでなく、内側にもジップがたくさん付いているのでかなりありますよ。僕もテアトラは好きで何着か持っているんですけど、本当に手ぶらで出歩けます。収納量の目安が記載されたタグもこのブランドらしいですね。


ー〈テアトラ〉に関しては、どんな方におすすめなのでしょうか?

一般的な機能性というよりは、〈テアトラ〉というブランドが必要と考えている機能だけを突き詰めた一着です。なので、その辺を面白がれる少しファッション感度が高い方に受けていますね。〈アクロニウム〉ほどマニアックではないのですが、〈オーラリー〉や〈コモリ〉あたりが好きな方なら、この魅力をわかってくれるのかなと。

ーコーディネートのポイントを教えてください。

身幅がかなりゆるいので、今回の中では一番今っぽいシルエットのダウンです。なので、まさに今挙げた〈オーラリー〉のトップスと合わせました。どちらもゆるっとしたシルエットなので、相性はいいですね。他も〈テアトラ〉にグッとくる方が好みそうなコンテンポラリーなブランドを選んでみました。

ダウンジャケット/ TEATORA、スウェット / AURALEE、パンツ / CELLAR DOOR、シューズ / SUICOKE


EDIFICE新宿店
住所:東京都新宿区新宿3-31-9 1F
TEL:03-5366-5481
営業時間:11:30~20:30(平日)、 11:00~20:30(土日祝)
定休日:不定休

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