富士電機、20年度の電子デバイス事業は増収増益に

設備投資の上ぶれも示唆

パワー半導体の主力拠点である松本工場

 富士電機㈱は、2020年度(21年3月期)の電子デバイス事業(半導体+ディスク媒体)が19年度比で増収増益になる見通しだと公表した。売上高は前年度比3%増の1420億円、営業利益は同33%増の129億円を見込む。

 売上高1420億円のうち、半導体は同12%増の1240億円、ディスク媒体は同32%減の180億円を計画している。ディスク媒体は為替の影響や需要の減少で減収になるが、半導体はxEV(電動車)向けの需要増で増収になる。半導体の出荷・生産増が増益に寄与する見込みだ。

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xEV向けの受注が80%近い増加に

 このほど発表した20年7~9月期の電子デバイス事業の業績は、売上高が前年同期比14%増の374億円、営業利益が同33%増の36億円だった。このうち半導体は同21%増の売上高328億円、ディスク媒体は同22%減の46億円。半導体の分野別売上構成比は、①産業モジュールが47%(前年同期は46%)、②産業ディスクリートが17%(同20%)、③自動車が36%(同34%)だった。

 20年7~9月期の半導体受注高は前年同期比で24%増加し、①は同25%増、②は横ばい、③は同36%だった。①は中国の新エネルギー向けが寄与。③ではエンジン車向けが同5%程度減少したが、xEV向けは同80%弱も増加した。

 下期は、中国の旧正月などが影響して①は上期対比で減収になる見込みだが、③は引き続き需要旺盛で、前年同期比で40%程度の増収を見込む。

5年間の設備投資増額を示唆

 同社は18~23年度の5年間を対象にした中期経営計画で電子デバイス事業に総額1200億円の設備投資を計画しているが、非常に好調なxEV向けの需要を受けて「具体的には決めていないが、上ぶれする可能性が高い」と述べ、積み増す可能性を示唆した。

 20年度は、前工程では8インチの生産能力を19年度比で約30%増やすほか、後工程では国内でカーエアコン用IPM(Intelligent Power Module)や電動車用モジュール、フィリピンで圧力センサー、マレーシアで産業向け大容量モジュールなどの能力増強に継続して取り組む方針だ。

電子デバイス産業新聞 編集長 津村 明宏

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津村 明宏(電子デバイス産業新聞)

1995年3月 関西大学 経済学部卒。1999年3月 ㈱産業タイムズ社に入社。
電子デバイス業界の専門紙である電子デバイス産業新聞(旧・半導体産業新聞)の記者として、2007年より副編集長、2009年12月より編集長